事業内容
三ツ星ベルト株式会社は1919年創業、神戸に本拠を置くベルト専業メーカーである。当社グループは国内ベルト事業・海外ベルト事業・建設資材事業・その他の4セグメントで構成され、自動車用タイミングベルト・産業機械用伝動ベルト・搬送ベルト・防水シートなど多様な製品を製造・販売する。
連結子会社25社を擁し、インド・米国・タイ・インドネシア・中国・欧州など世界各地に製造・販売拠点を展開。主要顧客は自動車メーカー・農業機械メーカー・物流業界・建設・土木業界など多岐にわたり、2026年3月期の連結売上高は92,298百万円に達する。
ビジネスモデル
国内では三ツ星ベルト販賣㈱を中心とした販売網、海外では各地域の製造・販売子会社を通じて製品を供給する垂直統合型モデルを採用。自動車用・産業機械用ベルトが売上の約87%を占め、新車向けと補修向けの二軸で安定的な需要を確保する。
国内ベルト事業のセグメント利益率は25.3%と高水準であり、研究開発費3,332百万円を投じた技術力が収益の源泉となっている。
企業の強み
2026年3月期の国内ベルト事業は売上高28,975百万円に対しセグメント利益7,338百万円、利益率25.3%を達成。農業機械・ロボット向け伝動ベルトや物流向け樹脂コンベヤベルトなど多様な用途への製品展開が高収益構造を支えており、競合が模倣困難な材料・評価技術の蓄積が背景にある。
インド・米国・タイ・インドネシア・中国・欧州など世界各地に製造・販売子会社を展開し、海外売上高は50,787百万円と連結売上の約55%を占める。EPS等電動ユニット駆動用タイミングベルトや電動二輪車向け後輪駆動用ベルトなど電動化対応製品の販売が堅調で、2026年3月期の海外セグメント利益は前期比36.2%増の4,474百万円に拡大した。
2026年3月期末の自己資本比率は78.2%(前期74.7%から上昇)、純資産101,619百万円。有利子負債残高は2,674百万円に対し現金及び現金同等物は25,844百万円と実質無借金状態を維持。
営業キャッシュフロー10,310百万円を安定的に創出しており、大規模設備投資(当期10,042百万円)を自己資金で賄える財務体力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期74,870百万円から2026年3月期92,298百万円へ5期連続増収。ただし2026年3月期の営業利益は8,678百万円(前期比2.8%減)、純利益は7,392百万円(前期比18.4%減)と利益面では後退した。
営業利益の減少は国内ベルトの補修向け販売減少と建設資材の大幅落ち込みが主因。純利益の大幅減少は前期計上の移転補償金1,051百万円・投資有価証券売却益3,453百万円の剥落によるもので、経常利益は為替差益の発生等により前期比11.2%増の10,178百万円と改善している。
外部要因として、ウクライナ情勢・米国通商政策・中国経済低迷・中東地域の緊張が事業環境の不透明感を高めている。
成長戦略
'24中期経営計画最終年度に向け電動化対応・設備投資・株主還元の三位一体推進
四輪車向けEPS駆動用ベルト・電動二輪車向け後輪駆動用ベルト等の電動化対応製品を海外市場で積極展開。2026年3月期に海外ベルトセグメント利益が前期比36.2%増と大幅改善し、戦略の有効性が確認された。
国内ベルトセグメントの有形固定資産及び無形固定資産の増加額は2026年3月期に7,573百万円と前期2,835百万円から大幅拡大。建物及び構築物の純額が9,330百万円から13,090百万円へ増加しており、生産基盤の強化が進んでいる。
2026年3月期の年間配当は191円(前期186円から増配)、配当金総額5,365百万円。自己株式取得も1,000百万円実施。2027年3月期も191円の配当を予定(配当性向59.2%)。純利益減少局面でも増配を維持し、株主還元姿勢を堅持している。
2026年3月期の建設資材セグメント利益は88百万円(前期比87.4%減)と大幅落ち込み。施工現場の人手不足・大型工事物件の減少が主因。土木防水分野の浄水場関連工事は増収に寄与しており、公共インフラ需要の取り込みによる回復が課題。
2024年8月に株式付与ESOP信託を導入し、従業員の経営参画意識と業績向上への貢献意欲を高める施策を実施。信託残存株式は当期末56,283株・帳簿価額226百万円。人財戦略として'24中期経営計画のKPIの一つに位置づけられている。
最終更新: 2026年7月19日

