事業内容
栗田工業は1949年創業の水処理専業企業で、水処理薬品の製造販売、水処理装置の製造販売、メンテナンス・継続契約型サービスを三位一体で提供する。事業は「電子市場」(半導体・電子産業向け超純水システム等)と「一般水処理市場」(一般産業・公共向け水処理全般)の2セグメントで構成される。
国内に加え、韓国・中国・台湾・シンガポール・米国・欧州など世界61の連結子会社を通じてグローバルに展開し、半導体メーカーから一般製造業・インフラ事業者まで幅広い顧客層を持つ。
ビジネスモデル
水処理装置の設計・施工・納入により顧客設備に深く組み込まれた後、メンテナンス契約・継続契約型サービス・水処理薬品の定期供給によってリカーリング収益を積み上げる構造を持つ。2026年3月期の電子市場メンテナンス売上高は前期比20.6%増の25,112百万円と拡大しており、装置案件の受注残高189,577百万円(前期比28.1%増)が将来の売上・サービス収益の先行指標となっている。
企業の強み
電子市場セグメントで売上高171,797百万円・事業利益27,657百万円を計上。韓国・中国・台湾・欧米の半導体大手グローバルアカウントとの取引実績を持ち、欧米での大型案件立ち上げや東アジアでのメンテナンス拡大を通じて顧客接点を継続的に深化させている。
水処理装置の設計・施工から水処理薬品の供給、メンテナンス・継続契約型サービスまでを自社グループで一貫提供する体制を持つ。2026年3月期の受注残高は189,577百万円(前期比28.1%増)に達し、将来売上の可視性が高い。
国内販売事業会社11社を2社に再編するなど、ワンストップ営業体制の整備も進めている。
節水・GHG削減・資源循環に貢献するCSVビジネスの拡大により、一般水処理市場の事業利益は前期比20.1%増の29,700百万円、原価率も改善。グループ共通情報基盤を活用した水平展開と展開モデル数の拡充により、既存事業比で収益性の高いCSVビジネスの売上比率が高まっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の継続事業売上高は402,889百万円(前期比3.6%増)、事業利益57,343百万円(同12.7%増)、営業利益58,290百万円(同16.8%増)と継続事業ベースでは明確な収益改善。前期に計上したクリタ・フラクタ・ホールディングス,Inc.ののれん減損損失2,501百万円の消滅が寄与。
一方、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の公正価値測定損失19,907百万円を含む非継続事業損失23,938百万円が重なり、親会社帰属当期利益は15,957百万円(同21.4%減)と2期連続減益。外部要因として、円安による在外営業活動体換算差額の増加(その他の資本の構成要素+15,301百万円)が財政状態を下支えした。
2027年3月期は非継続事業影響の剥落により親会社帰属当期利益42,000百万円を予想。
成長戦略
PSV-27のもと電子産業重点化・CSVビジネス拡大・事業ポートフォリオ最適化で収益性向上を追求
半導体製造企業の売上上位企業への顧客接点をグローバルに強化し、欧米地域での大型水処理装置案件の受注・立ち上げに注力。2026年3月期の電子市場受注高は208,970百万円(前期比7.5%増)と高水準を維持。2027年3月期は東アジア・北米の受注済み大型装置案件の工事進捗による売上増を見込む。
節水・GHG排出削減・廃棄物資源化に貢献するCSVビジネスの展開モデル数拡充とグループ共通情報基盤を活用した水平展開を推進。一般水処理市場の事業利益は2026年3月期に29,700百万円(前期比20.1%増)と大幅改善し、原価率改善効果が顕在化。
2027年3月期も中東情勢の影響を上半期に織り込みつつ、CSVビジネス拡大による原価率改善で増益を見込む。
米国・欧州・日本で規制強化が進むPFAS(有機フッ素化合物)について、分析・除去・無害化までを含むワンストップソリューションへの進化を開始。社会価値を起点とした新規事業として位置づけ、既存の水処理技術・顧客基盤を活用した展開を図る。
収益性・成長性の観点から海外精密洗浄事業の構造改革を推進し、ペンタゴン・テクノロジーズ・グループ,Inc.の発行済株式100%をAEQH20 GmbHに譲渡(譲渡価額最大21百万米ドル)。2026年6月30日に譲渡完了予定。
非継続事業損失の剥落により2027年3月期の親会社帰属当期利益は42,000百万円(前期比163.2%増)を見込む。
2026年3月期に自己株式15,165百万円を取得し年間配当112円(配当性向77.1%)を実施。2026年5月14日取締役会で追加の自己株式取得(上限500万株・350億円、2027年3月期まで)を決議。
2027年3月期配当予想は134円(前期比22円増)。配当性向30〜50%を目安とする方針のもと、余剰資金の株主還元を機動的に実行。
最終更新: 2026年7月19日

