事業内容
TDK株式会社は1935年にフェライトコアの工業化を目的として設立された電子部品メーカー。現在は連結子会社152社・持分法適用関連会社6社を擁し、「受動部品」「センサ応用製品」「磁気応用製品」「エナジー応用製品」の4セグメントを中核に事業を展開する。
主要製品はセラミックコンデンサ・インダクティブデバイス・MEMSセンサ・HDD用ヘッド・二次電池・電源など多岐にわたり、ICT・自動車・産業機器・データセンター市場を主要顧客層とする。海外売上高比率は92.7%に達し、中国・アジアを中心にグローバルな製造・販売網を構築している。
ビジネスモデル
独自の材料技術・プロセス技術・製品設計技術を5つのコアテクノロジーとして蓄積し、高付加価値電子部品を製造・販売することで収益を得る。エナジー応用製品(二次電池・電源)が売上高の約55%を占める最大セグメントであり、Amperex Technology Limitedを中核とするICT向け二次電池が収益の柱。
受動部品・センサ・磁気応用製品が補完的に収益を支え、研究開発費は売上高比11.6%(289,668百万円)を投じて次世代製品開発を継続する。
企業の強み
受動部品593,201百万円、センサ応用製品224,623百万円、磁気応用製品262,903百万円、エナジー応用製品1,370,304百万円と4セグメントが並立し、特定市場への過度な依存を回避する構造を持つ。2026年3月期は全セグメントで前期比増収を達成し、ポートフォリオの分散効果が業績安定に寄与している。
1935年のフェライト工業化に端を発し、材料技術・プロセス技術・製品設計技術・生産技術・評価シミュレーション技術の5つのコアテクノロジーを90年にわたり蓄積。スピンフォトディテクタや小脳型アナログリザバーAIチップの開発実証など、スピントロニクス等の先端領域でも研究成果を上げており、CEATEC AWARD2025イノベーション部門賞を受賞している。
2005年に買収したAmperex Technology Limitedを中核とするエナジー応用製品セグメントは売上高1,370,304百万円・セグメント利益246,682百万円・事業ROA25.7%を記録。スマートフォン・ノートPC向け小型電池で高い市場地位を持ち、2026年3月期のセグメント資産は2,686,182百万円と全社資産の大半を占める規模を誇る。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期1,902,124百万円から2026年3月期2,504,820百万円へ5期で31.7%拡大。営業利益は同期間166,775百万円から272,415百万円へ63.3%増加し、営業利益率も8.8%から10.9%へ改善した。
2026年3月期は前期比売上高+13.6%・営業利益+21.5%・親会社帰属当期利益+17.0%と加速成長。外部要因としてICT市場向け部品需要の堅調推移とデータセンター向けHDD需要の高水準継続が寄与。
一方、対米ドルで1.2%の円高が進み、為替変動により売上高で約2,500百万円の減収、営業利益で約10,600百万円の減益影響があった。減損損失・構造改革費用として13,600百万円を計上したものの、合理化効果と出荷増でこれを吸収した。
営業活動によるキャッシュフローは507,672百万円と前期比+61,833百万円増加し、キャッシュ創出力も向上している。
成長戦略
AIエコシステム市場への積極投資とROIC経営強化で持続的企業価値向上を目指す。
フリーキャッシュフロー創出の最大化を中期経営計画の第1の柱に位置づける。2026年3月期の営業活動によるキャッシュフローは507,672百万円と過去最高水準。2027年3月期は固定資産取得370,000百万円と積極投資を継続しながら、キャッシュ創出力の維持・向上を図る。
収益改善に課題を抱える事業を中心に減損損失・構造改革費用を計上(2026年3月期13,600百万円、2027年3月期予定約6,000百万円)し、事業ROA(ROIC)の向上を推進。2026年3月期実績7.5%(WACC超)から2027年3月期目標8%以上の達成が最終年度の焦点。
データセンター・エッジAI端末・AIスマートフォン・ヒューマノイドロボット・半導体製造装置等を「AIエコシステム市場」と定義し、戦略投資枠を活用した積極投資を実行。研究開発費は2027年3月期310,000百万円(売上高比約12%)へ増額予定。
配当性向35%を目安とする株主還元方針のもと、2026年3月期年間配当36円(配当性向34.9%)、2027年3月期は年間配当40円(中間20円・期末20円)を予定。1株当たり利益の成長を通じた配当の安定的増加を基本方針とする。
最終更新: 2026年7月19日

