事業内容
日本製罐株式会社は1925年創業の金属缶専業メーカーで、当社と子会社の新生製缶株式会社(関西地区拠点)の2社で構成される。主力製品は18L缶(ペール缶)と美術缶の2本柱で、2026年3月期の金属缶製造販売事業売上高は11,278百万円。
18L缶は油糧・食糧分野向けを中心に国内需要を取り込み、美術缶は高付加価値製品として収益改善の牽引役と位置付けられている。主要顧客は西部容器株式会社(売上比16.9%)、株式会社明治(同7.3%)など。
原材料は関連当事者である伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社から主に調達している。不動産賃貸事業(売上高163百万円)も保有し、グループ唯一の安定的営業黒字源となっている。
ビジネスモデル
主収益は18L缶・美術缶の受注製造販売で、鋼材等の原材料を調達し自社工場で加工・印刷して顧客に納入する。価格転嫁を通じてコスト変動を販売価格に反映させる仕組みを持つ。
サブ収益として自社保有不動産(さいたま市内の鉄骨3階建建物等)の賃貸事業を展開し、景気変動に左右されにくい安定的な営業利益83百万円を創出している。設備資金は主に金融機関からの長期借入金で調達する。
企業の強み
1925年創業で2025年に100周年を迎えた製缶専業メーカー。当社(関東)と新生製缶株式会社(関西)の二拠点体制により、地域をまたいだ生産・OEM供給が可能。長年の製缶技術の蓄積が顧客からの信頼基盤を形成しており、西部容器・明治等の主要顧客との継続的取引実績がある。
美術缶向け新規製造設備が2025年5月より再稼働し、2026年3月期の美術缶売上高は2,054百万円(前年比8.1%増)、生産高も前年比113.5%に拡大。高付加価値製品の生産能力が本格回復しており、製品構成(プロダクトミックス)改善による収益性向上の基盤が整いつつある。
自社保有不動産の賃貸事業は売上高163百万円、営業利益83百万円(2026年3月期)を安定的に計上。減価償却費(約39百万円)を上回る営業利益を継続的に創出しており、金属缶事業の損失を一部補完するキャッシュ創出機能を果たしている。当期に97百万円の固定資産投資も実施済み。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は11,442百万円(前期比1.6%増)と微増にとどまり、営業損失307百万円(前期損失541百万円)、経常損失283百万円(前期損失476百万円)、親会社株主帰属当期純損失346百万円(前期損失335百万円)となった。赤字幅は営業・経常段階で縮小したが、純損失は拡大した。
外部要因として日中関係の緊張化・米国通商政策の影響・円安・エネルギー価格高騰が収益を圧迫した。2027年3月期は売上高11,525百万円・営業損失104百万円を予想しており、黒字化は2028年3月期以降の見込みである。
成長戦略
生産集約・コスト構造改革と美術缶新設備稼働安定化で2028年3月期黒字化を目指す
千葉工場閉鎖を含む生産集約により固定費削減を段階的に顕在化させる。2026年3月期は工場閉鎖損失60百万円を計上済みであり、2027年3月期以降に生産効率向上と固定費削減効果の本格的な発現を見込む。
美術缶売上高は前期比8.1%増の2,054百万円を達成したが、新設備の稼働安定化には引き続き時間を要している。新製品の顧客承認取得を順次進め、本格的な量産・販売体制への移行を計画している。
高付加価値製品である美術缶の構成比拡大(当期18.2%)と採算性の低い製品の見直しにより、売上総利益率の改善を図る。2026年3月期の売上総利益率は9.6%(前期7.6%)へ改善しており、一定の進捗が見られる。
高付加価値製品の開発・実用化と新規顧客の開拓により売上基盤の多様化を図る。現状は新製品に係る顧客承認取得に想定以上の期間を要しており、販売数量・収益ともに当初計画を下回る見通しとなっている。
最終更新: 2026年7月19日

