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株式会社アドバネクス

5998東証スタンダード金属製品

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株式会社アドバネクス5998

事業内容

株式会社アドバネクスは1930年創業の精密ばね専門メーカーで、国内外14の連結子会社を通じ日本・米州・欧州・アジアの4極で精密ばねの製造・販売を展開する。線ばね・板ばね・フォーミング加工・インサートモールド・深絞り加工など多様な金属加工技術を保有し、自動車・医療・OA機器・航空機・住設インフラ等の幅広い産業に部品を供給する。

主要顧客は自動車Tier1メガサプライヤーおよび世界的製薬メーカー(メガファーマ)であり、グローバル供給体制を武器に多国籍大手との取引を拡大している。2026年3月期の連結売上高は29,680百万円。

東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

顧客の仕様に基づく受注生産を基本とし、日本・米州・欧州・アジアの各拠点が地域需要に対応した製造・販売を担う。自動車向けが売上の過半を占め、医療・航空機向けが成長牽引役となっている。

コイルスレッド等の自社規格品も展開し、寡占市場での安定収益を確保。原材料費・人件費高騰に対しては価格改定(値上げ)を実施し、収益改善を図っている。

企業の強み

日本・米州(米国・メキシコ)・欧州(英国・チェコ)・アジア(タイ・ベトナム・インドネシア・インド・中国・シンガポール等)に14連結子会社を擁し、Tier1メガサプライヤーのグローバル調達に追随できる稀有なTier2サプライヤーとしての地位を確立している。精密金属加工メーカーとしては突出したネットワークと有報に記載されている。

主力自社製品であるコイルスレッドは航空市場を中心に需要が拡大しており、世界的にも競合が限定的な寡占市場に位置する。また緩み止め製品「ロックワン」「インスタントロック」もインフラ・住設市場で認知が高まっており、受注生産品に依存しない自社製品ラインが収益の多様化に寄与している。

自動車向けが売上の過半を占めつつ、医療向け(メガファーマ向け医薬品キット用ばね)・航空機向けへの展開を進めている。2026年3月期は米州セグメントで医療向けが前期比11.2%増収・セグメント利益43.4%増を牽引し、アジアセグメントでも自動車・精密機器向けが好調でセグメント利益28.7%増を達成するなど、複数市場への分散が業績安定に貢献している。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月2日付の訂正決算短信において、個別(単体)の当期純利益が訂正前196百万円から82百万円へ約58%下方修正された。主因は貸倒引当金繰入額の増加(訂正前211百万円→訂正後326百万円)と税引前純利益の大幅圧縮(123百万円→8百万円)。

関係会社長期貸付金残高が4,237百万円に膨らむ中、貸倒引当金も295百万円から410百万円へ積み増されており、グループ内与信管理の動向を引き続き注視する必要がある。

2026年3月期連結営業利益は1,323百万円と5期ぶりの高水準を回復し、売上高も29,680百万円と5期連続増収を達成した。一方、タイ新工場建設等の設備投資により投資活動CFは2,867百万円の流出(訂正後)となり、長期借入金も5,353百万円の新規調達を実施。

財務活動CFは1,285百万円の流入にとどまり、借入金残高の増加が続いている。自己資本比率の低下傾向と合わせ、財務余力の消耗ペースを慎重に見極める局面が続く。

米州・欧州セグメントでの医療向け受注拡大や、アジアセグメントの自動車・OA機器向け需要は実績として確認されており、中期的な成長ドライバーとして評価できる。ただし、外部要因として円安・ドル高の恩恵が業績を下支えしている側面があり、為替変動(訂正後の営業CFで為替差損益が490百万円益→324百万円益に修正)や米国関税政策の変更が収益に与える影響は引き続き大きなリスク要因である。

成長戦略

医療・自動車・規格品の3軸でグローバル展開を加速し、収益体質の強化を目指す

欧米メガファーマ向け医薬品キットへのばね採用拡大を軸に、米国・チェコ・日本の各拠点で医療向け生産を増強。米国工場は黒字転換済み、チェコ工場は量産開始フェーズに移行しており、グローバルでの医療売上比率向上を目指す。

アジアセグメントの需要拡大に対応するため、タイに新工場を建設中。2026年3月期に有形固定資産取得支出2,963百万円(訂正後)を計上しており、完成後は自動車・OA機器向けの生産能力増強と収益貢献本格化を見込む。

競合が少ないコイルスレッドを中心とした規格品ビジネスを航空市場向けに拡大し、受注製造型の変動リスクを補完する安定収益源として育成する。受注高の増加基調が継続しており、引き続き拡販を推進する。

メキシコ工場の収益改善を継続推進し、米州全体の利益率向上を図る。米国工場は医療向け拡大で黒字転換済み。メキシコ工場も2026年3月期3Q累計で順調な改善が確認されており、米州セグメント全体の収益安定化を目指す。

最終更新: 2026年7月19日