事業内容
ユニオンツール株式会社は1960年創業、プリント配線板用超硬ドリル(PCBドリル)分野で世界のリーディングカンパニーとして地位を確立した産業用切削工具メーカーである。主力製品はPCB工具(PCBドリル)と超硬エンドミルで、転造ダイス等も手掛ける。
国内は長岡工場・見附工場を中核生産拠点とし、台湾・中国・香港・シンガポール・タイ・米国・スイスに子会社を展開するグローバル体制を構築。主要顧客は電子機器・半導体パッケージ基板メーカーおよび自動車部品メーカーで、生成AI普及に伴うAIサーバー・データセンター向け高多層基板需要の急拡大を直接的な恩恵として受けている。
2025年3月期の連結売上高は40,165百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
切削工具製造に用いる生産設備を自社で開発・製造する「設備内製モデル」が収益の根幹。60年超のノウハウを設備に集約することで競合他社との技術差別化を維持し、高付加価値工具・高多層基板用工具の増販により製品ミックスを改善する。
日本で製造した工具を海外子会社(アジア・北米・欧州)へ供給する内部振替(13,260百万円)と現地生産拠点の稼働率向上を組み合わせ、グローバルに収益を積み上げる構造。設備投資は原則自己資金で賄い、無借金経営を維持している。
企業の強み
切削工具製造設備を自社で開発・製造する体制を60年以上維持。この「技術に技術を上乗せ」するノウハウの蓄積が競合他社との差別化の源泉となっており、需要急変時にも自社設備の強みを活かした早期設備立上げが可能。2025年3月期の設備投資総額は5,720百万円(自己資金)に上る。
1970年にPCBドリルの生産を開始して以来、半世紀超にわたり技術開発を継続。AIサーバー・データセンター向けFC-BGAパッケージ基板用ULFコートドリルや高多層マザーボード向け工具など最先端製品を投入し、2025年3月期のアジアセグメント売上高は前期比33.0%増の24,259百万円を達成した。
2025年3月期末の純資産合計は79,998百万円、負債合計は8,203百万円と自己資本比率は極めて高水準。現金及び現金同等物は16,423百万円を保有し、設備投資・研究開発費(2,341百万円)をすべて自己資金で賄う財務健全性を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高推移は2023期25,338百万円を底に回復し、2024期32,606百万円、2025期40,165百万円と加速度的に拡大。2026年12月期第1四半期は12,551百万円(前年同期比42.6%増)と成長が一段と加速した。
外部要因として生成AI関連分野を中心とした半導体需要の高まりがAIサーバー・データセンター向けPCBドリル需要を急拡大させており、高収益品の増販と稼働率向上による原価低減効果が重なり営業利益率は28.2%(前年同期25.1%)に改善。通期予想は売上高49,600百万円・営業利益13,000百万円(前期比それぞれ23.5%増・48.9%増)に上方修正済み。
成長戦略
AI関連需要を取り込む大規模設備増強と公募増資による長岡第六工場建設・生産能力拡大
公募増資手取概算額上限32,370百万円のうち4,197百万円を2027年6月末までに長岡第六工場建設費用に充当予定。AI需要急拡大に対応した供給体制の確立を目指す。
公募増資資金から長岡工場向け23,866百万円・見附工場向け1,953百万円を2028年12月末までに設備投資資金に充当予定。通期設備投資計画10,469百万円(前期比83%増)を実行中。第1四半期実績2,293百万円(前年同期793百万円)と大幅増加で順調に進捗。
AIサーバー・データセンター向けパッケージ基板・高多層基板用の高付加価値工具を中心に増販を推進。第1四半期のアジアセグメント利益は前年同期比123.8%増、日本セグメント利益は同68.7%増と高収益品の増販効果が顕在化している。
日本セグメントからアジア・北米・欧州への内部振替供給を拡大(第1四半期内部振替4,845百万円、前年同期3,466百万円)し、保有在庫を活用した柔軟な供給対応と生産・供給能力の拡大を推進。
通期研究開発費計画2,349百万円(前期2,341百万円)を維持。第1四半期実績579百万円(前年同期507百万円)と増加。公募増資資金の超過分を2027年12月末までに切削工具製品及びその他製品の研究開発費に充当予定。
最終更新: 2026年7月17日

