事業内容
株式会社正興電機製作所は1921年創業、福岡を本拠とする電力・社会インフラ向けシステムインテグレーターである。発電所・変電所向け集中監視制御システム、配電線自動制御システム、上下水道・高速道路向け受変電・監視制御システム、AIデータセンター・系統用蓄電所向け受変電システム、港湾・ヘルスケア向けSaaS・AI/IoTシステムなど幅広い製品・サービスを展開する。
主要顧客は九州電力をはじめとする電力会社、公共インフラ事業者、再生可能エネルギー事業者、データセンター事業者等であり、国内グループ会社に加え中国・マレーシア・フィリピン等の海外拠点も有する。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
電力部門・環境エネルギー部門・情報部門・サービス部門・その他の5セグメントで、製品の開発・製造から工事・エンジニアリング・メンテナンスまでを一貫提供する受注型ビジネスモデル。受注残高(2025年12月期末37,374百万円)が先行指標となり売上の可視性が高い。
日立製作所との技術導入契約(売上高の2〜3%のロイヤリティ)を活用しつつ、自社OT・IT技術を組み合わせたトータルソリューションを提供する。
企業の強み
2025年12月期の連結受注高は39,183百万円(前期比+30.8%)、受注残高は37,374百万円(前期比+26.4%)に達した。特に環境エネルギー部門の受注残高は24,874百万円(前期比+38.2%)と突出しており、AIデータセンター・系統用蓄電所向け大型案件の積み上がりが今後の売上を下支えする構造となっている。
売上高は2021年12月期24,596百万円から2025年12月期31,380百万円へ5期連続増収。営業利益は同期間1,406百万円から2,615百万円へ約1.9倍に拡大し、営業利益率は8.3%(前期比+1.4pt)を達成。
電力部門の原価低減活動(利益率15.0%、前期比+2.4pt)と環境エネルギー部門の利益率改善(5.7%、前期比+2.9pt)が牽引した。
電力インフラ向け監視制御システム(電力部門)と再エネ・蓄電所・データセンター向け受変電システム(環境エネルギー部門)を両輪とし、社会インフラの老朽化更新需要と脱炭素投資拡大の双方を取り込める事業構造を持つ。2025年12月期の環境エネルギー部門売上高は12,994百万円と全社最大セグメントに成長している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2021年12月期から2025年12月期にかけて売上高は24,596百万円→31,380百万円、営業利益は1,406百万円→2,615百万円と5期連続で増収増益を達成。2026年12月期第1四半期は売上高9,574百万円(前年同期比12.6%増)、営業利益1,280百万円(同16.3%増)、経常利益1,456百万円(同25.4%増)、親会社株主帰属純利益1,057百万円(同41.6%増)と全利益項目で加速。
外部要因として老朽インフラ更新需要・AIデータセンター建設・再エネ投資拡大が追い風となる中、環境エネルギー部門の利益率改善とサービス部門の大口案件獲得が全体収益を牽引した。通期予想(売上高36,000百万円、営業利益3,000百万円)は据え置き。
成長戦略
デジタルファースト・脱炭素・One正興の3重点施策でAIデータセンター・再エネ需要を取り込む
総合制御所向けシステム(OT)・スマート保安システム・港湾・ヘルスケア向けAI/IoTソリューションを拡充。2026年12月期第1四半期に情報部門売上高が前年同期比13.7%増と成長するも、開発コスト増により利益は圧迫。
ひびきの研究開発センター建設(建設仮勘定1,777百万円増加)を通じた技術基盤強化が進行中。
太陽光発電所・系統用蓄電所・AIデータセンター向けソリューションを主軸に受注を拡大。2026年12月期第1四半期にサービス部門売上高が前年同期比53.4%増、環境エネルギー部門のセグメント利益が同110.8%増と顕著な成果。受注高12,288百万円(前年同期比6.7%増)が先行指標として良好。
国内外グループ会社(正興電気建設㈱、中国・マレーシア子会社等)との連携強化により、九州電力依存度の低下と顧客基盤の分散を推進。電力・環境エネルギー・情報・サービスの各部門が相互補完的に機能し、2026年12月期第1四半期は全セグメント合計で売上高9,574百万円を達成。
最終更新: 2026年7月17日

