事業内容
株式会社雨風太陽は「都市と地方をかきまぜる」をミッションに掲げ、産直アプリ「ポケットマルシェ」を核に食品EC・旅行・自治体支援の3事業を展開する。2016年に日本初のスマホ完結型産直プラットフォームをリリースし、2025年12月末時点で全国約9,000名の生産者・約90万人のユーザーを擁する。
個人向けサービス(産直EC・旅行・婚活)と法人向けサービス(自治体委託事業・法人食材販売)の2セグメントで構成され、全国1,605自治体(全自治体の90.9%)に分布する生産者ネットワークを競争優位の源泉とする。2023年12月に東京証券取引所グロース市場に上場。
ビジネスモデル
主収益は「ポケットマルシェ」の取引手数料(販売手数料)で、売上高の約64%を食品事業が占める。これに加え、ふるさと納税プラットフォームの自治体・生産者手数料、サブスクリプション販売、自治体からの委託費、「ポケマルおやこ地方留学」参加費、「STAY JAPAN」宿泊手数料が収益源を構成する。
プラットフォーム型ビジネスのため、売上高広告宣伝費比率は2020年の92%から2025年には6%まで低下しており、規模拡大に伴う費用逓減効果が顕在化している。
企業の強み
2025年12月末時点で全国約9,000名の生産者が登録し、その分布は全国1,605自治体(全1,765自治体の90.9%)に及ぶ。この広域ネットワークは産直ECにとどまらず、自治体委託事業・旅行事業・ふるさと納税の基盤となり、他サービスへの横展開を可能にする参入障壁として機能している。
「ポケットマルシェ」の購入者全体に占めるリピート率は約8割、1ヶ月の平均購入回数は約2.5回(2022年継続購入ユーザー平均)。サービス開始以来、生産者と消費者間の累計コミュニケーション数は1,274万5,813件に達しており、高いエンゲージメントが安定した収益基盤を形成している。
2025年12月期に経常利益20百万円を計上し、上場来初の経常黒字化を達成。販売費及び一般管理費は682百万円(前期比17.1%減)と大幅削減。開発費の資産計上開始、補助事業終了後の送料正常化、組織効率化が複合的に寄与し、営業損失は前期の156百万円から7百万円へと急速に縮小した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年期957百万円→2024年期1,016百万円→2025年期1,028百万円と緩やかな成長(2025年期前期比+0.6%)にとどまる一方、営業損失は230百万円→161百万円→7百万円と急速に縮小。販売費及び一般管理費の17.1%削減(682百万円)が主因で、開発費の資産計上開始・補助事業終了後の送料正常化・組織効率化が複合的に寄与した。
経常利益は20百万円の黒字を達成したが、のれん減損損失29百万円の計上により当期純損失4百万円が残存。収益性改善トレンドは明確だが、営業黒字の定着が次の焦点となる。
成長戦略
ポケットマルシェ基盤の収益深化と、旅行・自治体事業の第二柱確立による多角的成長
食品EC市場(2024年3兆1,163億円、前年比106.4%成長)の拡大を取り込むべく、広告費を抑制しながらSEO対策を強化し、1人あたり獲得コストを低減しつつ新規ユーザーを拡大する。サブスクリプション・ふるさと納税のクロスセルによるLTV向上も並行推進。
「ふるさと住民登録制度」閣議決定を背景に関係人口領域での新規案件を獲得。2025年度の受託案件数は目標60を超える67件と過去最高を達成。全国1,765自治体のうち取引実績は一部に過ぎず、拡大余地は大きい。
2025年4月に宿泊予約サイト「STAY JAPAN」(約1,000件掲載)を事業譲受しインバウンド需要の取り込みを開始。「ポケマルおやこ地方留学」は2025年夏季7地域で186家族475名が参加(前年比約30%増)し、ツアーグランプリ2024国土交通大臣賞を受賞。
2026年2月に岩手県花巻市に宿泊・コワーキング・交流ラウンジを複合した関係人口創出拠点「HANAMAKI BASE」を開業し本店を移転。自治体向け関係人口ソリューションのモデルケースを自ら体現し、全国への横展開を図る。
食品事業の売上高比率は2025年期64.0%と依然高く、旅行事業・自治体事業・婚活事業(ちほ婚!、2024年10月開設)の育成を通じた収益源の多様化を推進。中長期的な成長基盤の安定化を目指す。
最終更新: 2026年4月28日

