事業内容
株式会社和井田製作所は1946年設立、岐阜県高山市を本拠とする特殊CNC研削盤の専業メーカーである。精密工作機械技術・研削加工技術・制御技術をコア技術とし、金型関連研削盤(プロファイル研削盤・ジグ研削盤)と切削工具関連研削盤(刃先交換チップ研削盤・軸付工具研削盤)を主力製品とする。
顧客は電子部品・半導体・自動車・精密機械・切削工具メーカー等の幅広い産業に及ぶ。国内4拠点に加え、台湾・ドイツ・米国・中国(上海)に連結子会社を持ち、グローバルに販売・サービス網を展開する。
2026年3月期売上高は6,659百万円。
ビジネスモデル
顧客との直接対話を基本とした1台生産から対応する受注生産方式を採用し、顧客仕様に合わせた特殊研削盤を製造・販売する。製品売上(金型関連・切削工具関連研削盤)が売上高の約80%を占め、残る約16%はアフターサービス(有償修理・部品販売・オーバーホール)が担う。
アフターサービスは景気変動の影響を受けにくい安定収益源として機能している。
企業の強み
全自動インサート研削盤(外周加工用)の競合は世界2社のみ、全自動溝入れインサート研削盤は世界1社のみ、プロファイル研削盤は世界1社のみ、ジグ研削盤は世界3社のみという極めて限定的な競合環境の中で高いシェアを獲得している。工作機械業界全体の市場規模約1兆円に対し、当社は特殊研削盤というニッチ領域に特化することで強固な競争優位を構築している。
2026年3月期末の自己資本比率は84.3%、現金及び現金同等物の期末残高は4,340百万円に達する。負債は1,888百万円と低水準であり、設備投資・研究開発・海外展開の資金を自己資金で賄える財務体質を維持している。
景気変動リスクの高い工作機械業界において、この財務基盤は事業継続性と戦略的投資余力の両面で重要な競争優位となっている。
2026年3月期のアフターサービス売上高は1,064百万円(総売上高の16.0%)であり、前年同期比2.7%減と景気変動の影響を受けにくい安定的な推移を示した。製品販売が前年同期比11.8%減となる中でもアフターサービスは底堅く推移しており、既存顧客基盤の厚みと長年の納入実績が継続的なサービス需要を生み出している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の7,581百万円をピークに横ばいで推移していたが、2026年3月期は6,659百万円と5期ぶりの低水準に落ち込んだ。営業利益は2023年3月期の1,156百万円から254百万円へと4期連続で低下し、営業利益率は15.2%から3.8%へと急落した。
外部要因として米国関税措置への懸念による設備投資抑制とイラン情勢悪化に起因する海上輸送混乱が売上を直撃。内部要因として海外拠点整備費用・設備投資に伴う減価償却費増加(454百万円)・研究開発費率上昇が利益を圧迫した。
一方、包括利益は514百万円(前期427百万円)と増加しており、投資有価証券の評価益(216百万円増)が財務面を下支えした。
成長戦略
海外拠点整備・新製品投入・新分野開拓の三本柱によるグローバルニッチトップ戦略の深化
和井田機床(上海)有限公司を2026年3月期に連結子会社として新規設立し、法的設立手続きを完了。中国プロファイル研削盤受注が好調に推移する中、現地法人による営業・サービス体制の本格稼働で中国事業のさらなる拡大を図る。
2026年3月期の中国向け売上高は1,801百万円(前期1,354百万円から増加)。
2025年1月設立のWAIDA AMERICA INC.にて現地従業員を採用し、北米顧客への受注販売活動と中南米への営業拡大に取り組む。米国関税措置の影響を受ける市場環境下での活動拡充であり、現地拠点による顧客対応力強化が差別化要因となる。
WAIDA Europe GmbH(ドイツ)に営業担当者およびアフターサービス担当者を配置し、欧州での受注販売活動とアフターサービス体制を強化。2026年3月期の欧米等地域向け売上高は892百万円(前期879百万円とほぼ横ばい)であり、人員配置効果の顕在化が今後の課題。
「SPG-XV」を2025年10月のメカトロテックジャパン2025に出展し国内外でPR。台湾子会社・和井田精機股份有限公司で製造する「DCG-G1」の販売を開始し、新製品ラインアップを拡充。新製品による需要開拓が2027年3月期の売上回復に寄与することが期待される。
アジア専門部署および現地代理店を活用し、韓国・インド等のアジア地域向け営業を拡大。2026年3月期のアジア地域(中国除く)向け売上高は1,068百万円(前期1,286百万円から減少)であり、回復に向けた取り組みが継続中。
最終更新: 2026年7月19日

