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株式会社エヌ・ピー・シー

6255東証グロース機械

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株式会社エヌ・ピー・シー6255

事業内容

株式会社エヌ・ピー・シーは、1992年設立の東証グロース上場の装置メーカーである。主力は米国薄膜系太陽電池メーカー(FIRST SOLAR, INC.)向けの各種FA装置(電極形成装置、溶接装置、真空ラミネーター、検査装置等)であり、2025年8月期売上高9,272百万円の77.8%を同社向けが占める。

これに加え、特許技術「ホットナイフ分離法」「ブラシかきとり法」を搭載した太陽光パネルリサイクル装置、自動車・電子部品業界向けFA装置、太陽光発電所の検査サービス・パネルリユース・リサイクル、植物工場ビジネスを展開。国内松山工場と米国子会社NPC America Automation Inc.を通じてグローバルに事業を展開している。

ビジネスモデル

収益の中核は米国主要顧客向けの太陽電池製造装置の受注生産であり、新工場建設・設備移設・改造案件が継続的に発生する。装置台数の増加に伴い、消耗部品・スペアパーツの販売(2025年8月期:971百万円)が積み上がる構造を持つ。

これに加え、太陽光パネルリサイクル装置のスタンダード製品販売、発電所検査サービス・パネルリユース・リサイクルといった環境関連サービスが収益を補完する。資金調達は自己資金を基本とし、銀行2行と総額1,000百万円の当座貸越契約を締結している。

企業の強み

主要顧客FIRST SOLAR, INC.向けの各製造プロセスに携わる装置サプライヤーは限定されており、実質的な競合は存在しない。2025年8月期の同社向け売上高は7,216百万円(売上高比77.8%)に達し、前期(7,849百万円、72.7%)に続き高水準を維持している。

「ホットナイフ分離法」「ブラシかきとり法」の特許技術により、太陽光パネルのガラスと金属を高精度に分離し、残存樹脂を極めて少なくできる。国内板ガラスメーカーが分離ガラスの有価買い取りを表明しており、参入事業者に対する装置導入インセンティブとして競合優位性を高めている。

2025年8月期末の純資産合計は10,835百万円、総資産12,911百万円に対し自己資本比率は約83.9%。有利子負債はなく、現金及び預金は6,421百万円を保有。営業活動によるキャッシュ・フローは1,477百万円を確保しており、財務的な安定性は極めて高い。

エンヴァリスの着眼点

2026年8月期第3四半期末の受注残高は9,212百万円(前年同期比89.5%)と高水準を維持しており、通期予想売上高8,014百万円に対し第4四半期への大型案件売上計上が不可欠な構造となっている。生産実績が前年同期比214.6%と大幅増加しており製造余力は確認できるが、当第3四半期でも既存顧客向け一部案件の売上が後ろ倒しとなった実績があり、第4四半期集中リスクは依然として残る。

通期業績予想(売上高8,014百万円、営業利益760百万円)は修正なしとされているが、達成には第4四半期での大幅な売上計上が前提となる。

2026年8月期第3四半期累計の売上高1,859百万円(前年同期比△53.9%)・営業利益39百万円(同△94.1%)・四半期純損失5百万円という結果は、前期の大型新工場建設案件の反動減と案件の後ろ倒しが重なったものである。一方、売上総利益率は48.8%(前年同期37.7%)と大幅改善しており、改造案件・移設作業・部品販売など利益率の高い案件構成にシフトしたことが確認できる。

販売費及び一般管理費が868百万円と前年同期(852百万円)とほぼ横ばいで固定費負担が重く、売上規模の回復が利益水準の鍵を握る。

太陽光パネルリサイクル装置の販売実績が前年同期比135.3%増と唯一大幅成長しており、ポートフォリオ多様化の進展が数値で確認できる。国内法制化(太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律)や欧州・オーストラリアでの需要拡大という外部要因として追い風が強まっている。

一方、米国市場では政策の影響で太陽光パネル設置量が前年比減少しており、主要顧客の設備投資計画が政策変動に左右されるリスクは継続している。太陽電池製造装置の販売実績が前年同期比36.7%にとどまる点は、主力事業の縮小を示しており注視が必要である。

成長戦略

米国主要顧客との深耕継続と、ペロブスカイト・リサイクル・FA装置によるポートフォリオ多様化

サウスカロライナ新工場向け東南アジア工場からの設備移設案件・改造案件を当第3四半期累計で売上計上済み。部品販売も想定をやや上回る好調を維持しており、顧客の設備稼働拡大に伴う継続的な需要を取り込んでいる。受注残高9,212百万円の大部分を占める見込み。

当第3四半期累計でフレーム・J-Box分離装置5台(国内3・海外2)、ガラス分離装置3台(国内2・海外1)を売上計上し、販売実績は前年同期比135.3%増と唯一大幅成長。国内法制化(太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律成立)と欧州・オーストラリアでの需要拡大を背景に、参入検討企業の増加が装置需要を創出している。

国内企業向けペロブスカイト用開発装置を当第3四半期累計で売上計上。高市総理の施政方針演説等でエネルギー安全保障の観点から国として重点的に取り組む方針が示され、政府・自治体施設を中心に社会実装が進んでいる。

太陽電池製造装置の販売実績は前年同期比36.7%にとどまるが、ペロブスカイト向けは新規需要として育成段階にある。

FA装置(当第3四半期累計41百万円、前年同期比5.8%)・環境関連サービス(同109百万円、前年同期比92.0%)は規模は小さいものの、太陽電池製造装置の大型案件依存を補完する安定収益源として機能している。装置稼働台数の増加に伴い環境関連サービスの積み上げが期待される。

最終更新: 2026年7月17日