事業内容
株式会社トーヨーアサノは、1997年に東洋パイルヒューム管製作所と東扇アサノポールが合併して誕生したコンクリートパイル専業メーカーである。東京工場(東京都西多摩郡瑞穂町)を主力生産拠点とし、コンクリートパイルの製造・販売・工事請負を行う基礎事業と、静岡県沼津市の旧工場跡地を活用したホームセンター等への不動産賃貸事業の2セグメントで構成される。
主力商圏は関東および静岡で、設計事務所・ゼネコン・販売会社を主要顧客とする。東京証券取引所スタンダード市場および名古屋証券取引所メイン市場に上場。
ビジネスモデル
基礎事業では、東京工場でコンクリートパイルを自社製造し、販売会社・ゼネコン等を通じて販売するとともに、付随する工事請負も手掛けることでバリューチェーン全体をカバーする。セメント資材・継手金具は子会社㈱東商から調達し、出荷・構内作業はTAパイル製造㈱が担う。
不動産賃貸事業では、旧沼津工場跡地に建設した大型貸店舗をホームセンター等に賃貸し、長期契約に基づく安定的な賃料収入を得る低コスト構造を維持している。
企業の強み
HyperストレートNT工法の同業パイルメーカーへの技術供与・広域展開を推進するとともに、主力工法(MRXX工法・Hyperストレート工法・Hyper-NAKSⅡ工法)に用いる高強度パイル(RANK-PHC・RANK-STパイル)の許認可取得を完了。主力工法の能力を最大限発揮できる体制を構築した。
研究開発費は2026年2月期107百万円を投下。
コンクリートパイル全国出荷量が2022年度比で大幅減少する厳しい市場環境下においても、物件別採算管理・コスト削減・予算管理強化を組み合わせたReform戦略を継続実施。2025年2月期の売上総利益率は18.9%と前期(18.6%)から改善し、売上高が減少する中でも利益率の維持・向上を実現した。
2002年に閉鎖した沼津工場跡地に大型貸店舗を建設し、ホームセンター(㈱カインズ)等の生活インフラ型テナントへ賃貸。2026年2月期の不動産賃貸事業売上高198百万円・営業利益120百万円(営業利益率約60%)と高収益かつ景気耐性の高い安定収益源として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年2月期17,760百万円をピークに5期連続で減少し、2026年2月期は11,691百万円まで縮小。2027年2月期第1四半期も3,464百万円(前年同期比1.7%減)と減収が続く。
営業利益は2024年2月期923百万円をピークに急落し、2026年2月期は102百万円まで悪化。当期Q1の営業利益55百万円(同26.8%減)は、販管費の増加(前年同期468百万円→511百万円)が売上総利益の改善(同544百万円→567百万円)を上回ったことによる。
外部要因として、主力商圏の関東地区でコンクリートパイル需要が前年同期を大幅に下回ったことが減収の主因。通期では売上高13,500百万円(前期比15.5%増)を予想しており、物件着工の後ずれ解消と需要回復が前提となっている。
成長戦略
Reform戦略で利益率を安定化しつつAdvance戦略で中長期競争力を強化
物件単位での採算管理を強化し、損益分岐点の引き下げを推進。2027年2月期Q1において基礎事業セグメント利益が前年同期比13.0%増と成果が顕在化しており、売上減少局面でも利益を確保する体制が整いつつある。
第8次中期経営計画(2025〜2027年度)のAdvance戦略として、中長期的な事業競争力強化に向けた技術開発・人材育成・事業基盤整備を推進。無形固定資産が前期末417百万円から457百万円へ増加しており、投資が継続している。
㈱三好商会への自己株式処分を通じた資本関係強化により、神奈川地区を中心とした関東一円での営業協力体制を構築。ただし2027年2月期Q1において関東商圏の需要は前年同期を大幅に下回っており、効果の顕在化は今後の課題。
最終更新: 2026年7月17日

