事業内容
NTN株式会社は1918年創業の軸受(ベアリング)専業大手で、子会社73社・関連会社12社を含むグループ連結売上高826,344百万円を誇る。主力製品は軸受(ボールベアリング・ニードルベアリング等)と等速ジョイント(CVJ)・アクスル軸受で、自動車OEM・産業機械OEM・アフターマーケットの3市場に供給する。
事業は「日本」「米州」「欧州」「アジア他」の4地域セグメントで構成され、海外売上比率は74.4%に達するグローバル企業。自動車向けが売上の約6割を占め、電動化対応製品や状態監視サービスへの展開も進めている。
ビジネスモデル
製品を自動車・産業機械メーカーへ直接供給するOEM事業と、補修・交換需要を取り込むアフターマーケット事業を両輪とする。国内製造を当社が担い、海外製造は現地法人が半製品供給を受けて行う垂直統合型。
アフターマーケット向けには汎用品即納システム「FIRST」を展開し、在庫充実による供給力強化で安定収益を確保。研究開発費は年間19,950百万円を投じ、高付加価値製品・サービスへの転換を図る。
企業の強み
1918年創業以来培ったトライボロジー技術を核に、特殊熱処理「HA-C」軸受が2025年「超」モノづくり部品大賞「機械・ロボット部品賞」を受賞。樹脂モールド絶縁軸受の量産開始、低発塵軸受・低トルクCVJなど高付加価値製品を継続的に市場投入しており、技術的差別化が実績として確認できる。
日本・米州・欧州・アジア他の4地域に製造拠点を持ち、海外売上比率74.4%を実現。アジア他セグメントは営業利益率10.5%と高収益を維持し、インドでは研究開発体制強化とCVJ供給能力増強を進行中。欧州フランス・アルゴネ工場では航空宇宙向け軸受の生産能力を2030年度まで段階的に増強している。
汎用品在庫即納システム「FIRST」の販売子会社への導入と完成品在庫拡充が概ね完了。MRO向け大形軸受は材料在庫保有による納期短縮を実現し受注に直結。2025年3月より軸受分析サービス、10月より産業機械用CVJメンテナンスサービスを開始し、モノ売りからサービス領域への拡張も着手済み。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は826,344百万円(前期比0.1%増)とほぼ横ばいだが、売価転嫁と変動費削減により売上総利益率が17.1%から18.4%へ改善し、営業利益は31,034百万円(前期比35.2%増)を達成。経常利益は円安による為替差損益の改善(前期4,397百万円の差損→当期488百万円の差益)が寄与し23,484百万円(同124.2%増)。
特別損失は19,815百万円から11,357百万円へ縮小し、日本セグメントの税効果も加わり純利益は12,871百万円の黒字転換。2027年3月期は売上高810,000百万円(前期比2.0%減)、営業利益33,000百万円(同6.3%増)を予想。
想定為替レートは1US$=150円、1EURO=175円。
成長戦略
生産再編・売価転嫁・NSK統合の三位一体で収益構造の抜本変革を推進
Safety・Quality・Compliance・Cost&Cash・Delivery&Developmentの強化を通じた収益体質改善。2026年3月期はCVJアクスル事業の営業利益が前期比102.4%増と成果が顕在化。
売上原価率の改善(82.8%→81.6%)が継続しており、2027年3月期も営業利益率改善を目指す。
欧州・米州・アジア・日本各地区での工場統廃合・解雇費用等の事業再編損を計上しながら固定費圧縮を推進。2026年3月期の事業再編損は3,159百万円(前期7,171百万円から縮小)。減損損失も8,090百万円(前期11,735百万円)へ減少しており、再編の峠を越えつつある。
共同株式移転により共同持株会社を設立し、両社を完全子会社化する経営統合を推進。軸受・精密機器分野での規模拡大・コスト効率化・技術基盤の結集により、中国・欧州・米国関税等の外部環境変化に対する耐性強化を目指す。株式移転比率は今後のデュー・ディリジェンス結果を踏まえ最終契約書で決定予定。
欧州は2026年3月期に1,061百万円の損失(前期4,163百万円の損失から大幅改善)。変動費・固定費削減と売価転嫁により損失幅は縮小しているが、自動車OEM向け客先需要の低減が継続しており、完全黒字化には至っていない。欧州地区の生産再編(事業再編損1,144百万円計上)を継続中。
最終更新: 2026年7月19日

