事業内容
株式会社オリジンは1938年創業の東証スタンダード上場企業。電源機器(エレクトロニクス)、システム機器(メカトロニクス)、合成樹脂塗料(ケミトロニクス)、精密機構部品(コンポーネント)、パワー半導体(その他)の5事業を展開する。
国内外に子会社14社・関連会社2社を持ち、中国・東南アジアにも生産・販売拠点を構える。主要顧客は自動車・EV・半導体製造装置・通信・医療・事務機器メーカー等、幅広い産業分野に製品を供給している。
2026年3月期の連結売上高は26,878百万円。
ビジネスモデル
各事業部門が独自技術を活かしたカスタム製品を開発・製造し、国内外の産業顧客に直接販売する製造販売モデル。ケミトロニクス事業(売上高の38.5%)が最大セグメントで安定収益を担い、コンポーネント事業(29.1%)が利益貢献の柱となっている。
一方、エレクトロニクス・メカトロニクス・半導体デバイス事業は赤字が続いており、収益構造の偏在が課題となっている。
企業の強み
ケミトロニクス事業は2026年3月期売上高10,359百万円(グループ全体の38.5%)、セグメント利益915百万円(前期比41.1%増)を達成。中国・東南アジアの海外子会社6社が化粧品・モビリティ関連で堅調に推移し、国内市場でのシェア拡大も進展。
グループ全体の赤字を補う収益の柱として機能している。
コンポーネント事業は2026年3月期売上高7,813百万円、セグメント利益843百万円、利益率10.8%を確保。モビリティ向け精密機構部品で採用車種の拡大が進み、中国上海工場での国際品質規格取得も完了。設備関連では期末に受注が急増しており、次期への需要取り込み体制を整備中。
2026年3月期の研究開発費は1,483百万円。エレクトロニクス・メカトロニクス・ケミトロニクス・コンポーネント・半導体の5分野で並行して新製品開発を実施。
POCHA+のCHAdeMO認証取得、先端半導体向けMPWシリーズ製品化、カーボンニュートラル貢献塗料の製品化など、複数分野で具体的な成果を上げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期32,348百万円をピークに5期連続で低迷し、2026年3月期は26,877百万円(前期比6.7%減)まで落ち込んだ。営業損失は943百万円(前期246百万円の損失)と悪化が加速。
EV普及停滞と半導体メーカーの設備投資抑制がエレクトロニクス・メカトロニクス事業を直撃した。棚卸資産評価損の売上原価計上も利益を圧迫。
繰延税金資産取り崩し(903百万円)が加わり純損失は2,220百万円に拡大した。営業キャッシュフローは△724百万円と2期連続マイナスで、財務活動(短期借入金純増2,300百万円)で資金を補填する状況にある。
成長戦略
EV・AI・カーボンニュートラル市場でのニッチ・トップを目指す構造改革と成長投資の両立
通信用電源の更新需要は2026年3月期も堅調に推移したが、半導体製造装置用電源の設備投資抑制と医療用電源の需要減少が足を引っ張った。EV充放電器「POCHA V2V」は補助金活用による需要喚起を継続するも当初想定を下回った。半導体・EV市場の回復が業績改善の鍵となる。
2026年3月期にメカトロニクス事業の朝霞開発センターを閉鎖し、減損損失151百万円・特別退職金180百万円を計上した。中国市場低迷でVSMの売上は前期比37.6%減と深刻な状況が続くが、固定費削減による損失縮小を目指す。セグメント損失は前期769百万円から630百万円へ縮小した。
2026年3月期は海外拠点および化粧品関連が好調に推移し、日系モビリティ関連の減産影響を補完して増収・セグメント利益41.1%増を達成した。国内市場でのシェア拡大と中国系EV企業向け新規顧客開拓を継続し、グループの収益柱としての地位を強化する。
2026年3月期はモビリティ関連の採用車種拡大とレジャー関連の堅調推移、期末にかけての設備関連受注急増が寄与した一方、事務機器関連の低迷が続きセグメント利益は前期比14.0%減の843百万円となった。事務機器関連の受注復調の兆しが次期業績への寄与として期待される。
最終更新: 2026年7月19日

