事業内容
株式会社加藤製作所は1935年創業の東証プライム上場の建設機械メーカーで、建設用クレーン(ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーン・トラッククレーン等)、油圧ショベル、クローラキャリア等を製造・販売する。国内では茨城・群馬・坂東の複数工場を擁し、欧州ではイタリア・オランダに子会社を持つ。
売上高の約90%を日本セグメントが占め、国内建設・インフラ市場を主要顧客とする。2026年3月期の連結売上高は56,335百万円。
ビジネスモデル
主要製品の大半を見込生産方式で製造し、国内は全国の支店・営業所網を通じて建設会社・リース会社等に販売する。欧州はイタリア・オランダ子会社が現地製造・販売を担い、その他地域はタイ・米国等の拠点が補完する。製品・補用部品の販売に加え、価格適正化施策により収益性の改善を図る構造。
企業の強み
1935年創業以来、モビールクレーン(1939年)、油圧式トラッククレーン(1959年)、ラフテレーンクレーン(1981年)、オールテレーンクレーン(1986年)と製品領域を拡大してきた。2026年3月期には新型RVシリーズ・オールテレーンクレーン・鉄塔建設用補助クレーン等を相次いで市場投入しており、長期蓄積の技術基盤が製品競争力を支えている。
国内は北海道から沖縄まで全国に支店・営業所を展開し、欧州はイタリア(KATO Construction Machinery Europe S.p.A.)・オランダ(KATO EUROPE B.V.)に製造・販売子会社を保有する。タイ・米国にも拠点を持ち、インドでは2026年3月にACE社との合弁会社「ACE KATO Pvt. Ltd.」設立契約を締結するなど、多地域展開の基盤を構築している。
2026年3月期の研究開発費は1,996百万円。排出ガス規制対応(国内・欧州Stage V)、電動化、遠隔操作・自動運転化を並行して推進している。
中・大型ショベルの新排ガス規制対応シリーズおよびミニショベルの電動化モデルを翌年度販売予定とするなど、規制対応と技術革新を両立した製品開発を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期52,932百万円から2026年3月期56,335百万円へ6.4%増収。大型ラフテレーンクレーンの販売再開(国内クレーン前期比119.9%)が牽引した。
一方、営業利益は903百万円から△2,320百万円へ悪化。在庫調整に伴う工場稼働率低下・資材価格・物流費上昇・補用部品評価損が重なり売上総利益率が大幅低下。
経常損失は1,841百万円。ただし中国子会社持分譲渡による特別利益7,224百万円の計上により、親会社株主帰属当期純利益は4,526百万円と黒字転換。
5期推移では2022期の大幅赤字後、2023・2024期に回復、2025期に中国撤退損失で再び最終赤字、2026期は特益依存の黒字という不安定な推移が続いている。外部要因として建設資材・人件費高騰による国内建設機械需要の横ばい推移、米国関税影響による海外油圧ショベル販売の伸び悩み、欧州需要減少が業績の重石となった。
成長戦略
新中計「飛躍、そして次の時代へ」のもと国内新型車・インド新市場・収益性向上の三本柱
足元で開発を進めていた新型油圧ショベルシリーズを国内市場へ投入し、競争激化環境下での販売拡大と製品競争力の向上を図る。2027年3月期業績予想(売上高61,000百万円)に織り込み済みの主要施策。
インド合弁会社の設立・操業開始準備を推進中。新たな収益の柱として早期軌道化を目指す。インド市場は新興国需要の取り込みと中国撤退後の海外成長代替として位置づけられており、2027年3月期の売上増加要因として期待される。
前期から継続する棚卸資産適正化を最優先課題として推進。2026年3月期に商品及び製品残高を29,182百万円から24,626百万円へ圧縮。工場稼働率の正常化による製造原価率改善と、製品・部品価格の適正化による収益確保を並行して推進する。
中国子会社の持分譲渡を2026年3月期に完了し不採算拠点を整理。イタリア子会社への増資により欧州生産・販売基盤を強化。欧州セグメントは2026年3月期に売上高4,374百万円・セグメント損失239百万円と依然赤字であり、需要回復局面での黒字転換が課題。
2026年3月期を初年度とする3ヵ年中期経営計画で売上高79,000百万円・営業利益率4.5%を目標とする。2027年3月期予想は売上高61,000百万円・営業利益600百万円と中計目標水準には届かない見込みであり、2028年3月期に向けた大幅な収益改善が必要。
最終更新: 2026年7月19日

