事業内容
株式会社加地テックは1905年創業、大阪府堺市に本社を置く圧縮機専業メーカーである。空気・ガス圧縮機等の風水力機械・産業機械の製造販売を主軸とし、機械器具設置工事や管工事の請負も手掛ける。
水素ステーション向け超高圧圧縮機では国内トップメーカーとしての地位を確立しており、FCV(燃料電池自動車)用水素ステーション向け圧縮機を2014年に市場投入後、順調に販売台数を伸ばしてきた。主要顧客は岩谷瓦斯をはじめとするエネルギー関連企業であり、カーボンニュートラル市場を主要ターゲットとして事業を展開している。
親会社は株式会社三井E&Sであり、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。
ビジネスモデル
圧縮機本体の製造販売による一時的な売上と、納入後の保守・修理・部品供給等のアフターサービスによる継続的な収益の二軸で構成される。アフターサービスは既存納入機器の稼働継続に不可欠であり、安定的な収益基盤を形成する。
2026期においては売上高7,799百万円、営業利益925百万円(営業利益率11.9%)を達成しており、原価低減への継続的な取り組みが利益率改善に寄与している。
企業の強み
FCV用水素ステーション向け超高圧圧縮機を2014年に市場投入後、順調に販売台数を伸ばし、水素ステーション用圧縮機メーカーとして国内トップの地位を確立している。水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)の会員として業界標準形成にも参画しており、ブランド力と技術実績の蓄積が競合参入障壁を形成している。
圧縮機本体の納入後に保守・修理・部品供給等のアフターサービスを提供する循環型ビジネスモデルを構築している。23中計期間においてアフターサービスは計画を上回る受注・売上を達成しており、2026期においても好調を維持した。本体販売の変動を補完する安定収益源として機能している。
2026期末の自己資本比率は68.9%と高水準を維持しており、有利子負債残高は1,286百万円にとどまる。営業キャッシュ・フローは1,027百万円を創出し、運転資金・設備資金の大部分を自己資金で賄っている。2022年度竣工の総合組立工場を保有し、生産基盤も整備されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の業績推移は、2022期売上高4,578百万円・営業利益435百万円から2024期に売上高7,261百万円・営業利益767百万円へ急拡大後、2025期は減収・営業減益(売上高7,004百万円・営業利益620百万円)に転じた。2026年3月期は売上高7,799百万円・営業利益925百万円・当期純利益723百万円と全指標で過去最高水準を更新。
水素モビリティ関連およびカーボンニュートラル関連の大口案件複数獲得と原価低減効果が重なり、売上高営業利益率は11.9%(前期8.9%)へ大幅改善。外部要因として日銀短観(2026年3月調査)で設備投資計画が前年比7.9%増と堅調を維持したことも追い風となった。
2027年3月期は売上高7,100百万円(前期比-9.0%)と大口案件の反動減を見込むが、営業利益970百万円(同+4.8%)と増益予想を維持している。
成長戦略
「2026中期経営計画」のもとカーボンニュートラル市場とアフターサービス拡大で持続成長
水素ステーション向け高圧圧縮機および水素モビリティ関連の大口案件獲得を継続的に推進。2026年3月期においても複数の大口案件を受注し売上高増加に貢献。CO2回収設備向け圧縮機等カーボンニュートラル市場での販売拡大を継続する。
納入済み圧縮機の累積台数増加を背景に、保守・修理・部品供給を担うアフターサービス事業の販売拡大を推進。2026年3月期においてもアフターサービス事業の販売が好調に推移し、売上高増加に寄与した。
製造工程の効率化・原価低減施策を継続的に推進。2026年3月期の売上総利益は2,411百万円(前期比+18.5%)と大幅増加し、売上高営業利益率は11.9%へ改善。2027年3月期も売上高減少下で営業利益増益を見込む。
Power-to-Gas(P2G)システム関連の研究開発を推進し、再生可能エネルギーの水素変換・貯蔵市場への参入を目指す。試験研究費は2026年3月期276百万円(前期268百万円)と継続的に投資を実施している。
2026年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を新たに策定。各施策を着実に実行することで中長期的・持続的成長を実現し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目標とする。
最終更新: 2026年7月19日

