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株式会社小森コーポレーション

6349東証プライム機械

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事業内容

株式会社小森コーポレーションは1923年創業の印刷機械専業メーカーで、当社および子会社26社で構成されるグループを形成する。主力のオフセット枚葉印刷機を中心に、証券印刷機(銀行券・有価証券)、デジタル印刷機(DPS事業)、紙器印刷機械、印刷後加工機、プリンテッドエレクトロニクス(PE)関連装置まで幅広い製品群を有する。

製造拠点は日本(取手・関宿・つくば)を中核に欧州・中華圏・北米に展開し、販売網は日本・北米・欧州・中華圏・アセアン/インドの5セグメントでグローバルをカバーする。主要顧客は商業印刷・パッケージ印刷業者から各国政府系証券印刷機関まで多岐にわたる。

2026年3月期の海外売上高比率は72.1%に達し、実質的にグローバル企業として機能している。

ビジネスモデル

主収益源は印刷機械本体の製造・販売であり、日本の製造拠点で生産した機械を世界各地の販売子会社・代理店網を通じて顧客に届ける。機械販売後は消耗品・部品供給・保守サービスが継続的な収益を生む。

「KP-Connect」を活用したスマートファクトリー提案や24時間対応コンタクトセンターによりアフターサービスを強化し、顧客との長期関係を構築する。証券印刷機事業では政府機関向けの超長期サービス契約が安定収益を支え、DPS事業ではリカーリング型ビジネスモデルの確立を目指している。

企業の強み

米国財務省印刷局(BEP)からの銀行券印刷設備受注をはじめ、マレーシアNexG Berhad向けLITHRONE SX29受注など、厳格な入札評価を経た政府系機関との取引実績を積み上げている。証券印刷機事業は受注残高が次期以降の売上に転換される構造であり、安定的な収益基盤を形成している。

日本・北米・欧州・中華圏・アセアン/インドの5セグメントで独立した販売子会社を展開し、2026年3月期末の受注残高は75,705百万円を確保している。欧州セグメントの受注残高は前期比33.2%増の17,841百万円と積み上がっており、drupa2024出展効果が次期売上に転換される見通しである。

2026年3月期末の自己資本比率は69.0%(前期比2.2ポイント増)、純資産合計は122,896百万円に達する。格付投資情報センター(R&I)より長期格付けA-を取得しており、2025年4月には普通社債9,000百万円を発行するなど資本市場へのアクセスも確保している。

現金及び現金同等物は52,851百万円を保有し、手許流動性も十分である。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の受注高は114,534百万円と前期比12.5%減少した。売上高は受注残高の消化により6.8%増を確保したものの、受注の先行減少は2027年3月期以降の成長余力を制約する可能性がある。

会社予想の2027年3月期売上高124,000百万円(前期比4.5%増)は達成可能な水準だが、中華圏の需要低迷(売上高前期比18.1%減)と欧州セグメントの赤字継続(損失1,919百万円)が全社成長の制約要因として残存する。

欧州セグメント損失は前期778百万円から1,919百万円へ拡大し、Komori-Chambon受注増対応のための人的資本投資が先行コストとして重くのしかかっている。また、営業活動によるキャッシュ・フローは前期17,018百万円から3,533百万円へ急減した。

主因は仕入債務の減少(5,740百万円)と法人税支払増(3,294百万円)であり、運転資本の変動が利益水準に対してCF創出力を大きく下回る構造となっている点は継続的な監視が必要。

会社予想では2027年3月期の経常利益は9,200百万円(前期比14.2%減)と大幅減益を見込む。2026年3月期の経常利益10,718百万円には円安による為替差益383百万円が含まれており、外部要因として為替環境の変化が業績に直接影響する。

また、社債発行(8,948百万円)に伴う支払利息の増加も経常利益を圧迫する見通し。一方、DPS事業(J-throne 29)の本格市場投入が新たな収益源として機能するかが中期的な注目点となる。

成長戦略

オフセット・証券印刷の基盤強化とDPS・PE成長事業の育成で事業ポートフォリオを転換

LITHRONE GX29 advanceをはじめとする菊半裁寸延機・両面コーター・疑似エンボス等の要素技術を搭載した高付加価値機を継続投入。パッケージ・医薬品・特殊紙印刷分野での受注拡大を図り、売上原価率の改善と収益性向上を目指す。

工程間データ連携による「見える化」「自動化」「整流化」を実現し、顧客の生産性最大化・環境対応・人財不足解消を支援。2025年10月のコンタクトセンター開設によるアフターサービス強化と組み合わせ、顧客との長期関係構築を推進する。

B2サイズクラス最速(片面毎時6,000枚)のB2枚葉UVインクジェットデジタル印刷機「J-throne 29」を市場投入し、世界最高クラスのROIを訴求。China Print 2025での中華圏向け初披露を経て、グローバルでの販売拡大を図る。

銀行券印刷で培ったセキュリティ印刷技術をさらに強化し、国・企業・個人のアイデンティティを守る新ソリューションの提供を目指す。HSP Asia 2025での受賞実績を活用し、政府関連機関向けの新規受注獲得を継続する。

パートナー企業との共同開発や産学連携によるオープンイノベーションを通じて技術開発を加速し、新たなアプリケーション開発を進める。印刷技術を活用した電子デバイス製造分野への参入により、長期的な収益源の多様化を図る。

最終更新: 2026年7月19日