事業内容
株式会社ヨシタケは1944年創業の自動調整弁専業メーカーで、国内(日本セグメント)とアジア(タイ・アセアン・中国)の2セグメントで事業を展開する。主力製品は工場設備・建築設備向け自動調整弁で、省エネ製品「ワイズジャケット」や医療・医薬品工場向け「マグネットミキサー」なども手掛ける。
製造は国内の当社・カワキ計測工業とタイ子会社ヨシタケ・ワークス・タイランド(YWT)が担い、マレーシア・インドネシア・シンガポール・ベトナム・中国の販売子会社網を通じてアセアン全域に製品を供給する。主要顧客は製鉄・工場設備・建築設備・医療・医薬品分野の産業ユーザーで、米国ではアームストロング・インターナショナルとの合弁を通じた相互販売体制も持つ。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
国内では当社および製造子会社が生産した製品を、流通・エンドユーザー・建築物件の三領域で直接販売する。海外ではタイ工場が鋳造から組立までの一貫生産を担い、アセアン各国の販売子会社が現地市場へ直接販売する構造。
受注見込み生産方式を採用し、在庫リスクを管理しながら安定供給を実現。資金需要は自己資金を原則とし、借入金残高は21百万円と財務健全性を維持している。
企業の強み
タイ子会社YWTは鋳造から加工・組立までの一貫生産体制を構築し、品質・コスト・納期面で大幅な改善を実現している。2026年3月期のアジアセグメント生産高は6,085,396千円(前期比14.3%増)に達し、グループ全体の中心的生産拠点として機能している。
2023年にマレーシア・インドネシア・シンガポール・ベトナムの販売子会社を相次いで取得・設立し、2023年11月には中国合弁会社も設立。この販売網を活用したアセアン向け販売は2026年3月期に外部売上高前期比20.5%増を達成しており、短期間で構築した海外直販体制が業績に貢献している。
2026年3月期末の借入金残高は21百万円にとどまり、純資産合計は18,481百万円(前期末比1,516百万円増)。資金需要は自己資金を原則とし、1,560百万円の当座貸越枠を未使用のまま保有。現金および現金同等物は3,991百万円と潤沢で、成長投資余力を十分に確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は10,343百万円(前期比5.1%増)と5期連続増収を達成し、営業利益は1,320百万円(同23.5%増)と過去最高を更新した。売上高営業利益率は12.8%(前期10.9%)に改善。
経常利益は組合投資利益537百万円の計上等により2,296百万円(同58.4%増)、親会社株主帰属純利益は1,478百万円(同58.5%増)と大幅増益となった。国内では工場設備市場でのワイズジャケット・マグネットミキサーが好調、海外ではアセアン向けが牽引した。
外部要因として、AI・半導体・脱炭素関連の設備投資需要が内需を下支えした一方、製鉄関連の大規模案件消滅や中国向け販売の低調が一部の逆風となった。5期の売上高推移は7,091→7,517→8,953→9,843→10,343百万円、営業利益は910→890→875→1,069→1,320百万円と直近2期で急回復・拡大している。
成長戦略
国内三領域の営業強化・製品開発加速・アジア販売網拡充によるグローバル成長
国内外の建築設備物件の受注獲得に注力するとともに、流通・エンドユーザー・建築物件の三領域で営業を強化する方針。2026年3月期は工場設備市場での売上拡大が実現し、国内売上は前期を上回る推移となった。日本セグメント利益は前期比22.4%増の1,032百万円を達成。
製品ラインアップの拡大および新市場へ投入できる製品開発を推進し、開発スケジュールの厳守と開発期間の短縮により開発力を強化する。ワイズジャケット・マグネットミキサー等の付加価値製品が2026年3月期に売上拡大に貢献しており、研究開発費199百万円を継続投入している。
アセアン地域・中国を中心とした海外販路の拡大を推進。2026年3月期はアセアン向け販売が好調に推移し、アジアセグメント外部売上高は2,751百万円(前期比20.5%増)を達成した。次期も売上高11,080百万円(前期比7.1%増)を予想しており、海外成長が継続する見通し。
内製化を含むサプライチェーンの多様化や、自然災害およびナフサ関連材料の調達性への対策強化など、リスク管理の強化に取り組む方針を明示。実質無借金化(長期借入金ゼロ)と当座貸越極度額1,561百万円の確保により財務的な安定基盤も整備されている。
最終更新: 2026年7月19日

