事業内容
野村マイクロ・サイエンスは、半導体製造工程に不可欠な超純水製造装置の設計・施工・販売およびメンテナンス・消耗品販売を主力事業とする専業メーカーである。国内(日本)を本拠に、韓国・中国・台湾・米国・シンガポールの連結子会社6社を通じてグローバルに事業を展開。
主要顧客はSAMSUNG、SK Hynix、ラピスセミコンダクタ等の大手半導体メーカーであり、製薬市場向けにも注射用水装置等を展開している。超純水製造装置の工事完了後もメンテナンス・消耗品販売による継続的な収益が積み上がる構造を持つ。
ビジネスモデル
収益は主に①超純水製造装置の設計・施工(工事進捗度インプット法による収益認識)と②納入済み装置のメンテナンス・消耗品販売の二層で構成される。2026年3月期のメンテナンス等売上高は18,626百万円(前期比19.9%増)と安定成長しており、大型工事の波動性を補完するストック型収益として機能している。
施工は協力工事会社への外注で対応し、自社はエンジニアリング・品質管理に特化する資産軽量型モデルを採用している。
企業の強み
韓国・中国・台湾・米国・シンガポールに連結子会社を持ち、主要半導体製造拠点を網羅する。2025年3月期には米国セグメント単独で売上高52,371百万円・営業利益8,497百万円を計上。
顧客の製造拠点分散化トレンドに対応すべくシンガポール法人も2024年11月に設立し、東南アジアへの展開を開始している。
2026年3月期のメンテナンス等売上高は18,626百万円(前期比19.9%増)と大型工事の反動減局面でも増収を維持した。装置納入後の継続的なメンテナンス・消耗品需要は顧客の稼働継続に不可欠であり、解約困難な粘着性の高い収益源として機能している。
研究開発スタッフ46名体制で年間493百万円の研究開発費を投じ、超純水純度・分析感度・環境貢献の3軸で技術開発を推進。韓国子会社(野村マイクロ・サイエンス コリア)が海外R&D機能を担い、世界初のエンドトキシン連続検出モニターを開発・実証実験中。
次世代半導体向け開発棟も新設し、技術優位の維持に取り組んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022年3月期から2025年3月期まで5期連続で売上・利益ともに過去最高を更新してきたが、2026年3月期は売上高56,246百万円(前期96,360百万円から41.6%減)、営業利益6,667百万円(前期15,372百万円から56.6%減)、当期純利益3,818百万円(前期10,200百万円から62.6%減)と急激な反落となった。主因は米国セグメントにおけるSAMSUNG AUSTIN SEMICONDUCTOR向け大型超純水製造装置工事の完工。
外部要因として米国での半導体設備投資の一巡も影響した。営業活動によるキャッシュ・フローは訂正後4,363百万円(前期△20,202百万円)と黒字転換し、現金及び現金同等物期末残高は9,933百万円を確保。
次の大型工事受注・進捗が業績回復の先行指標となる。
成長戦略
TTT-26に基づく製薬市場開拓・プレファブ施工・東南アジア展開で次の成長基盤を構築
2026年度を最終年度とする中期経営計画TTT-26を推進。ただし2026年3月期実績は売上高56,246百万円・営業利益6,667百万円にとどまり、目標との乖離が極めて大きい状況。次期計画の策定・公表が注目される。
超純水製造装置のユニット化・スキッド化により施工効率・品質・キャパシティを向上させ、受注競争力と収益性の改善を図る。日本・米国・韓国・中国の各拠点で推進中。
国内では北陸地域への新営業拠点設置やエンドトキシンモニターの上市など製薬市場への注力を強化。韓国でも製薬向け案件への取り組みを拡大し、半導体依存からの収益源多様化を図る。
半導体製造拠点の地理的分散化トレンドに対応するため設立したシンガポール現地法人を起点に、東南アジア全域への事業展開を推進。2026年3月期3Q累計売上高は6百万円と立ち上げ初期段階。
新研究・開発棟の建設を通じ、次世代半導体製造プロセスに対応した超純水製造技術の研究開発を強化。将来の技術競争力維持・向上を目的とした先行投資。
最終更新: 2026年7月19日

