成形機事業
芝浦機械の主力セグメント。中国特需剥落と自動車市場の様子見で減収減益
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 13,789百万円(2027年3月期第1四半期) | 24,374百万円(2026年3月期第1四半期) | ↓ |
| 営業利益 | △932百万円(2027年3月期第1四半期) | 870百万円(2026年3月期第1四半期) | ↓ |
| 受注高 | 15,440百万円(2027年3月期第1四半期) | 16,388百万円(2026年3月期第1四半期) | ↓ |
| 受注残高 | 63,179百万円(2026年6月末) | 76,220百万円(2025年6月末) | ↓ |
| 海外売上比率 | 72.0%(2027年3月期第1四半期) | — | — |
事業詳細
射出成形機・押出成形機・ダイカストマシン等を製造・販売する芝浦機械の主力セグメント。国内に加え中国・タイ・インドの海外拠点でも製造を行い、グローバルに展開する。2027年3月期第1四半期は中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置(押出成形機)の売上減少に加え、自動車市場の停滞や設備投資の様子見継続の影響を受け、売上高・利益ともに前年同期から大幅に悪化した。
直近の概況
中国電池関連装置減少と自動車市場停滞で売上43.4%減、営業損失に転落
2027年3月期第1四半期の成形機事業は、中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置(押出成形機)の売上減少が主因となり、売上高は13,789百万円(前年同期比43.4%減、海外比率72.0%)となった。受注高も154億4千万円(前年同期比5.8%減)と低調で、自動車市場における設備投資の様子見継続が射出成形機・ダイカストマシンの受注に影響した。この結果、営業損失は932百万円(前年同期は営業利益870百万円)となり、規模縮小による減益がセグメント損益を大きく悪化させた。
主要プロダクト
成長ドライバー
- インド市場での射出成形機増産体制整備(新工場・電動式生産開始・テクニカルセンター開設)による需要取り込みと中東・アフリカ・欧米・東南アジアへの輸出拡大
- SHIBAURA MACHINE LWB GmbH(ドイツ)買収を足掛かりとした欧州市場への射出成形機再進出(容器・医療ドメイン中心のクロスセル)
- ギガキャスト需要への対応による超大型ダイカストマシン(6,000〜12,000t級)の受注拡大および4,500t級のラインアップ化
- 次世代電池(全固体電池・ドライ電極)向け押出成形機技術の開発とAM Batteries Inc.への出資によるドライ電極市場参入
- 東南アジアにおける食品包装材向け押出成形機の受注増加など用途多様化による中国電池関連依存の緩和
リスク
- 中国向けリチウムイオン電池セパレータフィルム製造装置への売上依存からの脱却が未完了であり、2027年3月期第1四半期も減収の主因となった
- 米国通商政策(関税)やイラン情勢の緊迫化による地政学リスクを背景に、自動車市場を中心とした設備投資の様子見が継続し、射出成形機・ダイカストマシンの受注回復を阻害
- 受注残高が63,179百万円(前年同期末比17.1%減)と低水準にあり、当面の売上回復幅が限定的となるリスク
- SHIBAURA MACHINE LWB GmbHの買収後に事業計画との乖離が生じ、のれんを全額減損処理済み。欧州事業の収益化に不確実性が残る
- 海外売上比率72.0%と高く、為替変動(特に円高)による収益圧迫リスク
- 地域・製品ごとの受注動向のばらつき(インド・韓国でのダイカストマシン受注減少など)が業績の予見性を低下させる
工作機械事業
工作機械・超精密加工機を製造販売する、エネルギー・光通信・半導体向け成長セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2027年3月期第1四半期) | 5,167百万円 | 4,434百万円 | ↑ |
| 営業利益(2027年3月期第1四半期) | 356百万円 | 147百万円 | ↑ |
| 受注高(2027年3月期第1四半期) | 14,000百万円 | 5,373百万円 | ↑ |
| 受注残高(2026年6月30日) | 40,135百万円 | 22,573百万円 | ↑ |
| 海外売上比率(2027年3月期第1四半期) | 50.3% | 51.7%(2026年3月期通期) | — |
| 海外受注比率(2027年3月期第1四半期) | 59.8% | — | — |
事業詳細
工作機械事業は、大型機・門形機・横中ぐり盤・立旋盤等の工作機械と、光学レンズ・半導体・光通信向けの超精密加工機を製造・販売する。エネルギー関連・航空宇宙・AI普及に伴う光通信・半導体向けを主要ターゲットとし、2027年3月期第1四半期は受注高が前年同期比2.6倍と大幅拡大、唯一全セグメント中最も高い増収増益を達成した。
直近の概況
受注高が前年同期比2.6倍に急増、営業利益も2.4倍と大幅増益
2027年3月期第1四半期は、工作機械が国内エネルギー・航空宇宙、北米エネルギー、中国の産業機械・風力発電向けで受注増加、超精密加工機は中国のAI普及拡大によるデータセンター用光通信・車載レンズ向け受注が拡大し、セグメント受注高は140億円(前年同期比2.6倍、海外比率59.8%)となった。売上高は5,167百万円(前年同期比16.5%増、海外比率50.3%)、営業利益は356百万円(前年同期比2.4倍)と、全社が減収減益となる中で唯一増収増益を達成した。受注残高も401億3千5百万円(前年同期比77.8%増)まで積み上がり、今後の売上高伸長が期待される。
主要プロダクト
成長ドライバー
- AI普及拡大に伴う中国のデータセンター用光通信・車載レンズ向け超精密加工機需要の拡大
- 国内におけるエネルギー・航空宇宙向け工作機械の受注増加
