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TDK株式会社

6762東証プライム電気機器

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TDK株式会社6762

事業内容

TDK株式会社は1935年にフェライトコアの工業化を目的として設立された電子部品メーカー。現在は連結子会社152社・持分法適用関連会社6社を擁し、「受動部品」「センサ応用製品」「磁気応用製品」「エナジー応用製品」の4セグメントを中核に事業を展開する。

主要製品はセラミックコンデンサ・インダクティブデバイス・MEMSセンサ・HDD用ヘッド・二次電池・電源など多岐にわたり、ICT・自動車・産業機器・データセンター市場を主要顧客層とする。海外売上高比率は92.7%に達し、中国・アジアを中心にグローバルな製造・販売網を構築している。

ビジネスモデル

独自の材料技術・プロセス技術・製品設計技術を5つのコアテクノロジーとして蓄積し、高付加価値電子部品を製造・販売することで収益を得る。エナジー応用製品(二次電池・電源)が売上高の約55%を占める最大セグメントであり、Amperex Technology Limitedを中核とするICT向け二次電池が収益の柱。

受動部品・センサ・磁気応用製品が補完的に収益を支え、研究開発費は売上高比11.6%(289,668百万円)を投じて次世代製品開発を継続する。

企業の強み

受動部品593,201百万円、センサ応用製品224,623百万円、磁気応用製品262,903百万円、エナジー応用製品1,370,304百万円と4セグメントが並立し、特定市場への過度な依存を回避する構造を持つ。2026年3月期は全セグメントで前期比増収を達成し、ポートフォリオの分散効果が業績安定に寄与している。

1935年のフェライト工業化に端を発し、材料技術・プロセス技術・製品設計技術・生産技術・評価シミュレーション技術の5つのコアテクノロジーを90年にわたり蓄積。スピンフォトディテクタや小脳型アナログリザバーAIチップの開発実証など、スピントロニクス等の先端領域でも研究成果を上げており、CEATEC AWARD2025イノベーション部門賞を受賞している。

2005年に買収したAmperex Technology Limitedを中核とするエナジー応用製品セグメントは売上高1,370,304百万円・セグメント利益246,682百万円・事業ROA25.7%を記録。スマートフォン・ノートPC向け小型電池で高い市場地位を持ち、2026年3月期のセグメント資産は2,686,182百万円と全社資産の大半を占める規模を誇る。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高・営業利益・親会社帰属当期利益のすべてで過去最高を更新した。一方、エナジー応用製品がセグメント利益の75.6%を占める収益構造の偏りは変わらず、同セグメントの需要変動が業績全体に直結するリスクが残る。

また中国向け売上高が1,378,025百万円(全体の55.0%)に達しており、米中貿易摩擦の激化や中国の重要鉱物輸出規制等の地政学リスクが顕在化した場合の影響は大きい。

2027年3月期会社予想は売上高2,580,000百万円(前期比+3.0%)、営業利益295,000百万円(同+8.3%)と増収増益を見込む。為替前提は対米ドル150円・対ユーロ175円と実勢に近い水準。

ただし米国の追加関税措置の影響や、スマートフォン等ICT製品の生産が2026年3月期比で減少するとの会社見通しは下振れリスクとなる。構造改革費用等の一時費用約60億円も利益を圧迫する見込み。

2026年3月期の事業ROA(ROIC)は7.5%(WACC7.0%超)と前期から改善し、中期経営計画目標の8%以上に接近した。ROEも9.8%と10%目標に迫る。

一方、2027年3月期の固定資産取得予定370,000百万円(前期比+23.9%)と研究開発費310,000百万円の増加が資本効率を圧迫する可能性がある。インタレスト・カバレッジ・レシオは60.9倍と財務健全性は高く、D/Eレシオ0.3倍も目標範囲内にある。

成長戦略

AIエコシステム市場への積極投資とROIC経営強化で持続的企業価値向上を目指す。

フリーキャッシュフロー創出の最大化を中期経営計画の第1の柱に位置づける。2026年3月期の営業活動によるキャッシュフローは507,672百万円と過去最高水準。2027年3月期は固定資産取得370,000百万円と積極投資を継続しながら、キャッシュ創出力の維持・向上を図る。

収益改善に課題を抱える事業を中心に減損損失・構造改革費用を計上(2026年3月期13,600百万円、2027年3月期予定約6,000百万円)し、事業ROA(ROIC)の向上を推進。2026年3月期実績7.5%(WACC超)から2027年3月期目標8%以上の達成が最終年度の焦点。

データセンター・エッジAI端末・AIスマートフォン・ヒューマノイドロボット・半導体製造装置等を「AIエコシステム市場」と定義し、戦略投資枠を活用した積極投資を実行。研究開発費は2027年3月期310,000百万円(売上高比約12%)へ増額予定。

配当性向35%を目安とする株主還元方針のもと、2026年3月期年間配当36円(配当性向34.9%)、2027年3月期は年間配当40円(中間20円・期末20円)を予定。1株当たり利益の成長を通じた配当の安定的増加を基本方針とする。

最終更新: 2026年7月19日