リンナイ株式会社 logo

リンナイ株式会社

5947東証プライム金属製品

リンナイ株式会社 logo
リンナイ株式会社5947

事業内容

リンナイ株式会社は1920年創業の熱機器専業メーカーで、給湯機器・厨房機器・空調機器を中心に、日本・アメリカ・オーストラリア・中国・韓国・インドネシア等7地域で製造・販売を展開する。連結子会社50社・関連会社2社を含むグループ全体の売上高は470,392百万円(2026年3月期)。

国内では都市ガス会社・ハウスメーカー・管建材販売会社等を主要顧客とし、海外では現地法人による製造・販売を基本とする「現地に根ざした事業展開」を方針とする。「品質こそ我らが命」を原点思想に、「熱と暮らし」「健康と暮らし」をテーマとした高付加価値商品をグローバルに供給している。

ビジネスモデル

国内では当社から都市ガス会社・ハウスメーカー等へ直接販売(一部OEM供給)し、海外では現地子会社が製造・販売を担う地産地消型モデルを採用する。ガス衣類乾燥機・エアバブル商材・ハイブリッド給湯器等の高付加価値商品の販売比率向上による商品ミックス改善と、現地開発・生産による原価低減活動の組み合わせで収益性を高める構造を持つ。

研究開発費は15,939百万円(2026年3月期)を投じ、燃焼・伝熱・IoT・ヒートポンプ等のコア技術を継続強化している。

企業の強み

エアバブルテクノロジー搭載給湯器は2025年9月時点で累計販売15万台を突破。ウルトラファインバブル技術を業務用給湯器にも初搭載し展開を拡大。特許権所有件数は2,267件(2026年3月末)、当期特許登録129件と技術蓄積が厚く、競合が短期間で模倣困難な製品差別化を実現している。

1971年のオーストラリア進出を皮切りに、韓国・米国・インドネシア・中国等に現地法人を設立し、50年超にわたりグローバル生産・販売体制を構築。2026年3月期の海外売上比率は約56%に達し、インドネシアでは現地ガスコンロ市場で高シェア・高ブランド認知を確立するなど、地域ごとに強固な販売基盤を持つ。

2026年3月期末の自己資本比率は67.3%、有利子負債残高は18,746百万円と財務健全性が高い。現金及び現金同等物は134,506百万円を保有し、営業キャッシュ・フローは49,298百万円を確保。累進配当を基本方針とする株主還元と成長投資を自己資金で賄える財務体力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期に旧中期計画の売上・利益目標を達成し、新計画「accelerate 2030」では2030年度に連結売上高620,000百万円・営業利益70,000百万円・営業利益率11.3%・ROE10%・ROIC15%を掲げる。2027年3月期予想は売上高500,000百万円(前期比6.3%増)・営業利益50,500百万円(同0.1%減)と利益横ばいを見込んでおり、関税影響・中東情勢リスクが業績予想に未織り込みである点は下振れリスクとして注視が必要。

中国セグメントは2026年3月期に売上高60,682百万円(前期比11.5%減)・営業利益9,415百万円(同6.7%減)と2期連続の減収減益。景気減退による消費マインドの冷え込みが継続しており、2027年3月期も経済停滞による消費低迷が想定されると会社側は言及。

一方、営業利益率は約15%水準を維持しており、機動的な生産調整と経費抑制による高収益体質は評価できる。中国依存度の低下と他地域での補完が課題。

外部要因として、北米・オセアニア・欧州を中心とするカーボンニュートラル規制強化はヒートポンプ給湯器需要を押し上げる追い風となる一方、米国の通商政策(関税)は2026年3月期のアメリカセグメント営業利益を前期比12.8%減に押し下げた。会社側は2027年3月期予想に中東情勢の影響を未織り込みとしており、地政学リスクによる部品調達コスト上昇が顕在化した場合の業績下振れリスクは依然として高い。

電化商品ラインアップの拡充スピードが競合との差別化を左右する。

成長戦略

新中期計画「accelerate 2030」で電化商品拡大・新価値創造・成長市場開拓を加速

各国のエネルギー施策を見据え、ヒートポンプ給湯器を中核にガス機器で培ったコア技術と販売網を活かして電化市場に本格参入。オーストラリアでは2026年3月期にヒートポンプ式給湯器販売が好調で売上高前期比20.3%増を達成。

北米でも電化商品ラインアップ拡充と販売拡大に注力。2030年度目標:生活の質向上商品・地球環境貢献商品の売上高1.5倍(2025年度比)。

2025年10月にMTインダストリアル株式会社(中南米向け給湯器・厨房機器販売・設置・保守)を取得原価11,176百万円で子会社化し、中南米エリアでの事業規模拡大を推進。のれん4,518百万円(9年均等償却)を計上。

仮に期初から連結した場合の売上高影響は11,140百万円と試算。人口増加・所得増加が見込まれる成長市場での既存技術・販路活用を継続。

国内では「ECO ONE」・ガス衣類乾燥機・エアバブル商材の拡販普及と戦略的新製品投入を継続。中国では機動的な生産調整・固定費管理・生産性向上により高い利益率(約15%水準)を維持。

韓国ではボイラー機器の販売伸長により営業利益前期比17.7%増を達成。2030年度目標:連結営業利益率11.3%(2026年3月期実績10.7%から改善)。

2026年3月期(最終年度)に売上高470,392百万円・営業利益50,531百万円を達成し、中期経営計画において定めた売上および利益の両目標をいずれも計画通り達成。高付加価値商品の伸長・増収効果・原価低減活動が奏功した。

最終更新: 2026年7月19日