事業内容
東光高岳は、2012年に高岳製作所と東光電気の経営統合により誕生した電力関連総合メーカーである。主力の電力機器事業では変圧器・開閉装置等の受変電・配電用機器の製造販売および据付工事を行い、計量事業ではスマートメーターや変成器の製造販売・計器失効替工事を担う。
GXソリューション事業ではEV用急速充電器「SERA」ブランドの展開やPPP/PFI事業・スマートグリッド事業を推進し、光応用検査機器事業では半導体向け三次元検査装置を製造販売する。主要顧客は東京電力パワーグリッドをはじめとする電力会社であり、2026年3月期の同社向け売上高は43,862百万円(売上高全体の39.1%)を占める。
国内電力インフラの整備・更新から次世代エネルギーネットワークの構築まで幅広い事業領域を有する。
ビジネスモデル
電力機器・計量の2コア事業が売上高の約86%を占め、製品製造販売と据付工事・計器失効替工事の請負を組み合わせることで安定収益を確保する。計量事業ではSMAC(スマートメーターアセンブリーセンター)の稼働により製造から物流・取付工事・データ活用まで一貫したサプライチェーンへ拡張中。
GXソリューション事業ではEV充電インフラのワンストップサービスやPPP/PFI事業を通じてストック型収益の構築を指向している。不動産賃貸事業(利益率63.5%)が安定的な収益を下支えする構造も持つ。
企業の強み
東京電力パワーグリッドを筆頭に電力会社向けに特別高圧受変電設備プラントを継続供給しており、2026年3月期の電力機器事業受注高は67,880百万円(前年同期比16.5%増)、受注残高は67,458百万円に達する。長年の取引実績と技術信頼性が参入障壁を形成している。
連結子会社東光東芝メーターシステムズが自動化率100%の製造ラインを整備し、2026年1月には蓮田地区にSMAC(スマートメーターアセンブリーセンター)を稼働開始。製造・物流・取付工事・データ活用に至るサプライチェーン全体に関与する体制を業界内で構築しており、競合が短期間で模倣困難な垂直統合型の事業基盤を有する。
電力機器(利益率15.0%)・計量(13.8%)・GXソリューション(黒字転換)・光応用検査機器(5.8%)・不動産賃貸(63.5%)と複数セグメントに収益源を分散。2026年3月期の連結営業利益率は8.7%(前年比3.0ポイント改善)、売上総利益率は25.5%(前年比2.3ポイント改善)と収益構造が着実に改善している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期91,936百万円から2026年3月期112,093百万円へ5期で21.9%増加。営業利益は2025年3月期に6,094百万円へ落ち込んだ後、2026年3月期は9,763百万円と過去最高を更新(前期比60.2%増)。
売上高営業利益率は5.7%(2025年3月期)から8.7%(2026年3月期)へ改善。外部要因として、生成AI普及に伴うデータセンター・半導体工場建設加速による電力需要増加と、老朽化送配電設備の更新需要拡大が電力機器事業の特別高圧受変電設備プラント物件増加を牽引した。
営業CFは10,780百万円(前期5,039百万円)と大幅改善し、財務体質も強化された。
成長戦略
SQCファースト改革を基盤に、コア事業強靭化と注力3事業(スマートメーター・EV・半導体検査)への集中投資で持続成長を実現
安全・品質・コンプライアンスを最優先とする企業風土の再構築を推進。新経営理念(パーパス・ビジョン・クレド)を制定し全従業員へ浸透。36件のアクションプランの月次モニタリングと取締役会への定期報告体制を整備し、ガバナンス・コンプライアンス体制を強化している。
特別高圧受変電設備プラントを構成する大型変圧器・ガス絶縁開閉装置の技術・品質・事業構造の抜本的改善に着手。工場DX・自動化による生産能力増強を指向し、新建屋建設を含む小山事業所再編の構想を策定。2026年3月期のセグメント利益は9,595百万円(前期比54.5%増)と成果が顕在化している。
東光東芝メーターシステムズにおける自動化率100%製造ラインの整備完了。蓮田地区のSMAC(スマートメーターアセンブリーセンター)で一部電力会社向けに最終組立・ペアリング事業を開始し、製造から物流・取付工事・データ活用までのサプライチェーン全体関与体制を構築。
2026年度以降の販売回復と全電力会社でのシェア拡大を目指す。
「SERA」ブランドの展開加速と次世代超急速充電器「SERA-400(400kW)」の開発推進。連結子会社ミントウェーブとの連携によるワンストップEV充電インフラサービスの提供体制を構築。GXソリューション事業は2026年3月期に黒字転換(493百万円)を達成し、PPP/PFI事業の増加も寄与。
東京都品川区の賃貸ビル(土地2,339.53㎡・建物20,250.03㎡)を段階的に譲渡し、固定資産売却益約107億円と修繕引当金戻入益約13億円を2027年3月期・2028年3月期に計上見込み。売却資金はSQC投資・成長投資への充当と自己株式取得(上限1,300,000株・50億円)に活用。
配当性向目標を30%から40%へ引き上げ、2027年3月期年間配当予想は1株当たり134円。
最終更新: 2026年7月19日

