事業内容
DOWAホールディングスは1884年の小坂鉱山払い下げを起源とし、環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理の5つのコア事業を展開する非鉄金属・資源循環の総合企業です。子会社84社・関連会社14社で構成され、廃棄物処理から高純度金属材料・化合物半導体ウェハ・銅合金加工・自動車部品熱処理まで幅広い事業領域を持ちます。
国内に加え、タイ・インドネシア・中国・メキシコ・米国・インド等にグローバル拠点を展開し、自動車・情報通信・環境エネルギー・医療ヘルスケアの4分野を主要顧客市場と位置付けています。
ビジネスモデル
廃棄物・使用済み製品を環境・リサイクル部門で集荷・中間処理し、製錬部門で金・銀・PGM・亜鉛等の有価金属を回収・精製、さらに電子材料・金属加工・熱処理部門で高付加価値製品・サービスとして供給する「循環型ビジネスモデル」を構築しています。製錬部門が売上高の約49%を占める最大セグメントであり、貴金属相場・為替の変動が業績に直結する一方、環境・リサイクル部門の廃棄物処理受託収入が安定収益基盤を形成しています。
企業の強み
1884年創業以来、黒鉱製錬から始まり金・銀・PGM・亜鉛・銅等の多品種製錬技術を蓄積。小坂製錬・秋田製錬等の製錬コンビナートと環境・リサイクル部門の廃棄物処理施設が連携し、リサイクル原料の集荷から有価金属回収まで一貫処理できる設備・技術インフラは競合他社が短期間で模倣困難な固有資産です。
タイ・インドネシア・中国・メキシコ・米国・インド等に環境・リサイクル・金属加工・熱処理の各事業拠点を展開。2023年1月にはPT DOWA ECO SYSTEM INDONESIAが操業開始し、インドネシアでの廃棄物処理受注が2026年3月期に増加するなど、グローバル拠点網が新規受注獲得に直結しています。
環境・リサイクル(売上高227,173百万円)・製錬(364,783百万円)・電子材料(104,584百万円)・金属加工(147,336百万円)・熱処理(33,999百万円)の5部門を保有。製錬部門が相場変動の影響を受ける一方、廃棄物処理受託を主体とする環境・リサイクル部門が安定収益を提供し、単一事業依存リスクを構造的に低減しています。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期831,794百万円をピークに3期連続減収が続いたが、2026年3月期は745,410百万円(前期比9.8%増)と反転増収を達成。外部要因として金・銀・PGM等の貴金属価格上昇と自動車生産の回復基調が追い風となり、製錬部門(売上高364,783百万円、前期比37.0%増)と金属加工部門(同147,336百万円、同14.4%増)が牽引した。
営業利益は34,192百万円(同6.1%増)と2期連続改善も、製錬原料購入条件の悪化・人件費増加が重石となり営業利益率は4.6%と低水準。経常利益は海外亜鉛鉱山の持分法利益増加(15,293百万円)により54,325百万円(同24.6%増)と大幅改善。
純利益は藤田観光株式売却益等の特別利益29,514百万円の計上で62,458百万円(同130.2%増)となったが、一過性要因を除いた実力値は限定的。電子材料部門は営業損失2,663百万円と依然赤字継続が課題。
成長戦略
中期計画2027で循環型ビジネスモデルの深化と5コアビジネスの強化を推進
2026年3月期からスタートした中期計画2027において、「価値の創出」と「変動の抑制・期待の醸成」を基本戦略とし、循環型ビジネスモデルのさらなる強化と経営基盤の充実化を推進。株主還元方針は配当性向35%または1株当たり150円のいずれか高い方とし、2026年3月期は特別配当100円を含む368円を実施。
ウェアラブル機器向け近赤外LED・PD(受光素子)の量産販売開始により半導体事業の売上・利益が増加。次世代二次電池・燃料電池向け新規製品の有償サンプル代収入が3,503百万円に拡大。銀粉の競争激化による営業損失2,663百万円の解消が急務であり、新製品の量産化加速が収益改善の鍵。
インドネシアにおける廃棄物処理受注が増加し、環境・リサイクル部門の成長ドライバーとして機能。タイの最終処分場では維持管理費用の見積り見直しによるコスト増が発生したが、東南アジア全体での事業基盤拡充を継続。次期においても自動車関連・情報通信関連製品の販売堅調継続を想定。
2026年3月期に自己株式取得9,991百万円を実施し、期末自己株式数は2,840,817株(前期2,439,918株)に増加。年間配当は368円(普通配当268円+特別配当100円)と大幅増配を実施。2027年3月期予想配当は338円(配当性向35.1%)と引き続き高水準の還元方針を維持。
最終更新: 2026年7月19日

