事業内容
株式会社かわでんは、ビル・工場・産業施設・大型マンション向けの高低圧配電盤、制御盤、分電盤などの配電制御設備をカスタムメイドで製作する大手専業メーカーである。1926年創業・1940年設立の長い歴史を持ち、2026年3月に創業100周年を迎えた。
製品は国内の大型・中型オフィスビル、病院、学校、工場、大型マンション等に設置され、新築・リニューアル時に需要が発生する。山形工場(本社)・九州工場の2拠点で生産し、研究・設計・製造・販売・アフターサービスまでを社内一貫体制で担う。
カスタム型市場において上場企業は当社のみであり、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。
ビジネスモデル
顧客が指定する製品仕様に従い一品ごとに製作するカスタムメイド方式を採用し、受注から設計・製造・納品・アフターサービスまでを社内一貫体制で提供する。製品は重量物かつ容積が嵩み、納期が建築工程に深く組み込まれるため海外生産に不向きであり、国内需要は国内メーカーが担う構造となっている。
売上高26,491百万円(2026年3月期)の全てが配電制御設備製造事業の単一セグメントから生み出される。
企業の強み
外注依存が多い競合他社と異なり、研究・設計・製造・販売・アフターサービスの全工程を社内で完結させる体制を構築している。これにより仕様変更への柔軟な対応が可能であり、大型案件における採算管理の徹底と原価低減を実現。
2026年3月期の営業利益率は15.5%(営業利益4,117百万円÷売上高26,491百万円)に達している。
配電制御設備業界は約2,000社のメーカーが存在するが、カスタム型市場において上場企業は当社のみであり、競合認知できる企業は未公開企業のみとなっている。この希少なポジションにより、大型案件の受注において信用力・知名度面での優位性を持つ。
2026年3月期の受注残高は28,488百万円(前期比18.7%増)と高水準を維持している。
2026年3月期末の現金及び預金残高は10,837百万円(前期末比2,718百万円増)、純資産合計は20,318百万円(前期末比14.5%増)。営業活動によるキャッシュ・フローは5,061百万円を創出し、ROEは15.4%を記録。
有利子負債は長期借入金中心で固定負債合計は1,227百万円と低水準であり、財務健全性は高い。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2023年3月期を底に業績は急回復し、2026年3月期は売上高26,491百万円(前期比+9.4%)、営業利益4,117百万円(前期比+58.9%)と過去最高を更新した。営業利益率は15.5%と前期(10.7%)から大幅改善。
外部要因として首都圏大型再開発・データセンター・半導体関連工場建設に伴う旺盛な民間設備投資需要が業績を牽引した。税引前当期純利益は4,117百万円、当期純利益は2,932百万円。
営業キャッシュ・フローは5,061百万円と前期(1,537百万円)から大幅増加し、期末現金は10,837百万円に達した。なお2026年6月24日付で決算短信のキャッシュ・フロー計算書の一部(受取補償金・未収入金の増減額・補償金の受取額)が訂正されたが、営業キャッシュ・フロー合計・投資・財務活動のキャッシュ・フロー合計および期末現金残高に変更はない。
成長戦略
中計2030年3月期目標:売上高35,000百万円・営業利益4,000百万円・ROE10%
首都圏大型再開発・データセンター・半導体工場等の高付加価値案件を重点的に受注し、採算性の向上を図る。2026年3月期の営業利益率15.5%はその成果を示しており、引き続き案件選別と価格交渉力の強化を推進する。
旺盛な需要に対応するため生産能力の増強を推進。2026年3月期の有形固定資産取得額は854百万円と前期(321百万円)から大幅増加しており、設備投資が本格化している。生産平準化と合わせて安定的な納期対応力の向上を目指す。
潤沢なキャッシュ創出を背景に株主還元を強化。2026年3月期の配当金支払額は946百万円と前期(284百万円)から大幅増加した。ROE10%目標達成に向けた資本効率改善と合わせて、継続的な還元方針を維持する。
2030年3月期目標として掲げていた営業利益4,000百万円を2026年3月期(4,117百万円)に前倒しで達成。売上高目標(35,000百万円)に対しては2026年3月期実績26,491百万円であり、引き続き受注拡大と生産能力増強が課題となる。
最終更新: 2026年7月19日

