事業内容
日本ヒューム株式会社は1925年創業、東証プライム上場の総合コンクリートメーカーである。主力の基礎事業ではコンクリートパイルの製造・販売および杭打工事を展開し、下水道関連事業ではヒューム管・セグメントの製造販売に加え管渠更生工事まで一貫提供する。
太陽光発電・不動産事業では安定的なキャッシュを創出し、グループ全体で連結子会社12社・関連会社6社を擁する。主要顧客は公共機関・ゼネコン・地方自治体であり、老朽化インフラの更新・耐震化・国土強靱化という構造的需要を主な事業基盤とする。
2026年3月期の連結売上高は40,240百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
コンクリートパイルやヒューム管等の製品製造を起点に、設計・施工・点検・維持管理までをグループ内で完結させる垂直統合型の収益構造を持つ。製品販売による売上に加え、工事請負・管渠更生工事・インフラ点検サービスを組み合わせることで単価向上と顧客囲い込みを実現する。
太陽光発電・不動産事業(営業利益率58.7%)が安定キャッシュを供給し、成長投資を支える構造となっている。
企業の強み
NEW-STJⅡ工法・CP-X工法等の独自中掘工法、ICT施工管理システム「Pile-ViMSys」を保有し、難条件現場への対応力を有する。2026年2月のマナック株式会社子会社化により中部地区で製造から施工までの一体体制を構築。
下水道分野でも調査・診断から更生工事まで一貫提供できる体制を整備している。
2026年3月期の下水道関連事業は売上高14,356百万円(前期比+11.9%)、営業利益2,608百万円(同+34.8%)と大幅増収増益を達成。低炭素型コンクリート「e-CON」のNETIS登録・環境大臣賞受賞、株式会社Liberawareとの資本業務提携によるドローン点検技術の取り込みなど、製品・サービスの差別化を継続的に推進している。
2026年3月期の基礎事業受注高は34,233百万円(前期比+60.8%)、受注残高は12,482百万円(前期比+390.3%)と急増。都市再開発・物流施設・データセンター・国土強靱化関連案件を幅広く取り込んでおり、複数工法の提案力が受注拡大に寄与している。
この受注残高は今後の売上・利益の安定的な確保につながる先行指標となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期29,501百万円から2026年3月期40,239百万円へ5期間で約36%増加。営業利益は2023年3月期に1,236百万円まで落ち込んだ後、2026年3月期には2,523百万円と約2倍超に回復。
営業利益率は5.5%(2025年3月期)→6.3%(2026年3月期)へ改善。外部要因として老朽化インフラ更新需要・国土強靱化予算の底堅い推移が追い風。
下水道関連事業の増収増益(売上高+11.9%、営業利益+34.8%)が全体を牽引し、基礎事業の大型案件反動減を吸収。持分法投資損益889百万円が経常利益(3,799百万円)を下支えし、経常利益率6.0%を確保した。
成長戦略
新中計「26-30計画/NEXT100」で下水道関連事業を中核に製品・施工・点検の一体提供体制を構築
ヒューム管製造・販売から管渠更生工事、ドローン活用点検・診断(Liberawareとの資本業務提携)までを一体提供する体制を強化。低炭素型「e-CON」のNETIS登録・環境大臣賞受賞により公共工事での採用拡大を図る。
2026年3月期に営業利益2,608百万円(前期比+34.8%)を達成し、グループ最大の成長ドライバーとして機能。
マナック株式会社の子会社化(2026年3月期第4四半期)により中部地域での製造〜施工一体体制を構築し、従来の成長制約を解消。ICT施工管理システム「Pile-ViMSys」の活用拡大と国内最高強度級超高強度コンクリートパイルの開発により技術差別化を推進。
大阪IR関連案件の出荷開始により大型民間案件への対応実績を蓄積。
成長投資加速と資本効率向上を目的として自己株式売却(収入5,794百万円)を実施。調達資金をM&A・成長領域投資の原資として活用する方針。
自己資本比率75.7%の財務健全性を維持しつつ、総還元性向50%以上を目安とした株主還元(2027年3月期配当予想26円/株、配当性向39.0%)との両立を図る。
2026年度〜2030年度の5か年計画を策定(2026年5月8日公表)。下水道関連事業を成長中核に位置づけるとともに、基礎事業の競争力強化・プレキャスト事業の拡大を通じて事業ポートフォリオをさらに高度化。
製品供給型からインフラマネジメント型ビジネスへの転換を明確化。2027年3月期は売上高45,500百万円・営業利益2,900百万円を見込む。
最終更新: 2026年7月19日

