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虹技株式会社

5603東証スタンダード鉄鋼業

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虹技株式会社5603

事業内容

虹技株式会社は1916年創業の兵庫県姫路市に本拠を置く素形材メーカーで、鉄鋼圧延用ロール・鋳型・自動車用金型鋳物・デンスバー(連続鋳造鋳鉄棒)等を製造販売するCasting Fieldを中核事業とする。売上構成比は同セグメントが約89%を占め、国内工場(姫路東・西工場)に加え中国天津・南通の合弁子会社2社を通じて海外展開も行う。

残余事業として環境関連装置・土木工事請負(Environment Field・環境エンジニアリング)と自動車・鉄道・産業機械向け摩擦材(Environment Field・機能材料)を展開し、「鋳物と環境の虹技」を標榜する。主要顧客は国内電炉・高炉メーカー、国内外カーメーカー、造船・航空宇宙・エネルギー関連の産業機械メーカー等多岐にわたる。

ビジネスモデル

主力のCasting Fieldでは、鋳型・ロール・大型産業機械用鋳物等を受注生産する一方、デンスバーや小型鋳物の一部は見込み生産で対応し、安定的な稼働率を確保する。製品販売価格の是正(コスト転嫁)と原価低減・生産性向上を収益改善の両輪とする。

環境エンジニアリングは大型公共工事の請負、機能材料はKCメタルファイバーの多用途展開で収益を補完する構造。設備投資資金は長期借入金、運転資金は短期借入金で調達し、内部資金と組み合わせて賄う。

企業の強み

連続鋳造鋳鉄棒「デンスバー」は1967年の製造開始以来、製品品種拡大と品質維持向上を継続し、業界随一のシェアを有すると有報に記載されている。長年の製造実績と品種ラインアップの厚みが競合他社の模倣を困難にしており、国内外向けに安定的な売上を確保する基盤となっている。

長年にわたり培ったフルモールド鋳造法の技術を活用し、高難度の大型鋳物を製造する能力を有する。最新の流動・熱・応力連動解析(鋳造CAE)や砂型3Dプリンタを導入し、品質の高確度担保と開発リードタイム短縮を実現。海外の航空宇宙・エネルギー関連向け大型工作機械用鋳物の受注獲得に直結している。

2026年3月期末の自己資本比率は43.2%(前期42.6%)と安定的に推移し、純資産合計は19,352百万円に達する。金融機関10社と総額8,500百万円の特定融資枠契約を締結し、借入未実行残高3,600百万円を確保。

シンジケートローンの財務制限条項も現時点で抵触しておらず、財務的な機動性を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は618百万円(前期1,116百万円)と大幅に落ち込んだ。自動車用プレス金型鋳物の需要減退(国内カーメーカーの新型車開発計画延期・中止)、半導体製造装置向け需要の低調(子会社・小口合金鋳造所)、販売費及び一般管理費の増加(3,196百万円→3,413百万円)が主因。

前期に計上した受取保険金207百万円・災害損失249百万円の特殊要因剥落も利益水準を押し下げた。2027年3月期予想の営業利益640百万円は前期比3.4%増にとどまり、本格的な収益回復には時間を要する見通し。

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは881百万円と前期4,807百万円から急減した。売上債権及び契約資産の増加878百万円、仕入債務の減少211百万円が主因。

一方、有形固定資産取得による支出は1,565百万円(前期1,050百万円)に増加し、フリーキャッシュフローは実質的にマイナス圏。現金及び現金同等物の期末残高は2,418百万円(前期3,158百万円)に減少しており、短期借入金も7,183百万円(前期6,422百万円)に増加した。

2027年3月期の業績予想は売上高27,480百万円(前期比7.0%増)、営業利益640百万円(同3.4%増)と増収増益を見込む一方、経常利益570百万円(同14.8%減)、親会社株主帰属当期純利益400百万円(同15.0%減)と最終利益は減益予想。配当は1株当たり50円から40円へ引き下げ(配当性向32.8%)。

米国通商政策・中東情勢・物価高騰等の外部要因として不透明感が続く中、株主還元の縮小は投資家心理に対してネガティブに働く可能性がある。

成長戦略

第8次3カ年計画「Kaiを見出す」のもと省人化・脱炭素・人材育成の3点を重点課題として推進

第8次3カ年計画の重点課題として省人化を掲げ、設備投資を積極化。2026年3月期の有形固定資産取得支出は1,565百万円(前期1,050百万円)に増加しており、生産ラインの自動化・効率化による収益体質強化を目指す。

脱炭素を重点課題に位置づけ、環境エンジニアリングセグメントでの大型案件受注・工事進捗を推進。2026年3月期は徳島県海部郡の大型案件工事が進捗し売上高2,056百万円(前期1,893百万円)と増収となったが、セグメント損失は△89百万円(前期△44百万円)と赤字が拡大しており、収益化が引き続き課題。

「人材育成・技能(技術)継承 社員教育の充実 継承プログラムの実行」を第8次3カ年計画の重点課題として設定。熟練技能者の技術継承と次世代人材の育成を通じ、中長期的な製造競争力の維持・向上を図る。

原材料・電気料金等のコスト上昇に対応するため、製品の販売価格是正を継続推進。2026年3月期は売上原価が21,656百万円(前期22,003百万円)と減少したものの、販管費増加により営業利益率は2.4%(前期4.2%)に低下しており、価格転嫁の効果は限定的にとどまった。

最終更新: 2026年7月19日