事業内容
地盤ネットホールディングス株式会社は、工務店等を主要顧客として住宅地盤の解析・調査・補償サービスを一体的に提供する地盤事業を中核とし、BIM(建物情報モデリング)を活用した建築DX支援のBIM Solution事業を第二の柱として展開する。地盤事業では、地盤調査データの解析から地盤品質証明書の発行、不同沈下事故発生時の損害賠償まで一貫して担う独自モデルを構築。
2025年4月に株式会社ハウスワランティを完全子会社化し、グループ合算の市場シェアは約20%に拡大した。BIM Solution事業では、CGパース・BIMモデリング・3D点群データ活用等の建築DXサービスをベトナム拠点も活用しながら提供している。
2008年設立、2012年上場、2026年1月に東証スタンダード市場へ移行。
ビジネスモデル
工務店等から地盤解析・調査の依頼を受け、地盤品質証明書を発行することで解析・調査フィーを収受する。万一の不同沈下事故に備え、国内大手損害保険会社と生産物賠償責任保険(PL保険)を締結し、1事故5,000万円・年間10億円を上限に損害賠償金の支払いに備える。
BIM Solution事業では建設事業者からBIMモデリング・CGパース・BCPOサービスの受託フィーを得る。売上高の大部分は地盤事業(2026年3月期:2,924百万円、全体の約92%)が占める件数依存型の収益構造である。
企業の強み
2025年4月に株式会社ハウスワランティを完全子会社化し、グループ合算の住宅地盤解析市場シェアは約20%に拡大した。統合により取引顧客数が大幅増加し、地盤事業売上高は2026年3月期に2,924百万円(前期比85.1%増)と急伸。
PMIによるシステム標準化・業務プロセス再設計も進行中であり、スケールメリットの実現が見込まれる。
地盤調査データの解析から地盤品質証明書の発行、不同沈下事故発生時の損害賠償まで一貫して担う独自モデルを構築している。「地盤改良工事の受注を目的としない地盤調査」を標榜することで工務店等からの信頼を獲得しており、2008年の創業以来蓄積した解析データと補償実績が参入障壁を形成している。
あいおいニッセイ同和損害保険・三井住友海上火災保険等の国内大手損保と複数のPL保険契約を締結し、1事故5,000万円・年間10億円を上限に損害賠償リスクをヘッジする体制を整備している。2025年12月には新たな保険契約への切り替えを完了し、旧契約に係る損害補償引当金251,177千円を特別利益として取り崩すなど、リスク管理体制の再構築を実現した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期売上高は3,194百万円(前期比70.1%増)と、ハウスワランティ子会社化による連結範囲拡大で大幅増収を達成。一方、営業利益は35百万円(前期109百万円)と67.6%減益。
のれん償却費71百万円の新規発生と全社費用の増加が利益を圧迫した。当期純利益は損害補償引当金戻入益251百万円(特別利益)の計上により197百万円と増益。
住宅着工件数は前期比10.2%減の310,311戸と外部環境の逆風が続く中、2027年3月期は先行投資により営業損失125百万円・当期純損失127百万円を予想しており、収益性の一時的悪化局面に入る。過去5期の推移(2022期:営業損失30百万円→2023期:109百万円→2024期:損失49百万円→2025期:109百万円→2026期:35百万円)は変動が大きく、安定的な収益基盤の確立が課題。
成長戦略
地盤事業のPMI深化・非住宅拡大とBIM事業転換で中期成長基盤を構築
2025年4月完全子会社化後、システム標準化・業務プロセス再設計・住宅地盤解析基準の統一化を推進。取引顧客数の大幅増加により地盤事業売上高は前期比85.1%増を達成。引き続きシナジーの具現化と効率的運営体制の構築を進める。
拡大するエネルギーインフラ分野(系統用蓄電所建設)向けの地盤コンサルティング・サービスを本格化。当初想定を上回る受注を獲得しており、住宅市場依存からの収益源多様化と安定的な収益基盤の形成に寄与している。
戸建住宅向けCGビジュアライゼーション業務の縮小を含むコスト構造の見直しを進め、BIMモデリング業務および3D点群データ活用サービスへ経営資源を集中。セグメント損失は前期の35百万円から4百万円へ大幅縮小したが、売上高は9.1%減と転換途上。
2027年3月期を「第2創業期」と位置づけ、情報システム環境の再整備、BIM高度人材の登用・育成、新規事業推進体制の整備等に先行投資を実施。これにより2027年3月期は営業損失125百万円を計画的に許容し、中長期的な企業価値向上の基盤を構築する。
最終更新: 2026年7月19日

