事業内容
JUKI株式会社は1938年創業、東京証券取引所プライム市場上場の精密機械メーカーである。主力の縫製事業では工業用・家庭用ミシンおよびIoT関連システムを、産機事業ではSMTマウンタ・受託加工製品を製造販売する。
グループは当社・子会社24社・関連会社3社で構成され、アジア・欧米・中東・インドを含むグローバル市場に展開。2025年12月期の連結売上高は88,761百万円で、縫製事業が売上の約75%を占める。
主要顧客はアパレル・車載関連の縫製工場(グローバル100社)および電子機器製造業者であり、IoT融合によるソリューション提案で差別化を図っている。
ビジネスモデル
縫製事業では工業用・家庭用ミシン本体の販売に加え、パーツ・サービス・システム・自動化部門を統合し、ハイエンド顧客向けにIoT融合ソリューションを提供することで高付加価値収益を追求する。産機事業ではマウンタ販売と受託加工の二本柱を持ち、受託事業は利益重視モデルへ転換中。
資金調達は自己資金と金融機関借入を基本とし、2025年12月期には本社セール・アンド・リースバックも活用した。
企業の強み
1938年創業以来、工業用ミシンで1981年デミング賞受賞の実績を持つ。2025年12月期末時点で国内外の工業所有権(特許・意匠権)総数は1,420件。
最新機種「DX-01」は世界初の「6本ベルト送りアシスト機構」を採用し、Texprocess Americas 2025でInnovation Awardsを受賞するなど技術優位性を維持している。
2025年12月期の縫製事業セグメント営業利益は5,010百万円(前期比約4.6倍)に急拡大。ハイエンド市場(グローバル100社)への重点シフトと機種削減による生産能力適正化が粗利益率を押し上げた。経常利益ベースでも3,231百万円を計上し、前期の経常損失710百万円から黒字転換を果たした。
2025年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは11,712百万円(前期9,371百万円から増加)。棚卸資産・売掛金の削減を上半期から継続し、投資有価証券売却等も加わり投資活動でも4,364百万円の収入を確保。財務活動での借入金返済16,145百万円を賄いながら財務基盤の強化を進めた。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2022期117,454百万円をピークに縮小傾向が続き、2026年1Q(20,682百万円、前年同期比9.9%減)も減収基調。ただし利益面は構造改革の効果が顕在化しており、2023〜2024期の営業損失から2025期に営業利益2,662百万円へ黒字転換、2026年1Qは売上原価率の大幅改善(74.9%→70.9%)により399百万円の営業黒字を確保した。
経常損失は支払利息増加(421百万円→493百万円)により342百万円の損失が継続するが、前年同期1,035百万円の損失から大幅改善。親会社株主帰属純利益は政策保有株式売却益(404百万円)を計上し37百万円の黒字。
通期予想は売上高90,000百万円(前期比1.4%増)、営業利益4,500百万円(同69.0%増)を据え置いている。
成長戦略
縫製・産機2事業の収益深化とコスト競争力強化により持続的利益成長を目指す
「売上偏重」から「利益重視」への方針転換のもと、高付加価値製品への集中と機種削減による生産能力適正化を推進。2026年1Qの縫製事業営業利益率は3.2%(前年同期1.4%)へ改善し、欧米自動車関連向けの好調が継続。マーケティング戦略の見直しとコスト競争力強化を加速する方針。
2025年中に主要構造改革をほぼ完了。受託事業は黒字が定着(2026年1Q営業利益率5.7%)。産業装置事業は中国・米州の回復遅れが続くが、重点領域・地域を絞ったグローバルニッチ戦略の取り組みと組織再編・工場規模適正化の効果刈り取りにより早期黒字化を推進。
政策保有株式の売却を継続的に実施(2026年1Qに投資有価証券売却益404百万円計上)。売却資金を有利子負債削減に充当し財務レバレッジを低下させる。2026年12月期の年間配当予想は15円(前期10円から増配)。自己株式取得も実施(2026年1Qに284,300株・199百万円)。
現在進めている新中期経営計画への取り組みとして、マーケティング戦略の見直しや生産能力適正化等によるコスト競争力強化を加速。産業装置事業の新戦略定着促進を図り、長期的にROE23%を目指す方針を継続。
最終更新: 2026年7月17日

