事業内容
新日本電工は1925年創業の合金鉄メーカーで、2014年に中央電気工業と経営統合し現社名に改称。フェロマンガン・シリコマンガン等の合金鉄製造・販売(連結売上高の約63%)を中核に、酸化ジルコニウム・水素吸蔵合金等の機能材料、電気炉による焼却灰溶融固化処理、水処理装置、水力発電の5事業を展開する。
主要顧客は日本製鉄(売上高の56.6%)を筆頭とする鉄鋼メーカーのほか、電子部品・電池材料メーカー、自治体等に及ぶ。東証プライム上場。
連結売上高77,277百万円(2025年12月期)。
ビジネスモデル
主力の合金鉄事業は鉄鋼生産向けに製品を供給し、マンガン鉱石等原料市況と製品市況の差益で収益を得る構造。一方、焼却灰資源化事業は自治体から処理費を受領しつつ溶融メタルの貴金属回収で付加収益を得る安定型モデル。
機能材料事業は電子部品・電池材料向けの高機能素材販売、電力事業はFIT制度による長期固定価格売電で安定収益を確保する。合金鉄市況の影響を受けにくいポートフォリオ構築が中期経営計画の核心課題となっている。
企業の強み
焼却灰資源化事業は売上高8,886百万円・経常利益2,074百万円(経常利益率23.3%)と高収益を維持。2025年12月期は前年比増収46.9%増益を達成。2030年までに溶融炉を現状4基から7基体制へ拡張する計画を決定済みで、5号炉新設・6号炉共有設備建設が具体化している。
酸化ジルコニウム・酸化ほう素・フェロボロン・水素吸蔵合金等、地政学リスク回避に貢献するオンリーワン商品を保有。2025年12月期は電子部品向け在庫調整解消と車載用水素吸蔵合金の増加により売上高14,819百万円(前年比6.0%増)・経常利益1,923百万円(同16.1%増)を達成した。
2025年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは14,569百万円(前年5,958百万円から大幅増)。在庫圧縮(棚卸資産7,840百万円減少)が奏功し、有利子負債は13,826百万円まで削減。純資産71,025百万円に対し負債合計22,388百万円と財務レバレッジは低水準を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は65,978〜79,341百万円のレンジで推移し、2025期は77,277百万円と横ばい圏。営業利益は2022期8,815百万円をピークに2025期5,161百万円まで低下し、当期利益は2025期1,418百万円と5年来最低水準に落ち込んでいた。
2026年12月期第1四半期は売上高19,422百万円(前年同期比+0.2%)、営業利益1,998百万円(同+97.0%)、経常利益1,126百万円(同+194.2%)と利益面で急回復。外部要因として欧州高炭素フェロマンガン市況が2026年1Q 1,291$/tと前年同期1,151$/tを上回り、為替も157円/$と円安が追い風。
自社要因として焼却灰資源化事業の処理量増加と合金鉄事業の操業改善が利益拡大を牽引した。通期経常利益予想7,000百万円は前期比158.9%増と高い目標だが、マンガン鉱石市況上昇による在庫影響のプラス転換が前提となっている。
成長戦略
合金鉄依存脱却と環境・機能材料の成長加速で2030年売上高110,000百万円・経常利益13,000百万円を目指す
2030年までに溶融炉を現行4基から7基体制へ拡張する設備投資計画を決定。5号炉新設・6号炉共有設備建設を推進中。2026年1Q売上高2,718百万円・実力ベース経常利益889百万円と急拡大しており、通期実力ベース経常利益3,500百万円(前期比+1,400百万円)を見込む。
AIデータセンター市場成長を背景とした電子部品関連(酸化ジルコニウム・酸化ほう素)の販売数量増加を継続。一方、電池材料需要低迷によりOEM受託製造が2026年3月終了。
次世代電池材料の研究開発成果具体化が中期計画達成の鍵となる。通期実力ベース経常利益は前期比900百万円減の1,300百万円を見込む。
カーボンフリー合金鉄製造に向けた研究開発を推進し、長期的な競争力強化を図る。海外合金鉄事業(Pertama Ferroalloys)では水力発電グリーン電源の優位性を活かした市場開拓と収益改善策を実施。2026年通期の実力ベース経常損失を前期△1,000百万円から△700百万円へ圧縮見込み。
合金鉄製品市況・為替の期初想定超えと焼却灰処理量増加・マンガン鉱石市況上昇による在庫影響プラス転換を受け、通期業績予想を修正。売上高80,000百万円(前期比+3.5%)、経常利益7,000百万円(前期比+158.9%)を見込む。第2四半期以降の為替前提は155円/$。
最終更新: 2026年7月17日

