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株式会社ズーム

6694東証スタンダード電気機器

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事業内容

株式会社ズームは1983年創業の音楽用電子機器専業メーカーで、「We're For Creators」を基本理念に掲げる。ハンディオーディオレコーダー、デジタルミキサー、マルチエフェクター、プロフェッショナルフィールドレコーダーなど多彩な製品カテゴリーを展開し、ミュージシャンから映像・放送クリエイターまで幅広いユーザーを対象とする。

製品開発は日本本社に集中し、生産は中国・東南アジアのEMS企業に全量委託。北米・欧州・日本に販売子会社を持ち、世界各国の販売代理店を通じて楽器店・家電量販店・ネット通販業者へ販売する。

連結売上高は17,437百万円(2025年12月期)。

ビジネスモデル

開発機能を日本本社(開発人員54名)に集約し、生産は全量EMS企業に外注することで自社工場を持たない資産軽量型を実現。ZOOMブランド製品の販売に加え、連結子会社(Mogar、フックアップ、Sound Service)が第三者ブランドの輸入販売代理店業務を担うディストリビューション事業を第二の収益柱として育成。

売上高の大部分は米ドル・ユーロ建てで、為替変動が業績に直接影響する構造を持つ。

企業の強み

2021年のフックアップ子会社化、2023年のSound-Service子会社化により、日本・北米・欧州(南欧・中欧・英国)に販売拠点が整備された。Sound Service取扱いブランドは2025年12月期に前期比18.9%増の4,717百万円を計上し、グループ売上の約27%を占める第一カテゴリーに成長している。

32bitフロート録音技術を搭載したStudioシリーズ(H5studio、H6studio)を2025年に投入し、ハンディオーディオレコーダーカテゴリーの新たな柱として好調な販売を記録。同技術はプロフェッショナルフィールドレコーダーやデジタルミキサー(L6max、L12next)にも展開され、技術の横断的転用による製品ラインアップ拡充を実現している。

2025年12月期に割増退職金・棚卸資産処分損・のれん減損損失など合計10億円弱の特別損失を一括計上し、本社機能を中心としたリストラクチャリングを実施。これにより固定費削減と資産健全化を図り、2026年12月期の連結営業利益650百万円黒字転換を目標とする収益構造への転換を進めている。

エンヴァリスの着眼点

2026年1Qは売上高4,447百万円(前年同期比17.4%増)、営業利益216百万円と前年同期の営業損失58百万円から黒字転換した点は評価できる。しかし、欧州子会社への税務調査に伴う過年度付加価値税の追徴見込額119百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は34百万円となった。

税務リスクの最終的な確定額・時期が不透明であり、今後の純利益への影響を注視する必要がある。

米国でのIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく相互関税について違法判決を受け、米国子会社が還付申請を行っているが、返還金額・時期ともに未定のため2026年1Q業績には還付見込額を計上していない。還付が実現した場合は業績上振れ要因となる一方、米国通商政策の動向次第では北米事業への影響が再燃するリスクもあり、外部要因として引き続き注視が必要である。

2026年12月期通期予想は売上高17,500百万円(前期比0.4%増)、営業利益650百万円で変更なし。1Q累計の売上高4,447百万円は通期予想の25.4%、営業利益216百万円は33.2%に相当し、特に利益面での進捗は順調である。

ただし、楽器関連機器業界の小売市場販売不振が継続しており、外部要因として下期の需要動向・為替変動(円安・ユーロ高の継続性)が通期達成の鍵を握る。

成長戦略

収益構造の再構築と高付加価値製品・ディストリビューション事業の二軸成長

廉価版「essentialシリーズ」の市場在庫解消と「Studioシリーズ」新製品効果により、2026年1Qで前年同期比59.0%増と大幅回復。主力カテゴリーの販売回復が通期業績の牽引役として機能している。

2025年9月以降に投入した3機種の新製品が欧州市場を中心に浸透中。2026年1Qのデジタルミキサー/マルチトラックレコーダーは前年同期比11.7%増と堅調に推移しており、ユーロ高効果も追い風となっている。

Sound Service(ドイツ)・Mogar(イタリア)を通じたサードパーティブランドの取り扱い拡大により、自社製品販売の変動を補完する安定収益源を構築。2026年1QのSound Service取扱いブランドは前年同期比24.0%増と高成長を維持している。

販売費及び一般管理費の削減(2026年1Q:1,514百万円、前年同期比1.0%減)と構造改革の推進により、2026年1Qで営業黒字転換を実現。通期営業利益650百万円の黒字化予想を据え置いており、改革効果が顕現している。

最終更新: 2026年7月17日