事業内容
株式会社Arentは「暗黙知を民主化する」をミッションに掲げ、主に建設業界・プラントエンジニアリング業界の大手企業に対してDXコンサルティング・システム開発を提供する。コンサルティングから本開発・継続開発まで一気通貫で支援する「プロダクト共創開発」を主軸とし、高砂熱学工業等の大手顧客と長期継続契約を結ぶ。
加えて、自社開発・M&A取得による建設業界特化ソフトウエア(Lightning BIMシリーズ、PlantStream®、構造計算ソフト等)のライセンス販売も展開。2023年3月に東証グロース市場へ上場し、M&Aによるプロダクト群拡充を加速させている。
国内建設投資約75兆円を背景に、BIM原則化・時間外労働上限規制という法規制の追い風を受ける成長市場に位置する。
ビジネスモデル
主力のプロダクト共創開発では、PoCから本開発(約24ヶ月)を経て継続開発フェーズへ移行し、年間50百万円~数億円規模の継続的な受注を獲得する準委任契約モデルを採用。プロダクト事業では、M&Aで取得した建設業界特化SaaSのライセンス販売により、顧客数×ユーザー数の積み上げ型収益を目指す。
2025年6月期の売上高営業利益率は42.0%と高水準を維持しており、労務費中心のコスト構造が高粗利を支えている。
企業の強み
売上高は2023年6月期2,022百万円→2024年6月期2,940百万円→2025年6月期4,029百万円と3期連続で30%超成長。営業利益率は2024年6月期42.1%、2025年6月期42.0%と極めて高い水準を維持しており、ソフトウエア開発会社として際立った収益性を示している。
主要顧客の高砂熱学工業株式会社との取引は2025年6月期に1,239,233千円(売上高比30.8%)を占め、継続開発フェーズへ移行した案件が安定的な収益を生み出している。売掛債権の回収期間も1〜2ヶ月程度と短く、キャッシュ創出力も高い。
PlantStream®(1分間に1,000本の配管自動設計)やLightning BIM自動配筋など、建設・プラント業界の高度な暗黙知をシステム化した独自プロダクトを複数保有。BIM/CIM原則適用・時間外労働上限規制という法規制の追い風を受ける領域で、競合が参入困難なニッチ技術を蓄積している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計の売上高は3,858百万円(前年同期比22.6%増)と成長を継続。ただし成長率は前年同期の44.0%から鈍化。
営業利益は475百万円(同69.3%減)と急落し、販管費の約3倍増(588百万円→1,695百万円)とのれん償却費の急増(16百万円→176百万円)が主因。一方、当期純利益はPlantStream吸収合併に伴う繰延税金資産計上(税務上の一時効果)により1,237百万円(同158.2%増)と急増。
過去3期の売上高推移(2023期2,022百万円→2024期2,940百万円→2025期4,029百万円)と比較すると、M&A戦略加速により規模拡大は続くが、収益性の一時的な悪化局面にある。外部環境として建設業界のDX需要は継続的に高まっており、DX事業の受注は堅調に推移している。
成長戦略
DX事業の堅実拡大・M&Aによるプロダクト群構築・AI実装の三位一体推進
建設業界大手からの開発受注が順調に増加し、DX事業売上高は2,756百万円(前年同期比7.6%増)と堅調。事業成長に備えた組織体制整備等の先行投資を実行しながら、セグメント利益率36.3%の高水準を維持している。
第3四半期累計期間にスタッグ・建設ドットウェブ・アサクラソフト・レッツの4社を株式交換で子会社化。プロダクト事業売上高は1,254百万円(前年同期107百万円)へ急拡大し、のれん増加額は1,991百万円。取得原価の配分は暫定値であり、最終確定後の影響に注意が必要。
「Lightning BIM AI Agent」(意匠設計の操作負荷軽減)および株式会社大林組と共同開発したAI実装スマート工程ソフト「PROCOLLA」をリリース。AI技術を自社プロダクトに実装することで差別化と付加価値向上を図っている。
第3四半期連結累計期間よりのれん償却前営業利益を重要経営指標として追加。3Q累計実績は651百万円(前年同期比58.3%減)、通期予想は1,353百万円。M&A拡大に伴うのれん償却負担を除いた実質的な収益力を投資家に示す開示姿勢を明確化した。
最終更新: 2026年7月17日

