売上計上時期・利益率の変動
顧客都合による設計変更や検収時期の変更により売上計上が後ろ倒しになるリスクがあり、大型案件では売上高が1,000百万円を超えるものもあるため、期初業績予想から大きく乖離する可能性がある。また案件ごとに利益率が異なるほか、開発要素を含む案件や製造工数超過・製品不具合が発生した場合には想定利益率を確保できないリスクがある。ISO9001に基づく議事録管理・デザインレビュー・幹部会での進捗確認・出荷前顧客立会検査により対応している。
国内大型案件の運転資金不足
ペロブスカイト太陽電池向け製造装置の国内受注では前受金を受領できず検収後一括払いとなるケースが多く、仕入等の出費が先行するため大型案件では資金繰りに影響を及ぼす可能性がある。今後数年間で国内大型案件の受注増加が見込まれることからリスクが顕在化する可能性は常にあるが、自己資本比率の向上・現預金の積み増しによる財務体制整備および必要に応じた銀行借入で対応している。
繰延税金資産の計上リスク
繰延税金資産は将来の課税所得予測・仮定に基づいて計上されており、主要顧客の設備投資動向による利益計画の変動や、税率変更を含む税制改正・会計基準改正が生じた場合には見直しが必要となり当期純利益に影響を与える可能性がある。回収可能性の評価にあたっては合理的かつ保守的な課税所得見積りを行い、定期的に見直しを実施することで対応している。
受注増による生産能力不足
受注の急激な増加や技術者の高齢化による人員不足が生じた場合、松山工場の生産能力が不足し納期超過・仕様未達・受注機会損失が発生して業績に影響を及ぼす可能性がある。組立工程については協力会社への業務委託や派遣社員受け入れで対応可能だが、設計・電気設計は業務委託が困難なため若手技術者の採用強化・教育および製造スケジュールの綿密な調整・顧客との納期交渉で対応している。
太陽電池市場の停滞・減速
売上高に占める太陽電池業界向けの割合が高く、普及が停滞・減速した場合には減損損失の発生を含め業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。対応策として、製造装置にとどまらず既設パネル向け検査機器・サービスや廃棄パネル向けリサイクル装置・中間処理業など太陽電池のライフサイクル全体に事業を拡張するとともに、FA装置や新規事業で太陽電池業界外の売上比率向上を図っている。
特定大口顧客への依存
米国NASDAQ上場の太陽電池メーカーFirst Solar, Inc.及びその子会社への売上依存度が現時点で非常に高く、同社の事業縮小・信用力低下・取引減少が生じた場合は当社グループの業績に大きな影響を与える可能性がある。対応策として研究開発・コストダウンによる関係強化、米国工場設置によるサービス充実、First Solar社以外の太陽電池メーカーやFA装置の販売強化、ペロブスカイト太陽電池向け装置・リサイクル装置の拡大による顧客分散を推進している。
為替変動リスク
海外売上高比率が60〜80%と高く、円高局面では為替差損の発生や海外競合メーカーとの価格競争力低下が懸念される。一方、円安局面では海外調達コストが上昇するが、現状は海外調達比率が低く国内調達が中心のためリスクレベルは低いとしている。対応策として海外顧客との取引は原則円建てとし、外貨建て取引については一定規模を超える案件に為替予約を実施している。
部品・原材料の価格上昇
製造原価に占める材料費の割合が60〜70%程度と高く、部品価格の急激な上昇は製造原価増加を通じて業績に大きく影響する。見積り時点での部品価格の装置価格への反映、仕入先との価格交渉、受注後の急激な価格変動に対する再交渉条項の契約への盛り込みを対応策としており、第31期以降は価格上昇を織り込んだ販売価格での契約により一定の利益率を確保できている。
自然災害による事業影響
主力の松山工場(愛媛県松山市)が被災した場合、生産能力の減少・喪失により事業に影響を及ぼす可能性があり、保険会社評価では今後30年以内に震度6強超の地震が発生する確率が18.4%とされている。セル方式生産により人員とスペースが確保できれば事業継続が可能であり、協力会社への生産委託体制の整備および装置図面・会計データのネットワークバックアップにより早期復旧体制を構築している。
情報セキュリティ等その他リスク
訴訟リスク、知的財産の侵害・被侵害リスク、法的規制リスク、カントリーリスク、情報セキュリティリスク等、経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性のある多様なリスクが存在すると有報に明示されている。これらは個別に詳細な定量的開示はなされていないが、海外売上比率が高い事業特性上、カントリーリスクや情報セキュリティリスクは特に留意が必要である。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

