事業内容
日本坩堝株式会社は1885年創業の老舗耐火物・工業炉メーカーで、創業141年の歴史を持つ。黒鉛坩堝・定形・不定形耐火物の製造販売を行う耐火物事業(売上高比率50.9%)、各種工業炉の設計施工・環境工事を担うエンジニアリング事業(同40.8%)、不動産賃貸・太陽光発電の不動産事業(同3.7%)、塗料循環装置のその他事業(同4.6%)の4セグメントで構成される。
主要顧客は自動車関連産業・鋳造業・鉄鋼業で、国内外の製造業を幅広く支える素材・設備インフラ企業である。連結売上高は10,221百万円(2026年3月期)。
ビジネスモデル
耐火物事業では黒鉛坩堝・定形・不定形耐火物を自社製造し、鋳造・鉄鋼市場へ販売する。エンジニアリング事業では工業炉の設計・施工から炉修・メンテナンス工事まで一貫対応し、設置後の継続的サービスで収益を積み上げる。
自社製耐火材を工業炉に活用するグループ内シナジーが競争優位を形成。不動産事業(営業利益率55.1%)が安定キャッシュフローを供給し、研究開発・設備投資の原資を補完する構造となっている。
企業の強み
業界最新・最大級の成形設備「CIP(冷間等方圧プレス)」を保有し、高圧縮ルツボや大型ルツボ等の高付加価値製品を効率的に製造できる。大型CIPに続き大型焼成炉も新規導入し、生産性・品質性能が大幅に向上。自社製品製造に加え受託サービスも展開しており、設備優位が競合との差別化要因となっている。
耐火物の製造から工業炉の設計・施工、炉修・メンテナンス工事まで自社グループで一貫対応できる体制を持つ。自社製耐火材を工業炉に活用できる点が競合との差別化要因であり、眞保炉材工業・三友築炉・中橋保温工業所の子会社群がエンジニアリング事業の対応力を補完している。
2026年3月期のエンジニアリング事業営業利益は605百万円と前年比34.4%増加した。
不動産事業(建物・駐車場賃貸、太陽光発電)は2026年3月期売上高379百万円に対し営業利益209百万円、営業利益率55.1%の高収益セグメントである。景気変動の影響を受けにくい安定収益源として機能し、グループ全体の財務基盤を下支えしている。自己資本比率は51.3%と健全な財務体質を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2027年3月期1Qは売上高2,739百万円(前年同四半期比16.4%増)、営業利益115百万円(同+111.2%)、経常利益151百万円(同+95.1%)と大幅増収増益を達成した。前期(2026年3月期)は耐火物事業の悪化により営業利益が前期比13%減の410百万円となっていたが、1Qはエンジニアリング事業の大型案件進捗が業績を押し上げ、増益基調に転じた。
ただし主力の耐火物事業の営業利益は前年同期比で減少が継続しており、増益の質はセグメント間で不均衡。総資産は12,103百万円(前期末比+3百万円)とほぼ横ばい、自己資本比率は50.9%(前期末51.3%)とやや低下した。
成長戦略
耐火物・工業炉の総合ソリューション力を軸に、2040年経常利益2,000百万円・売上高200億円を目指す
CIP技術を活用した省エネ・脱炭素対応新製品の拡販を推進。1Qは耐火物事業売上高が前年同四半期比10.7%増加したが、営業利益は減少しており収益化は途上。
工業炉の大型案件進捗と環境・工事事業における民間焼却設備の受注増が1Q業績を牽引。中橋保温工業所の子会社化によるシナジーも進展中。
中国合弁会社「久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司」を通じた耐火物事業の海外展開を進め、電子デバイス・EV向け誘導炉等の新市場開拓を目指す。
最終更新: 2026年8月6日

