事業内容
岡本工作機械製作所は1926年創業の工作機械・半導体関連装置メーカーで、「総合砥粒加工機メーカー」として平面研削盤と半導体ウェーハ研磨装置の2分野でグローバル展開する。工作機械セグメントでは平面研削盤・精密歯車を主力に国内外の製造業向けに販売し、半導体関連装置セグメントではシリコンウェーハ向けポリッシャー・グラインダを中心に半導体メーカーへ供給する。
国内製造拠点(安中工場・厚木工場等)に加え、米国・欧州・シンガポール・タイ・中国に現地法人を持ち、グローバルな製造・販売体制を構築している。連結子会社15社を含むグループ全体の売上高は42,513百万円(2026年3月期)。
ビジネスモデル
主力製品は受注生産型の高精度研削盤・半導体ウェーハ加工装置であり、国内外の代理店網および現地法人を通じた直販体制で販売する。工作機械は汎用機から超高精度機まで幅広いラインナップを持ち、半導体関連装置は高い利益率(2026年3月期セグメント利益率20.2%)を誇る。
売上高営業利益率を重視する経営指標のもと、コスト削減・内製化・生産拠点最適化を通じて収益性の維持・向上を図る。
企業の強み
工作機械(売上高28,946百万円)と半導体関連装置(売上高13,567百万円、セグメント利益率20.2%)の2セグメントを持ち、工作機械の市況低迷期にも半導体関連装置が高利益率を維持することで全社収益を下支えする構造を有する。2026年3月期においても半導体関連装置は前年同期比5.4%増収を達成した。
米国・欧州・シンガポール・タイ・中国に現地法人を持ち、直販・代理店の複合チャネルで世界展開する。2026年3月期の工作機械受注高は前年同期比115.4%、受注残高は11,239百万円(前年同期比116.6%)と積み上がっており、次期売上への転換が期待できる受注基盤を保有している。
2024年6月に三井物産を筆頭株主として迎え入れ(第三者割当新株発行)、取締役指名権・事前同意事項を含む資本業務提携を締結した。三井物産のグローバルネットワーク・ビジネスノウハウ・多様な人材を活用した新市場開拓・調達ルート確保が期待でき、長期ビジョン実現に向けた経営基盤が強化された。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の50,198百万円をピークに2025年3月期43,734百万円、2026年3月期42,513百万円と2期連続で減少。営業利益は2024年3月期6,133百万円から2026年3月期1,518百万円へと75%超の落ち込みとなった。
外部要因として半導体市況の低迷(シリコンウェーハ在庫調整)と欧州製造業の景気停滞が主因。工作機械事業のセグメント利益は103百万円(前期比92.5%減)まで急落し、半導体関連装置事業(利益2,744百万円)が全社利益を支える構図が鮮明化。
一方、受注高は合計39,873百万円(前期比115.7%増)と回復基調にあり、2027年3月期は売上高50,000百万円・営業利益3,000百万円を予想している。
成長戦略
中期計画「INOFINITY 700」で2030年3月期売上高700億円・三井物産提携で市場開拓加速
2030年3月期売上高700億円を長期目標に掲げる中期経営計画の3年目。2027年3月期は売上高50,000百万円・営業利益3,000百万円を次期予想として設定。受注積み上がりを売上に転換しつつ、収益力回復を目指す。
三井物産のグローバルネットワークを活用し、新たな販売市場の開拓と原材料・部品の調達ルート多様化を推進。収益力強化と地政学リスク低減を同時に図る施策として中期計画の核心に位置づけられている。
顧客への提案力向上を目的として東京テクニカルセンターを開設。実機デモや技術提案を通じた受注獲得力の強化を図る。工作機械事業の受注高が前期比115.4%増と回復していることと相関する可能性がある。
本社安中工場における自動倉庫棟の竣工により、部品供給体制を高度化。生産効率の向上とリードタイム短縮を通じて、受注残高の売上転換速度の改善および顧客満足度向上を目指す。
ウェーハ業界向けポリッシャー・グラインダの次世代新機種開発を継続。先端パッケージ(PLP)向け加工装置など次世代分野への対応を強化し、半導体市況回復局面での受注獲得と収益拡大を狙う。
最終更新: 2026年7月19日

