事業内容
SECカーボン株式会社は1934年創業の炭素製品専業メーカーで、東京証券取引所スタンダード市場に上場。アルミニウム製錬用カソードブロック(売上高の70.6%)、人造黒鉛電極(14.5%)、特殊炭素製品(11.7%)、ファインパウダー及びその他炭素製品(3.2%)の4製品群を展開する。
主力の京都工場(福知山市)と岡山工場の2拠点で製造し、住商CRM株式会社を主要販売先(売上高の66.6%)として国内外のアルミニウム製錬会社・電炉製鉄会社・工業炉メーカー等に供給する。子会社3社・関連会社1社を含むグループで事業を展開している。
ビジネスモデル
ユーザーの生産動向をベースとした見込生産を基本とし、一部受注生産を組み合わせる製造販売モデル。原材料調達から製造・販売まで一貫して自社グループで担い、2025年3月期の営業利益率は21.9%と高水準を維持する。
設備投資資金は内部資金で賄う財務健全性を持ち、自己資本比率は90.7%に達する。主要販売先の住商CRM株式会社を通じた販売チャネルを活用しつつ、投資有価証券からの受取配当金等が営業外収益にも貢献している。
企業の強み
2025年3月期の営業利益率は21.9%と高水準を維持。自己資本比率は前期の83.0%から90.7%へ上昇し、総資産81,395百万円に対し純資産73,801百万円を確保。設備投資資金を全額内部資金で賄える財務健全性を有する。
1986年の協和カーボン合併によりカソードブロック製造を開始し、世界標準の黒鉛化カソードブロックとして実績を積み上げてきた。2025年3月期においても売上高22,002百万円と全体の70.6%を占める主力製品として確固たる地位を維持している。
1934年創業以来90年超にわたる炭素材料の製造・評価技術を保有。2025年3月期の研究開発費は555百万円で、リチウムイオン二次電池用ファインパウダー、高温工業炉用部材の長寿命化、CO₂資源化(溶融塩電解技術)など次世代領域の研究を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の37,307百万円をピークに2025年3月期31,179百万円、2026年3月期25,101百万円と2期連続で大幅減収。営業利益も10,217百万円→6,823百万円→4,008百万円と急速に悪化した。
2026年3月期は減損損失6,063百万円の計上により当期純損失74百万円と最終赤字に転落。外部要因として、アルミ製錬用カソードブロックの在庫調整長期化と粗鋼生産の低迷が主因。
一方、営業CFは7,766百万円と前期比大幅改善しており、未収消費税等の回収(799百万円)等が寄与した。訂正後の連結CF計算書では未収消費税等の増減額が593百万円から799百万円に、その他が736百万円から530百万円に修正されたが、営業CF合計7,766百万円に変更はない。
成長戦略
「サステナブル2026」三本柱(成長基盤強化・経営体質強化・資本政策推進)で持続成長を目指す。
建物・機械装置等への継続的な設備投資(2026年3月期:有形固定資産取得3,567百万円)により、需要回復局面での供給能力確保を図る。減価償却費は2,048百万円と前期比大幅増加しており投資フェーズが継続中。
日本電極株式会社を持分法適用会社化し、人造黒鉛電極分野での事業連携を深化。当期は持分法投資損失16百万円を計上しており、収益貢献は道半ばだが事業基盤の拡充は進展している。
最終赤字の中でも配当金支払額2,004百万円を維持し株主還元姿勢を堅持。投資有価証券取得1,959百万円と運用資産の積み上げも継続しており、受取配当金等の営業外収益が収益を補完する構造を強化している。
最終更新: 2026年7月17日

