事業内容
オークマ株式会社は1898年創業の工作機械専業メーカーで、NC旋盤・マシニングセンタ・複合加工機・NC研削盤等を製造・販売する。当社・連結子会社16社・非連結子会社15社で構成され、日本・米州・欧州・アジア・パシフィックの4地域セグメントで事業を展開する。
日本国内での製造(生産高の90%以上)を基盤に、世界各地の販売・アフターサービス網を通じて製品を届ける。主要顧客は航空宇宙・防衛・医療機器・自動車・半導体製造装置・エネルギー関連等の製造業大手から中堅・中小事業者まで幅広い。
2025年度の連結売上高は235,888百万円で、海外売上高比率は73.3%に達している。
ビジネスモデル
自社開発のNC装置「OSP」と工作機械本体を一体開発する「トータルレスポンシビリティ」を基本理念とし、製品販売に加え、自動化ソリューション・スマートファクトリー構築支援・アフターサービス(保守部品・修理)まで一貫して提供する「ものづくりサービス」モデルを採用。高付加価値の5軸制御マシニングセンタ・複合加工機を中心に受注単価の向上を図りつつ、グローバル70(海外売上高比率70%以上)を達成済みで地域分散による安定収益を確保している。
企業の強み
世界有数の総合工作機械メーカーとして自社製NC装置「OSP」を開発・搭載し、機械と制御の一体設計による高精度・高効率加工を実現。2025年度には新世代CNC「OSP-P500」でデジタルツイン機能・スマートOSP操作・省エネ制御(主軸冷却装置で従来機比40%消費電力削減)等を開発し、競合他社が短期間で模倣困難な技術基盤を有する。
本社工場・可児工場のDS1・DS2・DS3に加え、2026年1月に江南工場でDream Site Engineered Solutions(DSES)、2026年5月にGlobal Innovation Center(GIC)を稼働開始。自社工場での自動化・省人化の実証を通じて蓄積したスマートファクトリー構築ノウハウを顧客向けソリューションとして提供できる体制を整備した。
日本・米州・欧州・アジア・パシフィックの4地域に製造・販売・アフターサービス拠点を持ち、2025年度末の連結受注残高は101,407百万円(前期比5.1%増)。米州下期受注高は過去最高を記録し、海外売上高比率73.3%を達成。豊富な受注残が次期以降の売上・利益の可視性を高めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023・2024期のピーク(約228,000百万円)から2025期に206,822百万円へ落ち込んだ後、2026期は235,888百万円(前期比14.1%増)と過去最高水準に迫る回復を示した。親会社株主帰属当期純利益は12,554百万円(前期比30.9%増)と大幅改善。
一方、営業利益は15,505百万円(前期比5.8%増)にとどまり、営業利益率は6.6%と2023・2024期のピーク水準(約11%)には遠い。外部要因として、部材コスト上昇・輸送コスト高止まりが利益を圧迫した。
上期は受注機の契約納期が後半集中したことで売上・利益の下押し要因となったが、下期は豊富な受注残の生産・出荷により挽回。2027年3月期は売上高245,000百万円・営業利益19,000百万円(営業利益率7.8%)を予想し、利益率の段階的改善を見込む。
為替前提は1ドル=150円、1ユーロ=180円。
成長戦略
Green-Smart Machineと自動化ソリューションのグローバル展開で成長産業需要を取り込む
江南工場(愛知県江南市)に2026年1月竣工の「Dream Site Engineered Solutions」で自動化ラインの集中生産と顧客向けテスト加工環境を提供。隣接する「Global Innovation Center」は2026年5月稼働開始し、次世代自動化ソリューションの共創拠点として機能。
本社・可児工場の5軸・複合加工機の生産能力増強と合わせ、需要拡大への対応力を強化する。
2025年9月に可児工場内に竣工した「オークマPDC(Process Distribution Center)」が2026年1月より稼働開始。倉庫・物流機能の集約による配送効率向上と、ユニット生産等の高付加価値工程の併設により物流費用削減とScope3温室効果ガス排出量削減を同時に実現する。
脱炭素化ソリューションの自社実践として顧客への訴求力も高める。
米国・日本を中心に航空、宇宙・衛星、防衛、医療機器、データセンタ・エネルギー関連からの需要が拡大基調にあり、5軸制御マシニングセンタ・複合加工機を中心としたGreen-Smart Machineで工程集約ニーズに対応。EMO Hannover 2025出展やオークママシンフェア2025開催を通じた販売促進活動を展開。
2026年3月期の複合加工機受注高は66,714百万円(前期比17.5%増)と成果が表れている。
中国では大手EVメーカーからの大型投資案件を着実に受注に結び付け、半導体製造装置・風力発電関連の底堅い需要も取り込む。中国売上高は53,046百万円(前期34,182百万円から大幅増)と急拡大。
その他アジアでも底堅い需要が継続しており、アジア・パシフィックセグメントの外部顧客売上高は15,686百万円(前期比13.2%増)。中期経営計画2025に基づくアジア・インド市場への取組強化を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

