事業内容
美濃窯業は1918年創業の耐火物・セラミックスメーカーで、岐阜県瑞浪市を本拠地とする。主力の耐火物セラミックス事業ではセメント業界向け耐火煉瓦・不定形耐火物の製造販売に加え、電子部品・半導体産業向けキルンファニチャー等のセラミックス製品を展開する。
プラント事業では工業炉の設計・製造・施工および耐火物エンジニアリングを提供し、子会社・岩佐機械工業を通じたロータリーキルン事業も手掛ける。建材及び舗装用材事業では塗床材・景観舗装材の販売・施工を行い、不動産賃貸事業が安定収益を補完する。
2024年3月には東京証券取引所スタンダード市場にも上場し、顧客基盤は素材・化学・建設・インフラ等の幅広い産業に及ぶ。
ビジネスモデル
耐火物の自社製造から炉の設計・施工・メンテナンスまでを一貫して提供することで、製品販売と工事・サービス収益を複合的に積み上げる。価格改定による原燃料コスト転嫁を継続的に推進しながら、セラミックス分野の新規顧客開拓やリサイクル・受託加工事業の拡充で収益基盤を多様化する。
不動産賃貸事業(利益率約49.4%)が安定的なキャッシュを創出し、グループ全体の収益を下支えする構造となっている。
企業の強み
太平洋セメントへの販売実績は2026年3月期に2,094百万円(売上高比13.0%)に達し、前期の1,254百万円(8.3%)から大幅に拡大した。耐火物セラミックス事業の受注残高は2,795百万円(前期比106.0%)と積み上がっており、既存顧客との継続的な取引関係が安定した受注基盤を形成している。
プラント事業は2026年3月期に売上高6,430百万円・セグメント利益率11.4%を達成し、グループ内で最も高い利益率を誇る。工業炉の設計から耐火物施工まで一貫提供できる体制に加え、世界トップクラスのセメント設備メーカーであるFuller Technologies社の日本販売店資格を保有し、差別化された技術サービスを提供している。
2026年3月期末の自己資本比率は70.8%(前期末比2.8ポイント増)、純資産15,771百万円に対し有利子負債残高は1,410百万円にとどまる。現金及び現金同等物は4,877百万円を確保しており、営業キャッシュフローは2,186百万円(前期比81.6%増)と潤沢で、設備投資・株主還元を自己資金で賄える財務体力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結業績は売上高16,154百万円(前期比7.3%増)、営業利益1,600百万円(同1.5%増)、経常利益1,689百万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,250百万円(同2.7%増)と5期連続増収・2期連続最高益を更新。耐火物セラミックス事業(売上高前期比11.6%増)とプラント事業(同12.9%増)が牽引した一方、建材及び舗装用材事業は万博開催による一時的需要減等で同11.4%減。
外部要因として原燃料価格高騰が継続したが、価格転嫁の推進で吸収。営業CFは2,186百万円(前期比81.6%増)と大幅改善。
2027年3月期会社予想は売上高16,500百万円(同2.1%増)、営業利益1,900百万円(同18.7%増)と利益面での加速を見込む。
成長戦略
「Take off」計画で耐火物セラミックス転換・プラント海外展開・配当性向40%を目指す
電子部品・半導体産業向けセラミックス(キルンファニチャー等)の供給体制強化と新規取引先開拓を推進。リサイクル事業・受託加工事業の拡充により収益基盤を多様化。2026年3月期は同セグメント売上高前期比11.6%増・利益前期比23.0%増と順調に進捗。
次世代省エネルギー型工業炉の営業活動と新分野開拓による売上拡大を推進。子会社・岩佐機械工業とのシナジー効果を高め生産性向上を図る。海外販路拡大も推進中。2026年3月期は売上高大幅増収も労務費上昇で利益率が低下しており、施工管理体制の見直しが急務。
次世代インフラ分野などの新市場開拓を推進するとともに、業務運営のデジタル化による効率化と生産性向上を図る。2026年3月期は万博開催による一時的需要減で売上高前期比11.4%減となったが、価格改定推進とコスト削減で利益への影響を最小限に抑制。
中期経営計画(2025-27年度)において、最終年度(2028年3月期)に配当性向40%程度を目指す方針を明示。2026年3月期は年間配当42円・配当性向34.5%、2027年3月期予想は52円・配当性向38.1%と目標に接近中。
最終更新: 2026年7月19日

