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インスペック株式会社

6656東証スタンダード電気機器

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事業内容

インスペック株式会社は、秋田県仙北市に本社を置く半導体パッケージ基板向け外観検査装置の専業メーカーである。主力製品はフラットベッド型検査装置(SXシリーズ)およびロールtoロール型検査装置(RAシリーズ)で、生成AI向けデータセンターに使用されるCPU・GPU搭載の半導体パッケージ基板や、スマートフォン等に使用される精密プリント基板の外観検査を担う。

主要顧客は新光電気工業、村田製作所、住友電気工業等の国内大手基板メーカーに加え、シンガポール拠点のADVANCED SUBSTRATE TECHNOLOGIES PTE.LTD.など海外顧客も拡大中。台湾に現地法人を持ち、香港WWGを通じた中国・東南アジア向け販売も展開する。

2026年4月期売上高は2,478百万円と過去最高を更新した。

ビジネスモデル

受注獲得後に部材を調達・製造委託先と協力して生産し、顧客に納入する受注生産型ビジネスを基本とする。コア技術・設計は内製し、製造・サービスの一部は外部パートナーに委託する「スリムでシンプルな経営体制」を採用。

装置販売に加え、保守・サービス収入(2026年4月期「その他」売上543百万円、構成比21.9%)が収益を補完する。大口受注時の運転資金は総額20億円のシンジケートローンで機動的に対応する。

企業の強み

2025年7月にL/S=1.5μm/1.5μm対応の半導体パッケージ基板検査装置「SX7000」シリーズをリリース。チップレット化・微細配線化が進む最先端パッケージ基板に対応できる検査精度を自社開発で実現しており、競合が短期間で模倣困難な技術的差別化要因となっている。

研究開発費は2026年4月期に256百万円を投じている。

外観検査装置(SXシリーズ)に加え、2025年7月にL/S=5μm/5μm対応のリペア装置「LX7000」をリリース。検査で発見した配線欠陥をその場で修復するワンストップソリューションを提供できる体制を構築しており、顧客の歩留まり改善・品質向上に直結する付加価値を持つ。

設備投資230百万円のうち検査・リペア装置デモ機製作が主要用途。

新光電気工業(売上構成比13.0%)、村田製作所(12.6%)、住友電気工業(11.8%)等の国内大手基板メーカーとの継続取引実績を持つ。2027年4月期期首の受注残高は1,273百万円に加え2026年5月・6月の新規受注172百万円を合算した1,446百万円を確保しており、次期売上の一定部分が既に可視化されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年4月期の売上高は2,478百万円(前期比10.8%増)と過去最高を更新したが、AI対応DC向け最先端パッケージ基板検査装置の案件で新規開発要素に伴うコスト超過が発生し、売上総利益率が前期比5.8ポイント悪化。営業利益は108百万円と前期並みにとどまり当初計画を下回った。

売上成長と利益成長の乖離が続いており、新規開発案件における原価管理能力が収益性改善の鍵となる。

2026年4月期の営業活動によるキャッシュ・フローは△519百万円と前期の+544百万円から大幅に悪化。売上債権の増加(△331百万円)と棚卸資産の増加(△414百万円)が主因。

財務活動では短期借入金を720百万円純増させて資金を手当てし、期末の短期借入金残高は1,721百万円に達した。自己資本比率は22.1%(前期24.9%)と低下傾向にあり、受注残高の着実な売上転換と運転資本管理の改善が財務健全化の前提条件となる。

2027年4月期の業績予想は売上高2,500百万円(前期比0.8%増)、営業利益150百万円(同38.4%増)と大幅な利益改善を見込む。外部要因として、AI対応データセンター投資の継続と先端パッケージング需要の拡大が追い風となる見通し。

一方、2026年4月期に顕在化した新規開発案件でのコスト超過リスクが再発した場合、予想達成は困難となる。期首受注残高1,446百万円の水準は心強いが、粗利率の回復(前期比5.8ポイント悪化からの反転)が予想営業利益率6.0%達成の前提であり、進捗を注視する必要がある。

成長戦略

基板検査装置事業集中と次世代装置開発・海外拡大で中期計画を推進

AI対応データセンター向けの高性能半導体パッケージ基板・インターポーザー検査装置の引き合いが旺盛な中、技術開発と営業活動を一層強化し受注獲得を推進。2026年5月・6月に172百万円の新規受注を獲得し、期首受注残高1,446百万円で新事業年度をスタート。

台湾・タイ・ベトナムを中心とした海外市場での販売活動強化および展示会出展による新規顧客開拓を継続。台湾英視股份有限公司を通じた現地対応体制を活用し、国内外の顧客から受注を獲得している。

露光装置事業撤退完了により基板検査装置事業に経営資源を集中。研究開発費の効率化(前期358百万円→当期256百万円)を図りつつ、新規開発案件の原価管理強化により売上総利益率の回復を目指す。

中期計画では営業利益率15%以上を目標とするが、2026年4月期は4.4%にとどまっており達成には大幅な改善が必要。

2026年4月期も配当を見送り(2期連続無配)。財務基盤の健全性強化を優先方針とし、短期借入金1,721百万円・自己資本比率22.1%という現状から、受注残高の着実な売上転換と運転資本管理改善により財務体質の改善を図る。早期復配に向けて取り組む方針を表明。

最終更新: 2026年7月19日