事業内容
シライ電子工業は1970年創業のプリント配線板専業メーカーで、両面・多層基板を主力に国内工場(京都・滋賀)と中国(珠海・香港・上海・深セン)、タイ、インドに拠点を持つ。自動車、家電、産業機器、社会インフラなど幅広い分野に供給し、設計・試作・量産・実装まで一気通貫で対応できる体制を構築している。
連結売上高の約98%をプリント配線板事業が占め、残りをプリント配線板外観検査機「VISPER」「VIZERA」の開発・販売を行う検査機・ソリューション事業と運送事業が構成する。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
顧客の単価・仕様・納期要望に対し、国内自社工場と中国・タイ等の海外拠点、OEM委託先を柔軟に組み合わせて提案・供給する。製造受託型の売上に加え、自社開発の外観検査機販売によるソリューション収益も持つ。原材料・外注加工費が主要コストであり、生産効率向上と原価低減が収益性を左右する構造となっている。
企業の強み
国内(京都・滋賀)と中国(珠海・香港・上海・深セン)、タイに自社拠点を持ち、OEM委託先も活用することで、設計・試作・量産・実装を一貫して提供できる。顧客の多様な仕様・納期・単価要求に対し複数のサプライチェーンから最適解を提案できる点が競合との差別化要因となっている。
1998年から外部販売を開始したプリント配線板外観検査機「VISPER」は国内外で高い評価を獲得し、約30年にわたり市場に定着したブランドを形成している。2026年には少量多品種対応の次世代モデル「VIZERA」を投入し、製品ラインナップを拡充した。
プリント配線板メーカーとしての現場知見が製品開発に活かされている。
金属ベース基板・厚銅基板・IVH基板・穴埋め基板・銅ピン挿入基板・プレスフィットピン挿入基板など、高放熱・大電流・高信頼性ニーズに対応する高付加価値製品群を保有する。インクジェット塗布技術を用いた環境対応型基板の開発も進めており、製造工程削減と環境負荷低減を両立する技術開発を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の32,864百万円をピークに調整が続き、2026年3月期は29,118百万円(前期比0.7%減)と横ばい圏で推移。一方、営業利益は2,030百万円(前期比21.2%減)、当期純利益は1,309百万円(前期比36.9%減)と収益性が大きく悪化した。
主因は原材料・エネルギー費の高騰(売上原価23,702百万円、前期比1.3%増)と、カーエレクトロニクス分野の回復遅れ。外部要因として中東地政学リスクを背景とした資源価格高騰が期後半から急激に影響した。
2027年3月期は営業利益850百万円(前期比58.1%減)と過去5期で最低水準の予想となっており、コストアップインフレの継続が業績の重石となる見通し。
成長戦略
ASEAN・インド市場開拓と高付加価値製品拡充で中長期的な収益基盤を強化
中期経営計画の柱として、タイ・インドへの販売子会社設立を通じた現地日系企業向け需要の取り込みを推進。2026年3月期においても継続的にアプローチを実施しているが、足元の業績への貢献は限定的であり、効果発現には一定の時間を要する見込み。
海外メーカーとの競争激化に対応するため、高付加価値製品の導入と、データに基づいたグローバル視点での販売・購買戦略を検討・推進。2027年3月期の業績予想は中期目標を大幅に下回る見通しであり、施策効果の発現は2027年3月期以降となる見込み。
生産効率向上と各種コスト圧縮による原価低減を継続的に実施。加えて、新規アライアンス等の外部の力を活用した事業の新陳代謝促進と外部連携強化を検討。原材料・エネルギー費高騰という外部要因に対し、社内吸収と価格転嫁を並行して推進しているが、利幅の確保は十分ではない状況。
最終更新: 2026年7月19日

