事業内容
株式会社タカトリは1956年創業の奈良県橿原市に本社を置く製造装置メーカー。主力の電子機器事業では半導体製造機器(ウェハ保護テープ貼付・剥離等)、SiCウェハ向け新素材加工機器(マルチワイヤーソー)、OLED・XRデバイス向けディスプレイ製造機器を製造・販売する。
繊維機器事業では自動裁断機、医療機器事業ではモバイル型胸腹水濾過濃縮処理装置(M-CART)およびOEM/ODM受託を手掛ける。国内外の半導体・電子部品メーカーを主要顧客とし、東京証券取引所スタンダード市場に上場。
連結子会社として高鳥(常熟)精密機械有限公司を有するが、2025年7月に解散決議し清算中。
ビジネスモデル
貼付・真空・搬送・切断・制御・研磨・計測・剥離の「8つのコア技術」を核に、顧客ニーズを先取りしたオリジナル製品を自社開発・製造し、国内外の代理店網(中国・米国・欧州・東南アジア等)を通じて販売する。受注生産型の装置販売が主収益源であり、売上高の約95%を電子機器事業が占める。
医療機器事業ではOEM/ODM受託による収益多様化を図る。
企業の強み
パワーデバイス向けSiCウェハ市場において、6インチから8インチへの移行が進む中でも切断加工機における自社製品のシェアを維持していることを有報に明記。MWSは1990年に自社開発した独自製品であり、30年超の技術蓄積を背景に競合優位を保っている。
2025年9月期末の自己資本比率は64.5%、現金及び預金は5,120百万円。総資産15,911百万円に対し純資産10,266百万円(利益剰余金7,894百万円)を有し、短期借入金4,100百万円を抱えながらも財務健全性は高い。運転資金・設備資金は主として内部資金で充当する方針を維持している。
東栄電子有限公司(中国)、Grinding Technology, Inc.(米国・欧州)、TOYO ADTEC PTE.LTD(中国・台湾・フィリピン)、MILLICE PRIVATE LIMITED(シンガポール・マレーシア)等、複数地域に販売代理店契約を締結。2025年9月期にはTOYO ADTEC PTE. LTDへの販売が1,145百万円(売上比15.6%)に拡大し、海外販路の実効性が確認されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年9月期中間期(2025年10月〜2026年3月)の売上高は2,733百万円(前年同期比28.5%減)、営業損失91百万円(前年同期は営業利益504百万円)、経常損失33百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は6百万円(子会社清算益41百万円の特別利益計上により辛うじて黒字)。過去5期の推移では2023・2024期にピーク(売上高16,000百万円超)を記録した後、2025期に7,331百万円へ急落し、2026期中間期もさらに悪化が継続。
外部要因としてSiC業界の設備投資抑制、EV市場の成長鈍化、関税政策・地政学リスクによる不透明感が業績を圧迫。輸出販売比率は44.1%(前年同期59.2%)に低下し、アジア向けが輸出の75.8%を占める。
総資産は15,380百万円、純資産9,848百万円、自己資本比率64.0%と財務健全性は維持。
成長戦略
8コア技術の深化と先端半導体・医療機器への水平展開で収益源を多様化
SiC業界の新規設備投資慎重姿勢が継続中であり、GaNを含む他の新素材分野も本格投資に至っていない。市場回復時に即応できる製品・技術体制の維持が課題。国内外の広範な素材向け装置販売・サービスを継続。
IC用・通信半導体用製造装置および半導体パッケージテスト分野向けに海外ユーザーへの販売を継続。一部装置受注が計画を下回っており、AI関連投資の恩恵を取り込む段階には至っていない。電池分野向け関連装置も販売開始済み。
OEM製品の販売好調により売上高180百万円(前年同期比48.6%増)を達成。M-CARTは学会出展・企業セミナーを通じた情報発信と医療機関への販売・レンタル・試用貸出しを継続。受注残高348百万円に積み上がるも、セグメント損失57百万円が継続しており収益化は未達。
2026年9月期第3四半期より非連結決算に移行。子会社清算(当中間期に清算益41百万円計上)を含むグループ体制の見直しを実施中。連結業績予想から個別業績予想への変更に伴い、情報開示体制も変更される。
最終更新: 2026年7月17日

