事業内容
京都機械工具株式会社(KTC)は1950年創業の工具専業メーカーで、自動車整備用工具・医療用工具・電設関連工具・精密鋳造品の製造販売を行う工具事業と、不動産賃貸・太陽光発電を行うファシリティマネジメント事業を展開する。主要顧客はトラスコ中山(売上比18.3%)、ヤマト自動車(14.0%)、トヨタ自動車(11.7%)など自動車関連ディーラー・整備業者が中心。
IoT工具「TRASAS」シリーズやRFID搭載「nepros ID」シリーズを通じ、航空宇宙・MRO市場へのグローバル展開も推進している。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
主力の工具事業では自社工場での製造から卸・直販チャネルを通じた販売まで一貫して手掛け、売上高8,079百万円(2026年3月期)を計上。高付加価値のIoT工具・ソリューション案件で利益率向上を図る。
ファシリティマネジメント事業は所有不動産の賃貸と太陽光発電による売電で安定収益(売上高255百万円、利益率68%超)を確保し、工具事業の変動リスクを補完する構造となっている。
企業の強み
RFID搭載工具「nepros ID」シリーズは2025年9月のMRO Asia-Pacific 2025において「MRO Technology Achievement of the Year」を日本企業として初めて受賞。航空宇宙・MRO市場での技術的優位性が国際的に認められており、専用WEBサイト開設やSINGAPORE AIRSHOW 2026出展など認知拡大施策を継続している。
2026年3月期末時点で国内外合計283件(出願中35件を除く)の産業財産権を保有し、研究開発専任人員23名・研究開発費205百万円を投じる。当期の開発売上実績は41品種235アイテムに達しており、継続的な製品革新を支える知的財産基盤と開発体制が競合との差別化を支えている。
ファシリティマネジメント事業は2026年3月期に売上高255百万円・セグメント利益175百万円(利益率約68%)を計上。全物件で高入居率を維持し、2025年2月取得の久御山町新規物件も即座に収益貢献。太陽光発電収入と合わせ、工具事業の業績変動を緩和する安定収益源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期の9,046百万円から2026年3月期は8,334百万円へ7.9%減少し、4期連続増収から一転して反落。営業利益は753百万円(前期847百万円、▲11.1%)、経常利益は817百万円(前期944百万円、▲13.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は501百万円(前期544百万円、▲7.9%)と全利益段階で減少。
特別損失合計677百万円(不適切会計調査費用等561百万円、製品回収関連損失引当金89百万円等)が収益を大きく圧迫した。外部環境として米国通商政策の不透明感やサプライチェーン混乱が景気下押しリスクとなる中、市販・直販両部門の販売不振とデジタルトルクレンチ自主回収の影響が重なった。
2027年3月期は売上高8,500百万円・営業利益630百万円を予想しており、利益回復は2期先以降となる見通し。
成長戦略
経営基盤再構築を最優先に、nepros IDのMRO市場開拓と北米展開で中期成長を追求
不適切会計事案・製品自主回収を受け、コーポレート・ガバナンス強化・内部統制整備・品質体制見直しを喫緊課題と位置づけ。2026年5月15日付で長期ビジョンの計画を見直し、強固な経営基盤の再構築を最優先とする新5ヵ年計画を策定・公表した。
RFIDを搭載したnepros IDシリーズを軸に、安全管理ニーズが高い航空宇宙・MRO市場を開拓。2025年9月のMRO Asia-Pacific 2025での最優秀賞受賞を契機に認知を拡大。
2026年2月にはSINGAPORE AIRSHOW 2026へ出展し、専用WEBサイトを開設して情報発信を強化している。
プロメカニック向けフラッグシップブランド「nepros」のグローバル展開を加速。北米市場のツールトラックチャネルを通じた販売を推進し、2025年11月にラスベガスで開催されたSEMA Show 2025に出展。現地プロメカニックの要求に応えることでグローバルブランドの確立を目指す。
自社工場を製品開発の中核拠点と位置づけ、人とロボットの協働環境を構築。脱着等の単純繰り返し作業をロボットが担い、人は付加価値の高い作業へシフトする独自の少人化ラインを展開。新規設備の本格稼働によりnepros・nepros ID製品の能力増強を図る。
2025年2月に久御山町で新規収益物件を取得し賃貸運営を開始。全物件で高入居率を維持し、2026年3月期のセグメント売上高は255百万円(前期比9.9%増)、セグメント利益は175百万円(同10.6%増)と安定成長。
本社敷地内の太陽光発電パネルが2025年10月より稼働開始し、売電収入と環境負荷低減を両立。
最終更新: 2026年7月19日

