事業内容
株式会社中村超硬は1954年創業、1970年設立の大阪府堺市に本社を置く精密加工メーカーである。ダイヤモンド・超硬合金・セラミックスなど耐摩耗性の高い硬脆材料を用いた特殊精密部品・工具の設計・製造・販売を中核事業とし、電子部品実装機用ダイヤモンドノズル、自動車・ベアリング製造用ダイヤモンド工具等を主力製品とする。
加えて、パワー半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤ(D-Next事業)、東京大学との共同開発によるナノサイズゼオライト(マテリアルサイエンス事業)という二つの成長投資事業を展開する。2026年3月期に化学繊維用紡糸ノズル事業(日本ノズル株式会社)を売却・連結除外し、3事業体制へ移行した。
主要顧客は電子部品・半導体・自動車・ベアリング各業界の国内外メーカーである。
ビジネスモデル
特殊精密機器事業では、ダイヤモンド等の硬脆材料加工技術を活かした受注製造型ビジネスを展開し、電子部品実装機用ノズルや耐摩耗工具を国内外顧客へ販売する。D-Next事業ではパワー半導体・難削材向けダイヤモンドワイヤを自社製造・販売するとともに、製造装置(PHX-01)の販売も手掛ける。
マテリアルサイエンス事業では独自のナノサイズゼオライトをサンプル供給から量産採用へ移行させる事業化モデルを追求する。研究開発費は年間114百万円を投じ、産学官連携を活用した技術開発を継続している。
企業の強み
東京大学との共同開発によりゼオライトを低コストでナノサイズ化する技術を確立し、国立研究開発法人JSTの産学共同実用化開発事業で2019年に成功認定を受けた。化粧品・歯みがき粉用途での正式採用実績を持ち、電子部品封止剤・触媒・分離膜等の複数用途で評価が継続中である。
1954年創業以来70年にわたり蓄積したダイヤモンド・超硬合金・セラミックス等の硬脆材料加工技術を保有し、電子部品実装機用ノズル・耐摩耗工具・ダイヤモンドワイヤ・マイクロリアクターと多用途に展開する。新素材製実装機用ノズルの量産販売開始や半導体製造分野への新規参入実績がこの技術力を裏付ける。
2026年3月に日本ノズル株式会社の全株式を売却し、シンジケートローンを含む借入金を大幅返済した結果、自己資本比率が前期末15.1%から63.9%へ急改善した。期末現金及び現金同等物は1,083百万円を確保しており、残存3事業への集中投資が可能な財務基盤を構築した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は2,768百万円(前期比4.8%増)と微増にとどまり、営業損失は163百万円(前期は7百万円の営業利益)と本業は赤字に転落。米国自動車関税引き上げ・中国経済停滞による特殊精密機器事業の低迷、半導体市況低迷によるD-Next事業の不振が主因。
一方、日本ノズル売却益・仲裁関連特別利益により当期純利益276百万円を計上。2027年3月期は化学繊維事業分離により売上高1,300百万円・営業損失160百万円・当期純損失230百万円を予想し、過去5期で最低水準の売上規模となる見通し。
成長戦略
3事業体制への移行後、特殊精密機器・D-Next・ナノゼオライトの収益化を同時推進
新素材製実装機用ノズルの量産販売本格化、商社活用による自動車部品メーカー受注拡大、半導体製造業界への新規参入を推進。同業他社廃業による精密部品加工需要の取り込みも図り、2027年3月期売上高900百万円(前期比21.3%増)を目標とする。
国内大手ダイヤモンドワイヤユーザーにおける当社製品シェア拡大(国内大手顧客開拓はほぼ完了)と、半導体用途を中心とした海外顧客開拓を継続。2027年3月期売上高360百万円(前期比55.9%増)を目標に販売数量を拡大し、事業の収益化を目指す。
2026年4月1日付でZeo Next株式会社へ吸収分割により事業承継完了。電子部品封止剤用途の次期量産開始、触媒・分離膜・金属イオン吸着等の新規用途開拓を推進。2027年3月期売上高40百万円(前期比211.6%増)を目標とし、グローバル市場への本格営業展開体制を構築済み。
日本ノズル株式会社の全株式売却(収入1,684百万円)によりシンジケートローンを含む有利子負債を全額返済。自己資本比率63.9%・現金1,083百万円の健全な財務基盤を確立し、残存3事業への成長投資余力を確保した。
最終更新: 2026年7月19日

