事業内容
CKサンエツは富山県高岡市を本拠とする純粋持株会社で、傘下にサンエツ金属・日本伸銅・三谷伸銅・シーケー金属等14社を擁する。主力の伸銅事業では黄銅棒・線・管を製造し、自動車・家電・水栓金具等の素材として広範に供給する。
精密部品事業ではカメラマウントやシンクロリング等の鍛造・切削加工品を手掛け、配管・鍍金事業では脱塩ビ継手や環境対応溶融亜鉛鍍金を提供する。鉛・カドミウム等を使用しない環境対応合金・環境対応鍍金に多数の特許を保有し、国内伸銅業界のトップシェアを誇る。
2025年4月に三谷伸銅を連結子会社化し、販売量10万389トン・売上高149,438百万円規模に拡大した。
ビジネスモデル
主要原材料の銅・亜鉛を市場から調達し、黄銅棒・線・管等に加工して自動車・家電・建設向けに販売する。製品価格は銅建値に連動するため、相場変動リスクをデリバティブ取引でヘッジし、経常利益段階での安定化を図る。
精密部品・配管鍍金の高付加価値セグメントで利益率を補完しつつ、同業他社のM&Aによる規模拡大と生産シナジーで競争力を維持する。
企業の強み
サンエツ金属・日本伸銅・三谷伸銅の3社体制により、2026年3月期の伸銅事業販売量は10万389トン(前期比11.7%増)、売上高131,442百万円を達成。スケールメリットを活かした原料共同購買・生産拠点集約が可能であり、業界トップシェアに裏付けられた交渉力を持つ。
鉛・カドミウム等の環境負荷物質を使用しない環境対応合金を実用化し多数の特許を取得。配管・鍍金事業でも脱塩ビ継手・環境対応溶融亜鉛鍍金「CKeめっきスーパー」を特許技術として保有し、国土交通省NETISに登録。グッドデザイン賞受賞製品も有し、規制対応需要での差別化を実現している。
2015年の日本伸銅連結子会社化、2025年4月の三谷伸銅連結子会社化(最終議決権比率94.06%)など、同業他社のM&Aを継続的に実行。2011年の持株会社移行以降、シーケー金属・オキノ工業・日立アロイ事業譲受等を積み重ね、売上高を115,343百万円(2022年3月期)から149,438百万円(2026年3月期)へ拡大した実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の111,433百万円を底に2期連続で拡大し、2026年3月期は149,438百万円(前期比19.4%増)と過去5期で最高水準に達した。営業利益も14,161百万円(同38.0%増)と過去5期最高。
しかし外部要因として銅LME価格の高騰と円安が重なり、デリバティブ損失が前期の2,176百万円から8,936百万円へ急増。その結果、経常利益は5,636百万円(同32.8%減)、親会社株主帰属当期純利益は3,587百万円(同31.1%減)と2期ぶりの減益となった。
自己資本比率は56.3%(前期60.1%)に低下したが、棚卸資産増加(6,656百万円)や三谷伸銅取得に伴う資産増加が主因であり財務健全性は維持されている。
成長戦略
M&Aによる業界再編主導と生産技術シナジー・高付加価値製品拡大で成熟市場を突破
2025年4月に三谷伸銅を連結子会社化(取得原価2,733百万円)し、その後の追加取得により議決権比率を94.06%まで引き上げた。伸銅事業の販売量は10万389トン(前期比11.7%増)に拡大し、統合初年度から売上・利益への貢献が確認された。
サンエツ金属株式会社の砺波事業所に最新鋭の横型連続鋳造設備を導入し、生産性向上と夜勤レス体制の実現を目指す。労働力不足への対応と製造コスト低減を同時に図る施策であり、中長期的な競争力強化に寄与することが期待される。
精密部品セグメントにおいてサンエツ金属株式会社が半導体製造装置向けバッキングプレートの増産に注力。2026年3月期の精密部品セグメント利益は906百万円(前期比45.2%増)と高成長を示しており、高付加価値製品の拡大が収益性改善に貢献している。
シーケー金属株式会社が配管機器の新製品および溶融亜鉛鍍金の新技術の開発に注力。2026年3月期の配管・鍍金セグメントは売上高11,985百万円(前期比8.2%減)・セグメント利益1,872百万円(同15.2%減)と苦戦しており、新製品・新技術による収益回復が課題となっている。
2027年3月期より減配せず配当を維持または増加させる「累進配当」方針を採用。2026年3月期の年間配当は90円(配当性向20.8%)、2027年3月期は100円を予定。短期的な業績変動に左右されにくい安定配当の継続により中長期的な株主価値向上を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

