事業内容
丸一鋼管は1947年創業の鋼管専業メーカーで、当社・連結子会社18社・持分法適用関連会社3社を含む計28社で構成される。国内では溶接鋼管・ステンレス鋼管・角鋼管・異形管を製造し、建築・自動車・農業・エネルギー分野に供給する。
北米では米国4拠点・メキシコ1拠点・ステンレス管1拠点の計6拠点を展開し、アジアではベトナム・インド・フィリピンで鋼管および表面処理鋼板を製造販売する。2026年3月期の連結売上高は243,764百万円で、日本59%・北米22%・アジア18%の構成比となっている。
ビジネスモデル
収益の最大ドライバーは鋼管販売価格と材料コイル仕入価格の値差(スプレッド)の管理にある。原材料コイルを調達し、各地域の工場で溶接・冷延・表面処理等の加工を施した鋼管を製造し、建築・自動車・半導体・エネルギー等の需要家に販売する。
国内は自社直販と丸一鋼販経由の二重チャネルを持ち、海外は現地法人が直接販売する。スプレッド確保・在庫適正管理・コスト転嫁が利益水準を左右する。
企業の強み
国内主要工場(堺・名古屋・東京・詫間・下関等)に加え、米国4拠点・メキシコ1拠点・ベトナム2拠点・インド・フィリピンの計10超の海外拠点を保有。特定地域の需要変動リスクを分散しつつ、各地域の自動車・建築・半導体等の需要を取り込む多極体制を実現している。
2026年3月期末の借入金残高は短期35億9千9百万円・長期7億8千7百万円と極めて低水準である一方、現金及び現金同等物は886億8千2百万円を確保。純資産3,619億3千6百万円・総資産4,223億7千4百万円の財務基盤を背景に、第7次中計で3年間1,300億円の投資計画を自己資金中心で実行できる財務余力を持つ。
2020年にコベルコ鋼管(現丸一ステンレス鋼管)を子会社化しステンレス事業を内製化。下関の丸一ステンレスパークにステンレス溶接鋼管工場・大型プレス工場を建設中(2025年7月・9月着工)。
また造管機メーカーと共同開発した次世代造管機(名古屋工場6インチミル)が2025年9月末から稼働し、省力化・自動化・AI活用による生産効率向上を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期273,416百万円をピークに3期連続減収となり、2026年3月期は243,764百万円(前期比6.8%減)。日本セグメントは需要低迷・単価下落で減収、アジアはSUNSCO社のアンチダンピング問題による表面処理鋼板輸出急減が響いた。
一方、北米は米国HRC価格の高値安定(外部要因)と前期在庫評価損の剥落により大幅黒字転換し、連結営業利益は32,043百万円(前期比39.8%増)・営業利益率13.1%(前期8.8%)へ改善。ただし特別利益(投資有価証券売却益)が前期比約12,000百万円減少したため、親会社帰属純利益は26,676百万円(前期比1.3%減)にとどまった。
2027年3月期は売上高274,500百万円(前期比12.6%増)・営業利益36,900百万円(同15.2%増)を予想するが、純利益は25,700百万円(同3.7%減)と特別利益縮小を見込む。
成長戦略
ステンレス事業拡大・海外成長市場投資で第7次中計最終年度の主要施策を着実に実行
下関の丸一ステンレスパークにて、丸一鋼管としてステンレス溶接鋼管工場(2025年7月着工)、丸一ステンレス鋼管㈱として大型プレス工場(2025年9月着工)を建設中。竣工後は高採算ステンレス製品の生産能力を増強し、半導体・自動車向け需要回復を取り込む計画。
女性も扱える次世代造管機を造管機メーカーと共同開発し、名古屋工場3号機(6インチミル)として2025年9月末より稼働開始。職場労働環境の改善(エアコン設置等)も並行して推進し、生産性向上と人材確保に寄与。
インドKUMA社でグジャラート工場を新設し2インチミル生産設備を導入、2025年4月より稼働開始。四輪市場の急回復と環境規制強化による商用車向け大径排気管需要増に対応し、販売数量は前期比14.5%増を達成。競争激化による価格下落が課題。
フィリピンMPST社で2インチミルを増設し2026年1月より稼働、新設第2工場からの出荷も純増。二輪メーカーの現地生産拡大を背景に販売数量は前期比19.8%増と高成長を継続。自動高速切断機の導入による生産性向上も実施。
メキシコMaruichimex社でモンテレーに第2工場を新設し、自動車以外の鋼管需要分野開拓の営業体制を強化。日系自動車メーカーへの関税影響は軽微とされ、販売数量の増加を見込む。立ち上げを急ぐ方針。
国内単体において基幹系システムの刷新を予定。営業・生産・間接部門の業務効率化等の生産性向上を図り、コスト競争力の強化につなげる。
最終更新: 2026年7月19日

