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株式会社三ッ星

5820東証スタンダード非鉄金属

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株式会社三ッ星5820

事業内容

株式会社三ッ星は1947年創業の大阪本社の総合電線メーカーで、電線事業・ポリマテック事業・電熱線事業の3セグメントを展開する。主力の電線事業ではゴムキャブタイヤケーブル・架橋ポリエチレンケーブル・溶接用ケーブル等を製造し、建設・電販市場向けに問屋・電材店・商社を通じて販売する。

ポリマテック事業では合成樹脂異形押出品・高機能チューブ・LED関連商品を手掛け、電熱線事業では産業機器・白物家電・電子部品向けに電熱線・抵抗線を供給する。フィリピン子会社Mitsuboshi Philippines Corporationを含む子会社5社とともにグループを構成し、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。

ビジネスモデル

電線事業は見込み生産、ポリマテック・電熱線事業は受注生産を基本とし、問屋・電材店・商社経由の間接販売とユーザー直販を組み合わせる。銅・ニッケル等の原材料コストは販売価格への転嫁(基準価格改定・銅価連動改定)で吸収し、高付加価値製品の販売強化と継続的な生産性向上・経費削減により利益率の維持・改善を図る。

中長期目標として連結売上高経常利益率3.0%以上を掲げる。

企業の強み

2026年3月期において銅価変動に伴う価格改定に加え基準価格の見直しを顧客へアナウンスし価格転嫁を推進した結果、電線セグメント利益は476百万円(前年同期比59.2%増)を達成。連結売上高経常利益率も3.3%と中長期目標3.0%を上回り、価格転嫁力の高さを実績で示した。

電線事業部はISO9001(1997年取得)、ポリマテック事業部はISO9001(2003年取得)、本社・滋賀工場・羽曳野工場はISO14001(2007年取得)を保有。滋賀工場・羽曳野工場の2拠点生産体制に加え、2020年に技術開発センターを開設し、製品開発・品質向上の基盤を整備している。

2007年設立のMitsuboshi Philippines Corporationを通じた海外調達網を保有し、電線事業の仕入コスト管理に活用。2023年には株式会社河南伸銅所およびエムシーレフィラ株式会社を子会社化し、グループのサプライチェーンと事業領域を拡充した実績を持つ。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高営業利益率は3.0%と、中期目標水準に到達した点は評価できる。しかし電線事業(セグメント利益476百万円)がグループ利益の大半を稼ぐ一方、ポリマテック事業はセグメント損失129百万円と4期連続の赤字が続く。

住宅着工戸数が62年ぶりの低水準(74万戸、前年比6.5%減)という外部要因も逆風だが、LED関連商品の伸び悩みは自社の販売力・製品競争力の問題でもあり、構造的な収益改善が急務である。

2026年3月期の増収(前年比7.8%増)の主因は銅価上昇(期平均1,695千円/トン)による電線売上高の押し上げであり、販売銅量ベースではゴム電線横ばい・プラスチック電線減少と実需は低調。外部要因として銅価が反落した場合、売上高・利益の双方が下押しされるリスクがある。

2027年3月期予想(売上高12,163百万円、営業利益402百万円)の達成には、銅価動向と実需回復の両立が前提となる点に留意が必要。

2026年3月期に新株予約権の行使による株式発行収入181百万円を計上し、発行済株式数は3,799,965株から4,279,965株へ増加(約12.6%増)。1株当たり純資産は1,935円69銭から1,842円12銭へ低下した。

潜在株式(新株予約権193千株)による希薄化後EPS(66円91銭)も考慮すると、配当性向24.1%・年間配当17円は維持されているものの、株主価値の希薄化への継続的な注視が必要である。

成長戦略

「4S(新)運動」と2027年3月期始動の新中期経営計画による持続成長

業界団体の受注額・需要量見通しが前年より増加する環境下、新規顧客・案件獲得を強化しつつ、銅価を含む原材料コスト上昇に対応した価格転嫁を継続。工場のコスト抑制・生産性向上により製造原価低減を図る。

新設住宅着工の低迷が続く中、非住宅分野への積極アプローチで新規受注を拡大。2025年度に金型製作を進めた新規案件の2026年度量産開始を予定。国の2030年道路照明LED化100%目標を背景に首都高速・国道・市道からのLED化案件を着実に取り込む。

自動車向け・産業ロボット向け・生成AI関連半導体製造装置向け等の成長分野での新規開拓に注力。インド・東南アジアなど新興海外市場への展開も推進。年度後半から底打ち感が見られた需要の本格回復を取り込む。

2027年3月期より新中期経営計画を策定・遂行し、持続可能な成長トレンドを目指す。ESGを経営方針の中核に据え、脱炭素・自動化・老朽設備メンテナンス等の社会課題解決型事業への展開を継続する。

最終更新: 2026年7月19日