事業内容
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズは、1952年に日本初の金属チタン工業生産を開始した歴史を持つ、国内唯一のスポンジチタン一貫メーカーである。主力のチタン事業ではスポンジチタン・チタンインゴットを製造し、民間航空機エンジン向けを中心にグローバルに供給する。
高機能材料事業では、チタン製造工程の中間生成物である四塩化チタンや、半導体スパッタリングターゲット用高純度チタン、球状チタン粉末TILOP®、リチウムイオン電池負極材SiOなど先端材料を展開する。主要顧客は住商メタレックス㈱(売上高の74.2%)を通じた航空機・産業用途向けが中心であり、尼崎工場を主要生産拠点とする。
ビジネスモデル
チタン鉱石から塩化工程を経てスポンジチタン・インゴットを一貫製造し、主に商社経由で航空機メーカーサプライチェーンへ販売する。製造工程で副生する四塩化チタンを高機能材料事業に転用することで原料ロスを最小化しつつ、半導体・電池材料向けの高付加価値製品群を展開する。
輸出向けは価格フォーミュラ方式を採用しており、為替・市況の影響を受ける構造を持つ。
企業の強み
当社は国内唯一のスポンジチタン一貫メーカーとして、1952年以来70年超の製造実績を有する。現在の生産能力は年間4万トンであり、中期経営計画「OTC2030」では尼崎工場の新工場稼働により5万トンへの増強を計画している。この製造基盤は競合他社が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。
スポンジチタン製造の塩化工程で副生する四塩化チタンを高機能材料事業に転用し、半導体向け高純度チタン・TILOP®・SiOなど多様な高付加価値製品を展開する。2026年3月期において高機能材料事業の営業利益率は13.4%とチタン事業(11.5%)を上回っており、副生品活用による収益多様化が機能している。
住商メタレックス㈱への販売比率は2026年3月期に74.2%(34,823百万円)に達しており、同社を通じたグローバル航空機サプライチェーンへの安定的なアクセスを確保している。一方で特定顧客への高い依存度は集中リスクでもあり、事業ポートフォリオ分散が経営課題として認識されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022期の営業損失1,914百万円から2025期には営業利益10,088百万円(営業利益率19.4%)へV字回復を達成したが、2026期は46,952百万円・5,524百万円(同11.8%)と2期連続の減益。主因は①民間航空機サプライチェーンの在庫調整による国内スポンジチタン販売数量の大幅減少(国内売上高前期比42.8%減)、②輸出向け価格フォーミュラによる販売価格下落、③AI関連を除く半導体市場の調整継続。
外部要因として為替は前期の差損1,147百万円から当期は差益714百万円へ転換し経常利益を下支えした。2027年3月期会社予想は売上高48,000百万円・営業利益3,400百万円とさらなる悪化を見込む。
成長戦略
スポンジチタン生産能力増強と高機能材料多角化による二軸成長戦略
尼崎工場でのスポンジチタン生産能力増強プロジェクトを推進中。民間航空機の中長期的な需要拡大に対応し、需要回復局面での受注獲得力を高める。2026年3月期の有形固定資産取得支出は8,072百万円と前期(2,916百万円)から大幅増加しており、投資は本格化している。
2026年3月期より四塩化チタン・四塩化チタン水溶液をチタン事業から高機能材料事業へ組み替え。需要業界に即した事業運営体制を整備し、MLCC向け四塩化チタンの増加を翌期に見込む。高機能材料事業の売上高は7,000百万円(前期比7.6%増)を2027年3月期に予想。
スパッタリングターゲット用高純度チタン、TILOP球状チタン粉末(積層造形向け)、SiO負極材(リチウムイオン電池向け)の拡販を推進。AI関連を除く半導体市場は調整継続中だが、2027年3月期後半には回復を想定。高機能材料事業の営業利益は1,000百万円(前期比14.9%増)を予想。
最終更新: 2026年7月19日

