事業内容
株式会社オハラは1935年創立の光学ガラス・特殊ガラス素材の専業メーカーで、東京証券取引所スタンダード市場に上場。光事業(光学ガラス素材・レンズ材)とエレクトロニクス事業(半導体・FPD露光装置向け高機能ガラス素材)の2セグメントを展開する。
国内外に9子会社・1関連会社を持ち、台湾・マレーシア・中国・米国・ドイツに製造・販売拠点を構える。主要顧客はキヤノン株式会社(売上高の12.7%)をはじめとするカメラメーカー・半導体装置メーカーで、セイコーグループ株式会社も株主として名を連ねる。
2025年10月期の連結売上高は28,895百万円。
ビジネスモデル
当社は光学ガラス・特殊ガラスの素材設計から製造・販売までを一貫して担う。国内拠点で素材を生産し、海外子会社(台湾・マレーシア・中国)で加工・販売を行う分業体制を採る。
光事業では光学プレス品・光学ブロック品を、エレクトロニクス事業では特殊ガラス・石英ガラスを販売。約90年の材料設計ノウハウを競争優位の源泉とし、高付加価値製品の供給で収益を得る。
企業の強み
1935年創立以来、約90年にわたり光学ガラス・特殊ガラスの製造を継続。この蓄積を基盤に、高屈折率ガラス・極低膨張ガラスセラミックス・石英ガラス・リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス(LICGC™)など多様な高機能素材を開発・量産する技術力を有する。
2025年10月期のエレクトロニクス事業は売上高13,585百万円に対し営業利益2,593百万円、営業利益率19.1%を達成。半導体露光装置向け在庫調整の影響で前期比12.9%減益となったものの、グループ全体の収益を支える高収益セグメントとして機能している。
台湾・マレーシア・中国・米国・ドイツ・香港に子会社を持ち、製造から販売まで国際的な体制を構築。2025年10月期の光事業受注残高は5,294百万円(前期比125.1%増)と積み上がっており、グローバルな顧客基盤からの需要を取り込んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期23,522百万円→2022期28,305百万円をピークに横ばい圏で推移し、2025期28,896百万円。2026年10月期は通期予想31,900百万円(前期比10.4%増)と加速の兆しがある。
一方、営業利益は2022期2,977百万円をピークに低下が続き、2025期1,794百万円。2026年10月期中間期は533百万円(前年同期比49.3%減)と大幅悪化。
外部要因として円安進行(ユーロ前年同期比21.88円安)が為替差益をもたらし経常利益を下支えしたが、原材料費高騰・増値税還付廃止・製品ミックス悪化が売上総利益を圧迫。通期営業利益予想1,800百万円は前期実績1,794百万円とほぼ同水準にとどまる見込み。
成長戦略
既存事業の構造改革とAI・XR・固体電池向け新規事業立ち上げによる収益構造転換
適正利益確保に向けた価格改定を実施し、高単価な川下製品(光学ブロック品)の売上拡大を推進。2026年10月期中間期の光学ブロック品売上高は1,599百万円(前年同期比20.6%増)と伸長し、光事業の営業損失は167百万円へ縮小(前年同期387百万円の損失から改善)。
台湾工場に専用熔解炉を立ち上げ、AIサーバー向けプリント基板用低誘電ガラスの供給能力を拡充。2026年10月期中間期において特殊ガラス売上高は4,225百万円(前年同期比8.5%増)と増加しており、データセンター投資拡大という外部要因を取り込む体制が整いつつある。
データセンター投資拡大を背景とした光通信機器向け製品の需要拡大に対応するため、エレクトロニクス事業の販売体制を強化。2026年10月期通期業績予想の上方修正(売上高+2,000百万円)の主要因の一つとして会社側が明示。
ARグラス用ガラス素材の開発推進や固体電池向け素材の研究開発を通じ、既存カメラ・半導体市場への依存度低減を図る中長期的な収益構造転換策。現時点では決算短信に具体的な売上貢献の記載はなく、開発段階にある。
東南アジアでの付加価値製品の供給・販売体制強化を推進。また2025年12月の取締役会決議に基づき自己株式630,000株を取得(677百万円)し、株主還元を実施。年間配当は25円(前期同額)を維持する方針。
最終更新: 2026年7月17日