- 北米におけるエネルギー向け工作機械の受注増加
- 中国における産業機械・風力発電向け工作機械の受注増加
- 国内における産業機械・造船向け工作機械の販売増加
- 受注残高401億3千5百万円の積み上がりによる今後の売上成長余地
- Moore Nanotechnology Systems, LLC買収による欧米超精密加工機市場への本格参入
リスク
- 中国景気動向の変化による工作機械・超精密加工機需要への影響リスク
- 米国通商政策(関税)による自動車市場向け設備投資様子見の継続が工作機械需要へ波及するリスク
- 海外受注比率59.8%・売上比率50.3%に伴う為替変動リスク
- 受注残高401億3千5百万円の売上計上タイミングに伴う四半期収益のばらつきリスク
- Moore Nanotechnology Systems, LLC買収に伴うのれん・統合リスク
制御機械事業
産業用ロボット・電子制御装置を製造販売する国内主体の小規模セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2027年3月期第1四半期) | 1,695百万円 | 1,553百万円 | ↑ |
| 営業損益(2027年3月期第1四半期) | △127百万円(営業損失) | △82百万円(営業損失) | ↓ |
| 受注高(2027年3月期第1四半期) | 2,279百万円 | 1,549百万円 | ↑ |
| 受注残高(2026年6月30日) | 4,040百万円 | 3,141百万円 | ↑ |
| 海外売上比率(2027年3月期第1四半期) | 6.4% | 7.0%(2026年3月期通期) | — |
事業詳細
産業用ロボット、電子制御装置(サーボモータ・CNC装置)、システムエンジニアリング(合理化・省力化システム)を製造・販売する。海外比率は5~7%程度と低く、国内電子制御装置の需要動向に業績が左右されやすい構造。2027年3月期第1四半期は国内における電子制御装置の販売・受注が増加し売上・受注は伸長したものの、営業損失は前年同期から拡大した。
直近の概況
国内電子制御装置の販売・受注増加により売上・受注は伸長、損失は拡大
当第1四半期連結累計期間は、国内における電子制御装置の販売・受注が増加した結果、受注高は22億7千9百万円(前年同期比47.1%増)、売上高は16億9千5百万円(前年同期比9.1%増)となった。一方で営業損失は1億2千7百万円となり、前年同期の営業損失8千2百万円から損失が拡大した。受注残高は40億4千万円(前年同期比28.6%増)に積み上がり、今後の売上計上への寄与が期待される。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 国内製造業における生産年齢人口減少を背景とした省力化・自動化投資の増加
- 中計2026に基づくシステムエンジニアリング装置販売・直販へのシフトによる収益性改善
- 受注高が前年同期比47.1%増と大幅回復、受注残高も同28.6%増で積み上がり、今後の売上計上に寄与する見込み
- AI・データセンター普及に伴う製造自動化需要の拡大
リスク
- 国内電子制御装置の需要動向次第で業績が振れやすく、当第1四半期も営業損失が前年同期から拡大
- 海外比率が5~7%程度と低く、グローバル成長機会の取り込みが限定的
- 米国通商政策・自動車市場の設備投資様子見が間接的に国内制御機械需要を抑制する可能性
- 売上高規模が全社の約8%程度と小さく、固定費負担が利益率を圧迫しやすい構造
- 受注増加が売上・利益回復に結びつくまでのタイムラグにより、短期的な損益改善が遅れる可能性
その他
芝浦機械グループの非中核事業を束ねる補完的セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(外部顧客、四半期) | 466百万円 | 613百万円 | ↓ |
| 営業利益(四半期) | 43百万円 | △15百万円(営業損失) | ↑ |
| 受注高(四半期) | 623百万円 | 538百万円 | ↑ |
| 受注残高 | 509百万円 | 415百万円 | ↑ |
| 海外売上比率 | 0.8% | 0.6%(通期) | ↑ |
事業詳細
「その他」セグメントは、材料加工・環境測定等の事業を含む報告セグメント外の事業群で構成される。当第1四半期の売上規模は連結全体の約2.2%程度と小規模であり、グループの主力3セグメント(成形機・工作機械・制御機械)を補完する位置づけにある。海外比率は極めて低く(当期0.8%)、国内完結型の事業構造を持つ。2027年3月期第1四半期は前年同期の営業損失から営業利益への黒字転換を達成した一方、売上高は前年同期比で減少した。
直近の概況
売上減少も受注は増加、営業利益は黒字転換
2027年3月期第1四半期において、その他事業全体の受注高は623百万円(前年同期比15.9%増)、受注残高は509百万円(前年同期比22.5%増)と先行指標は改善した。一方、売上高は466百万円(前年同期比24.0%減)と減収となったものの、営業利益は43百万円となり、前年同期の営業損失15百万円から黒字転換を実現した。海外比率は0.8%と依然低水準で国内依存の事業構造が継続している。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 受注高が前年同期比15.9%増、受注残高も22.5%増と先行指標が改善
- 営業損失から営業利益43百万円への黒字転換を四半期ベースで実現
- 受注残高の増加は次期以降の売上回復に向けたポジティブ材料
リスク
- 売上高が前年同期比24.0%減少しており、収益基盤の不安定さが継続
- 海外比率が0.8%と極めて低く、国内市場依存度が高い
- セグメント規模が連結売上高の約2.2%程度と小さく、グループ全体への貢献は限定的
- 営業利益水準は43百万円と依然低く、収益基盤の安定性は課題として残る
最終更新: 2026年8月2日

