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株式会社ニチリン

5184東証スタンダードゴム製品

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株式会社ニチリン5184

事業内容

株式会社ニチリンは1914年創業の老舗ゴム製品メーカーで、自動車用エアコンホース・液圧ブレーキホース・パワーステアリングホース等を主力製品とする。連結子会社16社を含むグループで、日本・北米・中国・アジア・欧州の5セグメントにわたりグローバル生産・販売体制を構築。

売上高の90%以上を自動車産業向けが占め、2025年12月期の連結売上高は73,668百万円。東京証券取引所スタンダード市場上場。

主要顧客は国内外の自動車・二輪車メーカーで、韓国の和承R&Aへの技術供与も行っている。

ビジネスモデル

顧客自動車メーカーの生産計画内示に基づく「ジャスト・イン・タイム」定時・定量納入方式を採用し、受注生産型で在庫リスクを抑制。日本・北米・中国・アジア・欧州の各拠点で現地製造・現地販売を行い、為替リスクの分散と現地調達コスト低減を図る。

研究開発費は1,303百万円(2025年12月期)を投じ、冷媒転換対応ホースやEV向け部品など次世代製品の開発を推進。技術援助契約によるロイヤルティ収入も補完的収益源となっている。

企業の強み

1914年創業以来、液圧ブレーキホース(1937年)、カーエアコンホース(1957年)、パワーステアリングホース(1965年)と自動車用ホース類の製品群を段階的に拡充。IATF16949認証を取得し、高分子設計技術を核とした製品競争力を維持。

研究開発費は2025年12月期に1,303百万円と前期比83百万円増加。

日本・北米・中国・アジア・欧州の5セグメントで連結子会社16社を展開。2025年12月期末の自己資本比率は68.5%、有利子負債残高は2,132百万円に対し現金及び現金同等物は18,858百万円と実質無借金経営を維持。営業キャッシュフローは8,353百万円と安定的に創出。

アジアセグメントは売上高25,021百万円・営業利益率14.0%、中国セグメントは営業利益率15.2%と高収益を維持。欧州セグメントは生産実績が前期比122.4%増、売上高が前期比17.5%増の8,035百万円に拡大し、BMWへの二輪車向け製品の新規納入も開始。

エンヴァリスの着眼点

2026年第1四半期の売上高20,798百万円(前年同四半期比+13.6%)・営業利益2,834百万円(同+10.2%)・経常利益2,926百万円(同+39.7%)は堅調。通期予想(売上高78,000百万円・営業利益9,300百万円)に対する第1四半期進捗率は売上高26.7%・営業利益30.5%と概ね順調。

一方、米国の追加関税措置は北米セグメントのコスト増(関税コスト増加が既に営業利益を圧迫)として顕在化しており、通期業績の下振れリスクとして注視が必要。

経常利益の前年同四半期比+39.7%増(2,095百万円→2,926百万円)は、前年同四半期に発生した為替差損556百万円が当四半期ではほぼゼロ(0百万円)となった外部要因が主因。営業利益ベースの改善幅は+10.2%にとどまり、実力ベースの収益改善は着実ながら緩やか。

為替環境の変動次第で経常利益の振れ幅が大きい点は引き続き留意が必要。

北米セグメントは売上高4,738百万円(前年同四半期比+29.3%)と大幅増収を達成した一方、営業利益は118百万円(同▲50.2%)と半減。NAT社買収に伴うのれん償却(37百万円/四半期)と関税コスト増加が利益を圧迫しており、営業利益率は2.5%まで低下。

トラック事業の売上寄与は確認できるが、収益貢献が本格化するまでの時間軸と関税政策の動向が北米セグメント評価の鍵となる。

成長戦略

中期計画2030に基づく既存事業深化・EV対応・非自動車領域拡大の3軸戦略

2025年6月末にNICHIRIN ATCO TEXAS, INC.を連結子会社化し、北米トラック向けホース事業に参入。2026年第1四半期に売上寄与が確認されたが、のれん償却・関税コスト増により営業利益は118百万円にとどまる。統合シナジーの発現と関税対応が収益化の鍵。

インド・東南アジア4拠点体制を活用し、アジア域内の自動車生産拡大需要を取り込む。2026年第1四半期に売上高7,021百万円・営業利益率16.6%を達成し、グループ第2の収益柱として機能。インドABS義務化等の市場環境も追い風として中期成長を牽引する見込み。

スペイン・ブルガリア2拠点体制を活用し欧州メーカー向け販売を拡大。2026年第1四半期の営業利益は112百万円(前年同四半期34百万円)と大幅改善し、収益貢献が本格化しつつある。BMWへの二輪車向け製品新規納入開始による顧客基盤拡大も進行中。

原材料価格上昇や賃上げコストを顧客への販売価格に反映する交渉を継続的に実施。2026年第1四半期の日本セグメントで効果が顕在化し、売上高9,282百万円・営業利益1,261百万円(前年同四半期797百万円)と大幅増益を達成。

中期計画2030に基づき、EV向け製品開発および非自動車領域への展開を推進。米国市場でのEV戦略見直し(HV含む柔軟な生産体制への移行)は短期的には既存製品需要の下支えとなるが、中長期的な製品ポートフォリオ転換への対応が課題。

最終更新: 2026年7月17日