事業内容
安川電機は1915年創業、ACサーボドライブ・インバータを中核とする「モーションコントロール」、産業用ロボット全般を扱う「ロボット」、鉄鋼・社会インフラ向け電気システムの「システムエンジニアリング」、物流サービス等の「その他」の4セグメントで構成される。子会社71社・関連会社13社を擁するグローバルグループであり、自動車・半導体・一般産業・食品・医療など幅広い産業を顧客基盤とする。
売上収益542,122百万円(2026年2月期)のうち、モーションコントロールとロボットの2セグメントで外部売上の約9割を占める。
ビジネスモデル
製品単体の販売にとどまらず、「i³-Mechatronics」コンセプトのもとコントローラ・サーボ・インバータ・ロボットを統合したシステムソリューションを提供し、顧客の生産性向上・省エネ・自動化課題を解決することで収益を得る。製品ライフサイクル全体でのサービス・メンテナンス提案(YDX)も展開し、継続的な顧客接点を確保している。
グローバル需要地生産体制と内製化推進により、コスト競争力と供給安定性を両立させている。
企業の強み
「世界一・世界初」にこだわった製品開発を掲げ、研究開発費は2025年2月期に23,773百万円を投下。モーションコントロール分野だけで11,204百万円を充当し、新マシンコントローラ「MPX1000シリーズ」や機能安全対応「Σ-Xシリーズ」など継続的な新製品投入を実現している。
ロボット業界で初めて自律制御ユニットをコントローラ内に標準搭載した「MOTOMAN NEXT」は2024年「十大新製品賞」を受賞。自社工場(八幡西第1工場)への先行導入で生産性向上を実証済みであり、未自動化領域への展開を加速するための戦略製品として位置づけられている。
2023年度〜2025年度の累計投資計画1,500億円を掲げ、2025年2月期の設備投資実績は40,672百万円。八幡西事業所第5工場(モータ・ロボット一貫生産)の新設、南行橋事業所の2026年度稼働予定など、生産能力・効率の両面で先行投資を実行している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2023年2月期をピークに2025・2026年2月期と調整が続いたが、2027年2月期第1四半期は138,982百万円(前年同期比+10.6%)と増収に転じた。外部要因として半導体・データセンタ関連投資の拡大が主要ドライバー。
一方、営業利益は8,486百万円(同△19.2%)と大幅減益。基幹システム移行に伴う生産稼働への影響、間接費増加、欧州事業構造改革費用が重なった。
通期予想(売上収益580,000百万円、営業利益60,000百万円)は据え置き。過去5期の営業利益は2023年2月期68,301百万円をピークに低下傾向が続いており、通期予想の達成には後半の大幅な収益改善が求められる。
成長戦略
i³-Mechatronicsソリューション深化・グローバル生産体制強化・応用領域事業化の三本柱
経営基盤強化を目的とした基幹システムの移行を推進中。2027年2月期第1四半期は移行に伴う生産稼働への影響が営業利益を大幅に押し下げたが、定着状況を慎重に見極めながら通期業績予想を据え置いており、第2四半期以降の生産正常化による収益回復が期待される。
ACサーボモータ・コントローラおよびインバータのAI・半導体・データセンタ関連需要への対応を強化。2027年2月期第1四半期においてモーションコントロールセグメントがグローバル全地域で増収・大幅増益を達成しており、iCube Controlのグローバル展開によるトータルソリューション提案も推進中。
欧州における自動車市場の低迷を受け、事業構造改革費用を2027年2月期第1四半期に計上。製造業全般の需要底入れや半導体・一般産業向け自動化需要の回復が見られており、構造改革を通じた欧州事業の収益性改善が中期的な課題。
食品・医療・バイオメディカル等の未自動化領域への展開を加速。「まほろ」を軸としたバイオメディカル市場の開拓やパートナー連携によるユースケース創出を推進。八幡西事業所第5工場(モータ・ロボット一貫生産)の稼働により生産効率・収益性の向上も図る。
最終更新: 2026年7月17日

