不透明な世界情勢による影響
当社グループは海外プロジェクトを中心に事業を展開しており、経済情勢の急変に伴う工事従事者の動員・資機材調達の遅れ、現地の労使関係リスク、資金移動の制約、特別な税金・関税等によりプロジェクト採算が悪化する可能性がある。また、地政学リスクの高まりを背景に、経済安全保障・エネルギー安全保障・関税強化・米中摩擦等がサプライチェーンに影響し得る。対応策として、過度な一極集中を避けるサプライチェーン構築と主要サブコンの多角化を推進し、顧客と連携してリスク低減に努めている。
原油価格低迷による受注減
原油価格の低迷が長期化した場合、オイルメジャーによる新規プロジェクト開発が遅延し、当社グループのFPSO受注が一時的に減少する可能性がある。浮体式海洋石油・ガス生産設備のニーズは超大水深海域への探査拡大を背景に拡大傾向にあり、石油・ガス需要は堅調に推移すると見込まれるものの、価格動向次第では事業機会が縮小するリスクがある。当社は引き続きFPSO事業開発に取り組む方針を維持している。
アセット・インテグリティの低下
2000年代に受注した初期FPSOの経年劣化が急速に進み、安全性確保を最優先とした結果、想定外の操業率低下やアセット・インテグリティの維持・強化費用の負担を余儀なくされてきた。直近数年間の集中的な改善取り組みにより初期FPSOの状況は改善しつつあり、順次チャーター期間の終了も迎えているが、当社グループは引き続き最重要課題として位置付け、アセット・マネジメントの強化と収益力向上に努めている。
価格変動リスク(インフレ・為替)
ロシアによるウクライナ侵攻、中東地域における衝突、米国新政権の貿易政策等を背景に世界情勢の不透明性が増し、インフレや為替等の価格変動要因がFPSO事業に負の影響をもたらす可能性がある。顧客との契約で一定程度ヘッジされており、主要決済を米ドル建てとすることで為替リスクの低減を図っている。また、資機材調達先の多様化・要求仕様の標準化による納期短縮・コスト削減にも取り組んでいる。
化石燃料需要の長期的減少
気候変動・地球温暖化対策として温室効果ガス排出削減の取り組みが進む中、長期的には石油開発企業の化石燃料関連投資抑制や事業変更により、FPSOを中核とする当社グループの主力事業への需要が漸減していく可能性がある。中期経営計画において洋上風力発電や代替エネルギー事業向けの浮体式構造・係留技術の開発推進を目標に掲げているが、事業環境の変化への対応が遅れた場合には業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
新規受注における完工・コストリスク
FPSOの大型化・複雑化により、Hull新造・改造を問わず完工遅延・コスト増加・性能未達等のリスク対応の難易度が高まっており、建造能力を有する造船所が限定されることによる集中リスクへの対応も一層求められている。近年は海外大手造船所がFPSO設計・建造案件の入札に参加するなど競争環境も変化している。当社は設計・建造から操業までのライフサイクル・バリュー最大化の経験に裏打ちされた専門性を競合優位性として位置付けている。
大規模災害による事業影響
地震・風水害・パンデミック等の大規模災害が発生した場合、物的・人的被害や物流機能の麻痺等により、FPSOの建造工事・リース・チャーター・オペレーションといった事業活動に影響が生じる可能性がある。当社グループはグループ危機管理ガイドラインを策定し、危機発生時の対応体制・対応指針を整備することで損失の最小化を図っている。
法規制の改廃・新規規制リスク
当社グループは国内外での事業遂行にあたり各国の法令・行政許認可・規制等を遵守しているが、これら法令の改廃や新たな法的規制が設けられた場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。特に多国籍にわたるFPSO事業の性質上、各国固有の規制変更リスクへの継続的な対応が求められる。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

