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栗田工業株式会社

6370東証プライム機械

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栗田工業株式会社6370

事業内容

栗田工業は1949年創業の水処理専業企業で、水処理薬品の製造販売、水処理装置の製造販売、メンテナンス・継続契約型サービスを三位一体で提供する。事業は「電子市場」(半導体・電子産業向け超純水システム等)と「一般水処理市場」(一般産業・公共向け水処理全般)の2セグメントで構成される。

国内に加え、韓国・中国・台湾・シンガポール・米国・欧州など世界61の連結子会社を通じてグローバルに展開し、半導体メーカーから一般製造業・インフラ事業者まで幅広い顧客層を持つ。

ビジネスモデル

水処理装置の設計・施工・納入により顧客設備に深く組み込まれた後、メンテナンス契約・継続契約型サービス・水処理薬品の定期供給によってリカーリング収益を積み上げる構造を持つ。2026年3月期の電子市場メンテナンス売上高は前期比20.6%増の25,112百万円と拡大しており、装置案件の受注残高189,577百万円(前期比28.1%増)が将来の売上・サービス収益の先行指標となっている。

企業の強み

電子市場セグメントで売上高171,797百万円・事業利益27,657百万円を計上。韓国・中国・台湾・欧米の半導体大手グローバルアカウントとの取引実績を持ち、欧米での大型案件立ち上げや東アジアでのメンテナンス拡大を通じて顧客接点を継続的に深化させている。

水処理装置の設計・施工から水処理薬品の供給、メンテナンス・継続契約型サービスまでを自社グループで一貫提供する体制を持つ。2026年3月期の受注残高は189,577百万円(前期比28.1%増)に達し、将来売上の可視性が高い。

国内販売事業会社11社を2社に再編するなど、ワンストップ営業体制の整備も進めている。

節水・GHG削減・資源循環に貢献するCSVビジネスの拡大により、一般水処理市場の事業利益は前期比20.1%増の29,700百万円、原価率も改善。グループ共通情報基盤を活用した水平展開と展開モデル数の拡充により、既存事業比で収益性の高いCSVビジネスの売上比率が高まっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の継続事業営業利益は58,290百万円(前期比16.8%増)と好調だが、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の売却コスト控除後公正価値測定による損失19,907百万円を含む非継続事業損失23,938百万円が重なり、親会社帰属当期利益は15,957百万円(前期比21.4%減)にとどまった。2027年3月期予想では親会社帰属当期利益42,000百万円(前期比163.2%増)と非継続事業影響の剥落を見込むが、譲渡完了(2026年6月30日予定)の確実な実行が前提となる。

2027年3月期通期予想は売上高425,000百万円(前期比5.5%増)・事業利益61,500百万円(同7.2%増)・親会社帰属当期利益42,000百万円(同163.2%増)と強気の計画。外部要因として、米国の相互関税政策・中東情勢悪化によるエネルギー・原材料コスト上昇・中国経済の低成長継続が下振れリスクとして明示されている。

一般水処理市場では上半期に中東情勢の影響による販売減を織り込んでおり、地政学リスクの顕在化度合いが通期達成の鍵を握る。

2026年3月期に自己株式15,165百万円を取得し、年間配当金を112円(前期比20円増・配当性向77.1%)に引き上げ。さらに2026年5月14日取締役会で500万株・上限350億円の追加自己株式取得を決議。

一方、社債新規発行10,000百万円・長期借入20,000百万円を実施し非流動負債の社債及び借入金は63,945百万円(前期比27,619百万円増)に膨らんだ。インタレスト・カバレッジ・レシオは32.4倍(前期193.3倍)と大幅低下しており、積極的な株主還元と財務健全性のバランスを継続的に注視する必要がある。

成長戦略

PSV-27のもと電子産業重点化・CSVビジネス拡大・事業ポートフォリオ最適化で収益性向上を追求

半導体製造企業の売上上位企業への顧客接点をグローバルに強化し、欧米地域での大型水処理装置案件の受注・立ち上げに注力。2026年3月期の電子市場受注高は208,970百万円(前期比7.5%増)と高水準を維持。2027年3月期は東アジア・北米の受注済み大型装置案件の工事進捗による売上増を見込む。

節水・GHG排出削減・廃棄物資源化に貢献するCSVビジネスの展開モデル数拡充とグループ共通情報基盤を活用した水平展開を推進。一般水処理市場の事業利益は2026年3月期に29,700百万円(前期比20.1%増)と大幅改善し、原価率改善効果が顕在化。

2027年3月期も中東情勢の影響を上半期に織り込みつつ、CSVビジネス拡大による原価率改善で増益を見込む。

米国・欧州・日本で規制強化が進むPFAS(有機フッ素化合物)について、分析・除去・無害化までを含むワンストップソリューションへの進化を開始。社会価値を起点とした新規事業として位置づけ、既存の水処理技術・顧客基盤を活用した展開を図る。

収益性・成長性の観点から海外精密洗浄事業の構造改革を推進し、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の発行済株式100%をAEQH20 GmbHに譲渡(譲渡価額最大21百万米ドル)。2026年6月30日に譲渡完了予定。

非継続事業損失の剥落により2027年3月期の親会社帰属当期利益は42,000百万円(前期比163.2%増)を見込む。

2026年3月期に自己株式15,165百万円を取得し年間配当112円(配当性向77.1%)を実施。2026年5月14日取締役会で追加の自己株式取得(上限500万株・350億円、2027年3月期まで)を決議。

2027年3月期配当予想は134円(前期比22円増)。配当性向30〜50%を目安とする方針のもと、余剰資金の株主還元を機動的に実行。

最終更新: 2026年7月19日