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株式会社ヒラノテクシード

6245東証スタンダード機械

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株式会社ヒラノテクシード6245

事業内容

株式会社ヒラノテクシードは1935年創業の産業用機械メーカーで、コーティング・ラミネーティング技術と乾燥技術・走行制御技術を三本柱とする高精密製造装置を製造・販売する。事業は塗工機関連機器(二次電池電極・光学フィルム・包装材等向け塗工・ラミネーティング装置)、化工機関連機器(プラスチックフィルム成膜・真空成膜・電子基板製造装置等)、その他(染色整理機械・部品・修理改造)の3セグメントで構成される。

主要顧客は日東電工やLG Energy Solution等のグローバル大手企業であり、国内外の先端材料・エネルギー・電子部材市場に装置を供給している。連結子会社3社(ヒラノ技研工業、ヒラノK&E、HIRANO AMERICA)を含むグループ体制でグローバルに事業展開する。

ビジネスモデル

顧客の仕様に応じた受注生産方式で高精密製造装置を設計・製造・据付し、装置販売を主収益源とする。受注時に前受金を徴収する契約構造を採用しており、キャンセル時の費用回収条項も契約条件に組み込まれている。

装置販売後は設備改造・移設・部品供給・保守サービス等のアフターサービスで継続的な顧客接点を維持する。研究開発施設「テクニカム」を活用した顧客との共同開発・試作テストも受注獲得の重要な手段となっている。

企業の強み

1935年創業以来、コーティング・ラミネーティング・乾燥・走行制御技術を継続的に深化させ、連結会計年度末時点で保有特許182件を有する。高精度ロール・スロットダイ等のコア部品の内製化や、3D-CAD・最新オートメーション技術との融合による塗工操作自動化・デジタルツイン開発にも取り組んでおり、技術的参入障壁を形成している。

「テクニカム」と呼ぶ実験施設に走査電子顕微鏡・レオメーター・表面張力計等の精密計測機器を整備し、ユーザーや国内外大学・研究機関との共同開発・試作テストを実施できる体制を構築している。次世代乾式電極製膜テスト装置や新型マルチ実験機の導入も進めており、顧客の開発段階から関与することで受注獲得につなげている。

2026年3月期末時点の受注残高は31,649百万円(塗工機関連機器20,907百万円、化工機関連機器10,250百万円)であり、EV関連キャンセル7,229百万円発生後もなお相当規模の受注残を保持している。化工機関連機器の受注残高は前期末比56.9%増と拡大しており、複数セグメントにわたる受注積み上げが中期的な売上の可視性を支えている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高は32,285百万円と前期比33.2%の大幅減収となった一方、営業利益は1,599百万円(前期1,682百万円)と小幅減にとどまり、当期純利益は1,313百万円と前期906百万円から回復した。売上急減の主因は北米EV向け大型装置の受注・納入サイクルの変動と見られ、外部要因として北米EV市場の設備投資ペース鈍化が影響したと考えられる。

利益率の相対的な底堅さは、前期に発生した仕様決定・機械装置調整コストの解消が寄与した可能性がある。

2026年3月期の営業キャッシュ・フローは4,703百万円の収入(前期724百万円の支出)と大幅改善した。訂正後の開示によれば、売上債権及び契約資産が3,440百万円、前渡金が1,541百万円それぞれ減少し、前受金が2,889百万円増加したことが主因。

大型案件の納入完了に伴う債権回収と新規受注に伴う前受金増加が重なった形であり、運転資本の正常化を示す。現金及び現金同等物は11,628百万円と財務基盤は安定している。

売上高の5年推移(2022期37,867百万円→2025期48,356百万円→2026期32,285百万円)は、北米EV向け大型装置の受注サイクルへの高依存を示す。外部要因として北米EV市場の政策・需要動向が業績を大きく左右する構造は変わっておらず、アジア等北米以外地域への受注活動の積極展開が分散効果を発揮できるかが中期的な焦点となる。

セグメント別の有形固定資産及び無形固定資産の増加額が訂正後1,370,147千円(連結計上額)と設備投資を継続していることは、将来の受注対応能力維持への意思を示す。

成長戦略

北米依存脱却・新市場開拓・コア技術深化による収益構造の再構築

北米EV市場への過度な依存を緩和するため、アジアを含む北米以外地域への受注活動を積極化。化工機関連機器セグメントでは輸出受注残高が前期末比35.7%増(3Q末時点)と成果が出始めており、地域分散による収益安定化を目指す。

前期に発生した仕様決定・機械装置調整コストを教訓に、一部案件における受注条件の見直しを実施。2026年3月期の当期純利益が前期比で回復したことは、利益率改善施策の初期効果を示唆する。

2026年3月期の有形固定資産及び無形固定資産の増加額は連結1,370,147千円(訂正後)と前期672,244千円から大幅増加。売上減収局面においても設備投資を継続することで、受注回復局面への対応能力を維持する方針を示している。

最終更新: 2026年7月19日